Effects of botulinum toxin type A on the treatment of dry eye disease and tear cytokines
Min Gyu Choi, Joon Hyung Yeo, Jeong Woo Kang, Yeoun Sook Chun, Jeong Kyu Lee, Jae Chan Kim(Korea)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 2019;257(2):331-338
【対象と方法】
・難治性ドライアイ患者*(眼瞼けいれん患者は除外)を前向きランダムに割付け;BTX-A注入群**およびコントロール群***
・注入前・2w後・1M後・2M後・4M後にドライアイ所見・症状を評価、注入前・1M後に涙液サイトカインを測定
*2M以上ドライアイ点眼およびステロイドを点眼も症状が残存する患者、眼瞼けいれん患者は除外
**NABOTA®、2.5IU/0.05mLを上・下眼瞼に五か所ずつ皮下注入
***生食を同部位に同量注入
【結果】
・26例52眼(平均57.7歳)
・BTX-A群では2w・1M後において涙液層破壊時間(TBUT)が有意に増加、2M後までシルマーⅠ法・眼表面疾患インデックス(OSDI)が良好な値
・角膜染色スコア(CFS)はBTX-A群で4M後まで有意に低値
・Repeat measures ANOVAでは、シルマーⅠ法、CFS、OSDI、点眼回数において両群に有意差あり
・涙液中MMP-9が活性型→不活型に変わった割合:BTX-A群で76.92%、コントロール群で38.46%(P=0.005)
・涙液セロトニン値:BTX-A群で2.76→1.73ng/mL(P<0.001)
・流涙・眼瞼後退・角結膜炎などの合併症なし
【結論】眼瞼へのBTX-A注入は、ドライアイの徴候と症状、および涙液サイトカインのレベルを低下させる。BTX-Aは難治性ドライアイ患者への治療オプションとなりうる。(MK)