Influence of epinephrine contained in local anesthetics on upper eyelid height in transconjunctival blepharoptosis surgery.
Matsuda H, Kabata Y, Takahashi Y, Hanzawa Y, Nakano T. (慈恵医大)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol. 2020 Jun;258(6):1287-1292.
doi: 10.1007/s00417-020-04627-6. Epub 2020 Feb 26. PMID: 32103334.
【目的】
・局所麻酔薬に含まれるエピネフリンの上眼瞼高への影響を、腱膜性眼瞼下垂に対する経結膜修復術で検討
【対象と方法】
・94 例164 眼の腱膜性眼瞼下垂症患者をレトロスペクティブに研究
・局所麻酔薬に
1:100000000エピネフリンを添加した場合(A群、n=108)と、添加しない場合(B群、n=56)とによって群分け(1%リドカイン0.3mLを結膜円蓋部に注入)
・局所麻酔の前後、術前、術中、術後3ヶ月後にMRD-1を測定
MRD-1の変化a(∆MRD-1a)は麻酔前のMRD-1値から麻酔後のMRD-1の値を差し引いて算出、
∆MRD-1bは術中のMRD-1値から術後3ヶ月のMRD-1の値を差し引いて算出
【結果】
・∆MRD-1aはA群で正(0.57±0.63mm)、B群で負(-0.50±0.45mm;p<0.001)であった
・術後MRD-1は、A群では術中MRD-1に比べて有意に減少したが(P<0.001)、B群では術中・術後で有意差はなかった(P=0.255)
・A群の∆MRD-1b(-0.86±0.63)はB群のそれよりも有意に大きかった(-0.23±0.26;p<0.001)
【結論】
・エピネフリンは手術中にミュラー筋を刺激し、効果が消失した後の術後上眼瞼下垂を引き起こす
・エピネフリンを添加しない局所麻酔薬を使用することで、腱膜性眼瞼下垂症に対する修復術において術後上眼瞼高をより正確に推定できる可能性がある(MK)