Changes in foveal photoreceptor integrity after idiopathic epiretinal membrane surgery and its relationship with visual outcomes.
Yang X et al(China)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 261(4): 925-933, 2023
・特発性黄斑前膜における網膜外境界膜(ELM)、Ellipsoid zone(EZ)、Interdigitation zone(IZ)の完全さと、特発性黄斑前膜剥離後の視力予後について144例150眼について検討した。
・SD-OCTで、術前、術後1,4,10,24か月後について調査した。
・61眼(40.7%)では、視細胞層が破壊され、IZの分断があった。
・術前の症状が長かった眼、BCVAが良かった眼、より早期の眼、CFTがより薄い眼、白内障同時手術眼では、術後に視細胞層の破壊が進行していた傾向があった(p<0.05)。
・術後、62眼では分断が悪化していた。
・術後1ヶ月ではEZ+IZ分断が最も多かった(51.0%)。
・視細胞層破壊群では術前も最終経過観察後も矯正最良視力BCVAは有意に低かった。
・そのなかでもELM+EZ+IZ分断群では最悪のBCVAであった(p=0.001)。
・障害の進行した眼としなかった眼との間にはBCVAには有意差はなかった。
・最終的に28.1%で視細胞の連続性が改善しており、中心窩の視細胞の連続性が回復した眼はよりよいBCVAが得られた。
・ELMによる視細胞の破壊は主にIZの分断として現れてBCVAに悪影響がある。
・黄斑前膜手術は主にEZとIZの破壊を来すが、最終BCVAには有意な影響を与えていなかった。(TY)