The effect of a preoperative subconjunctival injection of dexamethasone on blood-retinal barrier breakdown following scleral buckling retinal detachment surgery: a prospective randomized placebo-controlled double blind clinical trial.
Bali E et al(Netherlands)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 248(7): 957-62, 2010
・網膜剥離手術後の血液網膜柵の破綻は増殖性硝子体網膜症(PVR)発症の要因である。
・術前のデキサメタゾンの結膜下注射で術後の血液網膜柵の破綻を阻止できるか検討した。
・34例の経強膜内陥手術を行う網膜剥離患者を、術前5-6時間前に0.5mlデキサメタゾン(10mg)と0.5mlのplacebo注射群に二重盲検で振り分けて、1,3,6週後にKOWAのlaser flare photometryで炎症程度を測定した。
・6例がdropout。
・術後1週目では、デキサメタゾン群はプラセボ群に比して48.3%(95%CI=-72.1%~-4.4% p=0.017)のフレア値の低下があった。
・3週目、6週目では有意差はなかった。
・デキサメタゾン(0.5%液:3.8mg/ml)。
・文献的には2.5mgデキサメタゾンを3-6時間前に結膜下注射すると、硝子体内には72.5ng/ml、網膜下には367ng/mlの濃度となるので、今回の方法では手術時に網膜下に700-1000ng/ml濃度となっており、PVR発症リスクを減らせたのではないかと考える。