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Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology

2011
249巻

座位-仰臥位での眼圧変化は緑内障進行を予測できるか

Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology 249巻(6号)2011

Postural changes in intraocular pressure are associated with asymmetrical retinal nerve fiber thinning in treated patients with primary open-angle glaucoma.
Mizokami J et al(神戸大)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 249(6): 879-85, 2011
・66名132眼のPOAG(年齢55.2±13.4)で、TonoPenで眼圧を最初は座位で測定し、その後、10分おきに仰臥位で60分間測定し、最後に座位で測定した。
・ハンフリー視野30-2、OCTでのRNFL厚みも測定し、視野のMean deviation(MD)とRNFL厚を座位と仰臥位での眼圧差の大きい群と小さい群とで比較した。
・MD値は眼圧差の大きい群(6.21±3.18mmHg)は-1.2±7.63dB、小さい群(3.02±0.37)では-9.67±6.80dBで有意差があり(p=0.018)、RNFL厚みは、それぞれ、64.33±17.83μmと68.56±15.10で有意差があった(p=0.049)。
・座位眼圧は13.59±4.38と、14.02±3.28で有意差がなかったが、最高眼圧は19.80±5.01と、18.02±3.64で有意差があった(p<0.0001)。
・中心角膜厚には有意差がなかった。
・MD値もRNFL厚みも、座位での高眼圧群、低眼圧群との間には有意差がなかった。
・このことから、姿勢変化による眼圧上昇量は機能的、構造的な障害量と比例することが分かった。

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