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Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology

2011
249巻

黄斑下出血に対するtPAの効果と副作用

Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology 249巻(8号)2011

Pneumatic displacement of submacular hemorrhage with or without tissure plasminogen activator.
Mizutani T et al(名市大)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 249(8): 1153-7, 2011
・39眼のAMDと14眼の網膜動脈瘤破裂による53眼の黄斑下出血に対し、硝子体内へSF6ガス注入を行った。
・SF6は純粋を0.3-0.6ml注入、tPAは40kIUを注入した。AMDでは36/39眼でtPA注入。
・網膜動脈瘤破裂では最初の4例のみtPA注入し、その後の10例は使用しなかった。
・注入前の経過観察期間は18.4±16.6(3-61)ヶ月、年齢は72.6±10.2(50-90)歳。
・視力改善が0.3 logMAR以上改善が34眼64.2%、0.3 logMAR以内のやや改善が15眼28.3%、悪化が4眼7.5%であった。
・注入後の硝子体出血を含んだ再出血は、AMDではtPA使用例では8/36(22.2%)、tPA未使用例では1/3(33.3%)であったが、網膜動脈瘤ではtPA使用例では4/4(100%)、未使用例では1/10(10%)であり、有意差があった(p<0.005)。
・AMDによる黄斑下出血にはtPAは有効であったが、動脈瘤破裂では硝子体出血を発生することが多く、推奨される治療ではない。

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