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Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology

2011
249巻

嚢内固定IOLの脱臼原因の検討

Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology 249巻(9号)2011

Occurrence of capsular delamination in the dislocated in-the-bag intraocular lens.
Hirata A et al(佐賀医大)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 249(9): 1409-15, 2011
・嚢内に固定されたまま脱臼し、摘出された19例の眼内レンズを電顕で調査した。
・7例がPEX、高度近視が3例、外傷の既往が2例、硝子体術眼が2例、網膜色素変性症が1例、ぶどう膜炎が1例、既往歴なしが3例である。
・7例のPEX例では全例、嚢の収縮と嚢径の縮小、チン小帯繊維の断裂が見られた。
・PEX以外の12例では3例に軽度の嚢収縮があったが、嚢径の縮小はなく、嚢の赤道部に嚢の層間剥離があり、その部分のチン小体繊維は完全に消失していた。
・この嚢の層間剥離は慢性炎症、加齢、術中のストレスによるものと推測した。
・嚢内IOL脱臼は、PEXでみられるチン小体の弱体化と、非PEX眼でみられる嚢の層間剥離による嚢自体の弱体化の2つの原因があるだろう。

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