Microbiological findings and predisposing risk factors in corneal ulcers.
Prokosch V et al(Germany)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 250(3): 369-74, 2012
・細菌性角膜炎346例(5-105歳 median=64歳)のうち、43%(148/346)で計199菌が検出された。
・多い順に、G+黄色ブ菌63(32%)、G+表皮ブ菌30(15%)、G-緑膿菌15(8%)であり、患者の状態で多い順は、糖尿病、CL使用者、皮膚や眼瞼異常のある人、外傷であった。
・薬剤耐性は低い順にクロラムフェニコール(0%)、フシジン酸(12% フシジンレオ軟膏)、シプロフロキサシン(22% シプロキサン)、トブラマイシン(23%)、レボフロキサシン(24%)であった。
Develoment of a surgical approach for a wide-view suprachoroidal retinal prosthesis: evaluation of implantation trauma.
Villalobos J et al(Australia)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 250(3): 399-407, 2012
・人工眼開発の我々の目的は安全で再現性のある広範囲に渡って網膜を刺激する電極配列を眼内に埋め込むことである。
・今回、8x13x0.4mmの72個のプラチナ電極を持った電極を作成し猫の9眼に埋め込んだ。
・10眼目は大出血の為、中止した。強膜を輪部から5ミリで切開し、中心窩網膜上の上脈絡膜腔に埋め込んだ。
・2眼で大出血があり、網膜皺襞も発生した。
・切開部に6眼で脈絡膜陥頓が発生したが、網膜、脈絡膜などに穿孔した例はなかった。
・組織を調べると、網膜剥離が1例、硝子体出血が5例、前房出血が7例あったが、網膜刺激電極として、可能性はある。
Three dimensional spectral domain optical coherence tomography features of retinal-choroidal anastomosis.
Querques G et al(France)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 250(2): 165-73, 2012
・網膜-脈絡膜血管吻合(RCA)についての、3次元SD-OCT画像と従来の血管撮影との比較を行い、網膜やRPEのマップが作成できる3D SD-OCTのB-scan、3D網膜マップの診断能力を、18例18眼(年齢79.5±19.4歳)で検討した。
・血管撮影で局所的な染色のあった3例では、3D OCTでは網膜内層表面の軽度の突出とRPEの半球状の膨隆が、初期RCA所見としてみられた。
・血管撮影でPEDのない”hot spot”のみられた7例では、網膜内層表面の突出と急峻な縁を持ったRPEのしっかり分離された。
・PEDのある”hot spot”の8例では、網膜内層表面の突出と先端にピークを持ったRPEの突出が見れらた。
・3D OCTでは、病態の進展により異なった病態を示しており、RCAの診断で血管撮影を補完するものと評価できる
Astaxanthin increase choroidal blood flow velocity.
Saito M et al(北大)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 250(2): 239-45, 2012
・Astaxanthin(AXT)は抗酸化、抗炎症作用、血流速度を早める効果を持っている。
・AXTは鮭やイクラ、エビやカニなど、赤い色素が外見的にも特徴的な魚介類に多く含まれており、高い抗酸化作用を持ち、紫外線や脂質過酸化反応から生体を防御する因子として働いている。
・光障害から目を保護するとも言われており、サプリメントとして販売されている。
・また、調節力改善、眼精疲労改善にも有効である。
・Laser speckle flowgraph(LSFG)を利用して、AXTを1日12mg、4週間連続摂取した時の脈絡膜血流速度を測定した。
・正常ボランティア20名(AXT群10名38.2±11.7歳、プラセボー群10名38.8±6.8歳、いずれも体重は54±7Kg)で、摂取前、摂取2週後、4週間後で、血流速度の定量的な指標であるLSFGの square blur rate(SBR)値を測定した。
・AXT群では4週間後に黄斑部のSBR値は有意に増加していた(p=0.018)が、プラセボー群では有意はなかった(p=0.598)。
・AXTの4週以上の摂取は、副作用がなく、脈絡膜血流速度を増加させることができた。
Astigmatism and optical coherence tomography measurements.
Hwang YH et al(Korea)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 250(2): 247-54, 2012
・Cirrus HD SD-OCTでのRNFL厚測定に乱視が影響するかどうかを検討した。
・30例の若い正常者に直乱視WTR、倒乱視ATRの -3.25DのトーリックSCLを装着して測定した。
・乱視度は実測値でWTRでは2.92D、ATRでは3.18Dであった。
・WTRでのRNFL厚は、平均、上方、12時、6時で1.58~6.88μm減少し、ATRでのRNFL厚は、平均、鼻側、耳側、2,3,9時で0.75~5.11μm減少していた(全てp<0.05)が、黄斑部厚は乱視に影響されなかった(p>0.250)。
Outcomes of different management options for malignant glaucoma: a retrospective study.
Debrouwere V et al(Belgium)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 250(1): 131-41, 2012
・21例24眼の悪性緑内障につき、9眼は薬物治療を行った。
・21眼は手術となり、そのうち15眼は全硝子体切除-(PEA)を行い、硝子体カッターで、硝子体側から10-2時の位置で、チン氏帯と虹彩を切除した。
・再発率は薬物治療では100%、YAG後嚢切開+前硝子体膜切開では75%、通常の硝子体手術では75%、前部硝子体切除+虹彩チン氏帯切除では66%であったが、全硝子体切除+虹彩チン氏帯切除+(PEA)では再発例はなかった。
・この方法では平均61日間の経過観察期間中の眼圧は10-22(mean 16)mmHgであった。
・Aqueous misdirection syndrome治療には、この全硝子体切除+虹彩チン氏帯切除+(PEA)が最も良い方法であった
25-, 23-, and 20-gauge vitrectomy in epiretinal membrane surgery: a comparative study of 553 cases.
Sandali O et al(France)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 249(12): 1811-9, 2011
・553例の黄斑上膜剥離手術に25G(347例), 23G(91例), 20G(115例)硝子体システムを使用し、安全性などを検討した。
・手術時間は23G,25G群で20G群より有意に短かった(p<0.001)。
・術8日目の視力改善は25G群で20G,23G群より有意に良かったが(p=0.035)、6週間目には有意差はなくなっていた(p=0.186)。
・術翌朝の眼圧は20G群で有意に高く(15.25±3.04→16.22±5.62 p<0.001)、23G群では低くなっていたが(15.93±3.15→15.15±4.68 p=0.073)、25G群では有意な変化はなかった(15.55±2.58→15.36±4.73 p=0.807)。
・網膜裂孔の発生は、PVD作成群では20G=20/163(12.4%), 23G=6/43(14.3%), 25G=2/38(5.3%)、非作成群では20G=9/185(4.9%), 23G=1/73(1.4%), 25G=0/53(0%)であり、PVD作成が有意に裂孔発生に関連があったが、術中の合併症発生率に関しては有意差はなかった。
・総合的に判断すると、25G、23G手術が有利である。
Retinal vascular occlusion after vitrectomy with retrobulbar anesthesia- observational case series and survey of literature.
Tappeiner C et al(Switzerland)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 249(12): 1831-5, 2011
・球後麻酔を行った網膜硝子体手術後に網膜動脈閉塞症を発症した6例を報告する。
・網膜中心動脈閉塞は3ヶ月以内に3例、網膜動脈分枝閉塞は2-14日後に3例発症した。
・麻酔には防腐剤としてmethyl-, propyl-parahydroxybenzoateを含んでいる1%mepivacaineを使用した。
・パラオキシ安息香酸エステルを総称してパラベンと呼称されており、主に飲料向けの防腐剤として使用されているが、食品・医薬品あるいは化粧品の防腐剤としても使用されている
・麻酔注射液のキシロカイン注射液はクロロブタノール含有であるが、マーカイン注射液はメチルパラベン、プロピルパラベンを含有している
・この内3例は、3-12ヶ月の間隔で行われた2回目の網膜硝子体手術後に発生しており、何らかの長期的な蓄積効果が疑われる。
・防腐剤なしのmepivacaine使用例では血管閉塞症の発生はなく、防腐剤が血管閉塞に影響を与えた可能性がある。
Retinal blood flow velocity measured by retinal function imaging in retinitis pigmentosa.
Beutelspacher SC et al(Israel)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 249(12): 1855-8, 2011
・5例5眼の網膜色素変性症RP(55.7±8.6歳)と年齢をマッチさせた健康人で後極部網膜の血管流速を測定した。年齢で補正すると、健康人:RPでは、網膜静脈は3.0(2.8-3.3):1.6(1.3-1.9)、網膜動脈は4.2(3.7-4.8):2.3(1.7-2.8)cm/sであり、いずれも有意にRPでスピードが遅かった
Relationship between retinal nerve fiber layer thickness and driving ability in patients with human immunodeficiency virus infection.
Cheng S et al(CA USA)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 249(11): 1643-7, 2011
・22例のHIV陽性者と、年齢をマッチさせた16例のHIV陰性者で、網膜神経線維層厚を測定し、広い視野の模擬運転装置を用いた運転能力を測定した。
・模擬運転装置では約20分間、10.2マイルを運転し、交通法規を守っているか、衝突を避けうるか、追い抜き能力、スピード違反や、車線が守れるかなどを運転ミスとしてスコア化した。
・HIV陽性者ではコントロールに比して有意に運転エラースコアが高かった(18.4±9.2:11.1±4.5 p=0.0006)。
・RNFL厚は運転エラースコアと有意に相関していた(r=-0.51 p=0.025)。
・ヘルパーT細胞の膜表面にある抗原であるCD4数は、HIV感染症では減ってくるが、このCD4値が100未満の場合は、100以上の人に比べ有意にエラースコアが大きかった(29.7±13.2 vs 19.3±8.4 p=0.056)。
・また、エラースコアが最大の群はCD4が100未満で、RNFL厚が80μm未満のHIV陽性者であった。
・RNFL厚が薄くなる程、運転能力は低下傾向があり、HIV感染者では眼科的な機能低下があることに注意すべきである。
A new rebound tonometer for home monitoring of intraocular pressure.
Rosentreter A et al(Germany)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 249(11): 1713-9, 2011
・緑内障患者が自分で眼圧を測定できるように新規に開発されたIcare ONE rebound眼圧計(RTONE)とゴールドマン圧平眼圧計(GAT)との比較を緑内障でない患者52名と緑内障患者74名の右眼で検討した。
・この内、95名では、RTONEで自分自身で眼圧を測定して貰い(RTONE[p])、眼科医のRTONEで測定した眼圧と比較した(RTONE[o])。
・平均眼圧はRTONE[o]は17.1±5.9、RTONE[p]は17.3±5.6、GATは16.5±5.1であり、相関係数はRTONE[o]とRTONE[p]はρ=0.916、RTONE[o]とGATはρ=0.901で有意な相関があった。
・差と95%範囲は、RTONE[o]-RTONE[p]=-0.2(-5.0~4.5)、RTONE[o]-GAT=0.6(-4.4~5.6)、RTONE[p]-GAT=0.8(-4.6~6.1)であった。
・RTONE[o]とGATの差は、CCTの増加に伴って増えており(p=0.004)、CCTの10%増加はRTONE[o]とGATの差の1.8%の増加となっていた。
・RTONEは自己測定でも十分に信頼できるが、GATに比較して眼圧が高めになる傾向があり、CCTに影響を受けていた。
Resolution of toral reteinal detachment in Coat’s disease with intravitreal injection of bevacizumab.
Zhao T et al(China)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 249(11): 1745-6, 2011
・2年前から左眼内斜視が発生した3歳の男児で、網膜全剥離を来たしているstage3Bのコーツ病患者に、bevacizumab(1.25mg/0.05ml)を6週おきに3回硝子体注入を行った。
・最後の注入15週間後には網膜剥離はほぼ消褪し、視力も20/125に上昇した。
・その時点では網膜剥離の再発はない
Unsuccessful surgical excision of optic nerve drusen.
Pfriem M et al(Germany)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 249(10): 1583-5, 2011
・両眼の視神経乳頭ドルーゼン(OND)による進行性の視野欠損があり、左眼は光覚弁、右眼は20/25の53歳女性の左眼で、ONDが切除できるかどうかやってみたが、失敗した。
・その理由は、表層の単純なOND様に見えても、表層に多数の突起をもった一つの大きな塊であり、網膜血管もその中を貫通していた。
・剪刀、鑷子なども用いて除去しようと試みたが、視神経乳頭を完全に覆った石灰化した表面の、多数の小葉で構成されており、切除できなかった。
Occurrence of capsular delamination in the dislocated in-the-bag intraocular lens.
Hirata A et al(佐賀医大)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 249(9): 1409-15, 2011
・嚢内に固定されたまま脱臼し、摘出された19例の眼内レンズを電顕で調査した。
・7例がPEX、高度近視が3例、外傷の既往が2例、硝子体術眼が2例、網膜色素変性症が1例、ぶどう膜炎が1例、既往歴なしが3例である。
・7例のPEX例では全例、嚢の収縮と嚢径の縮小、チン小帯繊維の断裂が見られた。
・PEX以外の12例では3例に軽度の嚢収縮があったが、嚢径の縮小はなく、嚢の赤道部に嚢の層間剥離があり、その部分のチン小体繊維は完全に消失していた。
・この嚢の層間剥離は慢性炎症、加齢、術中のストレスによるものと推測した。
・嚢内IOL脱臼は、PEXでみられるチン小体の弱体化と、非PEX眼でみられる嚢の層間剥離による嚢自体の弱体化の2つの原因があるだろう。
Pneumatic displacement of submacular hemorrhage with or without tissure plasminogen activator.
Mizutani T et al(名市大)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 249(8): 1153-7, 2011
・39眼のAMDと14眼の網膜動脈瘤破裂による53眼の黄斑下出血に対し、硝子体内へSF6ガス注入を行った。
・SF6は純粋を0.3-0.6ml注入、tPAは40kIUを注入した。AMDでは36/39眼でtPA注入。
・網膜動脈瘤破裂では最初の4例のみtPA注入し、その後の10例は使用しなかった。
・注入前の経過観察期間は18.4±16.6(3-61)ヶ月、年齢は72.6±10.2(50-90)歳。
・視力改善が0.3 logMAR以上改善が34眼64.2%、0.3 logMAR以内のやや改善が15眼28.3%、悪化が4眼7.5%であった。
・注入後の硝子体出血を含んだ再出血は、AMDではtPA使用例では8/36(22.2%)、tPA未使用例では1/3(33.3%)であったが、網膜動脈瘤ではtPA使用例では4/4(100%)、未使用例では1/10(10%)であり、有意差があった(p<0.005)。
・AMDによる黄斑下出血にはtPAは有効であったが、動脈瘤破裂では硝子体出血を発生することが多く、推奨される治療ではない。
Is the peripheral retina an important site for myopic development? [Liu Y & Wildsoet C. The effect of two-zone concentric bifocal spectacles lenses on refractive error development and eye glowth in young chicks. [IOVS 52:1078,2011]
Chan HH(Hong Kong)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 249(7): 955-6, 2011
・同心円状の2焦点眼鏡を若いひよこにかけさせた。
・中心部の直径が2.5-6.5mmの5種類で、4種類の度数の以下の組み合わせ:中心が0Dで、周辺が-5D~+5D、周辺が0Dで、中心が-5D~+5Dの組み合わせとした。
・結果は中心のボケよりも、周辺のボケの方が近視にも遠視にも屈折の進展に影響があり、周辺のボケの影響は、単焦点レンズよりも大きかった。
・眼球発達にとって、周辺部のボケが中心部のボケの影響より大きいことが分かった。
・また、中心と周辺部との有効視野の相互効果が屈折異常を発症させるのに大きな影響があった。
・ひよこの網膜にはボケに効果的に反応する範囲があるだろう。
・人にも同じことがあるようで、Hoら(Vision Res 51:367,2011)は、電気生理的実験から、10~26゚の視野であろうと考えた。
Trans-lamina cribrosa pressure difference correlated with neuroretinal rim area in glaucoma.
Ren R et al(China)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 249(7): 1057-63, 2011
・篩板前後の圧差と、緑内障性視神経障害を示唆する視神経乳頭リムの面積とが相関するかどうかを検討した。
・眼圧の高い緑内障22名、正常眼圧緑内障13名、高眼圧症17名で、乳頭解析、脳脊髄圧CSF圧などを測定し、篩板前後圧差は<眼圧-CSF圧>とした。
・篩板前後圧差は、乳頭リム面積(r=-0.38 p=0.006)、視野欠損のMD値(r=0.38 p=0.008)と、有意に相関していた。
・このことから、篩板前後圧差は緑内障性視神経障害に関与していると考えた。
・高眼圧症:POAGで比較すると、中心角膜厚 581±27:546±31μm(p<0.001)、脳脊髄圧 16±3:11±3mmHg(p<0.001)、篩板前後圧差 6.5±2.5:10.5±5mmHg(p<0.001~p=0.006)、リム面積 1.65±0.3:1.25±0.4(p<0.001~p=0.001)
Postural changes in intraocular pressure are associated with asymmetrical retinal nerve fiber thinning in treated patients with primary open-angle glaucoma.
Mizokami J et al(神戸大)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 249(6): 879-85, 2011
・66名132眼のPOAG(年齢55.2±13.4)で、TonoPenで眼圧を最初は座位で測定し、その後、10分おきに仰臥位で60分間測定し、最後に座位で測定した。
・ハンフリー視野30-2、OCTでのRNFL厚みも測定し、視野のMean deviation(MD)とRNFL厚を座位と仰臥位での眼圧差の大きい群と小さい群とで比較した。
・MD値は眼圧差の大きい群(6.21±3.18mmHg)は-1.2±7.63dB、小さい群(3.02±0.37)では-9.67±6.80dBで有意差があり(p=0.018)、RNFL厚みは、それぞれ、64.33±17.83μmと68.56±15.10で有意差があった(p=0.049)。
・座位眼圧は13.59±4.38と、14.02±3.28で有意差がなかったが、最高眼圧は19.80±5.01と、18.02±3.64で有意差があった(p<0.0001)。
・中心角膜厚には有意差がなかった。
・MD値もRNFL厚みも、座位での高眼圧群、低眼圧群との間には有意差がなかった。
・このことから、姿勢変化による眼圧上昇量は機能的、構造的な障害量と比例することが分かった。
Comparison between Pascal dynamic contour tonometer and Goldmann applanation tonometer after different types fo refractive surgery.
Aristeidou AP et al(Greece)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 249(5): 767-73, 2011
・PRK、LASIK後のパスカル眼圧計(PDCT)とゴールドマン眼圧計(GAT)のデータを比較した。
・近視矯正PRK患者84例(CCT減少は-61.3±28.1μm)、近視矯正LASIK患者182例(-71.7±28.6μm)、遠視矯正LASIK患者43例(-16.4±23.9μm)について、眼圧を術1日前、1, 3, 6, 12ヶ月後に測定した。
・超音波眼軸長測定は術後1ヶ月で行った。
・術前、術後とも、GAT値はPDCTよりも全群で低かった(p<0.05)。
・術後はPRK群ではGATでは 1,3,6,12M後の変化は-1.4, -1.7, -1.7, -1.9mmHgであった(全部 p<0.05)。
・近視LASIK群でのGAT変化は、-3.6, -3.6, -3.6, -3.5mmHg(全部 p<0.05)、遠視LASIK群では、-1.1, -0.7, -1.1, -0.9mmHg(全部 p<0.05)。
・12ヶ月後のGATとPDCTの差(GAT-PDCT)は、近視PRKで-3.8、近視LASIKで-4.1、遠視LASIKで-1.5mmHgであった。
・PDCTでは、どの群でも有意な変化はなく、角膜屈折手術後の眼圧測定には有効であった
Decreased retinal nerve fiber layer thickness in patients with obstructive sleep apnea/hypopnea syndrome.
Lin PW et al(Taiwan)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 249(4): 585-93, 2011
・睡眠時無呼吸症候群OSAHS患者で、程度判定も行った105人と、正常者22名について、RNFL、視神経乳頭形状解析、早期緑内障診断の為の黄斑部のRNFL厚みを測定した。
・正常:軽度OSAHS:中等度:重度で、OCTでのRNFL厚みは、平均値では、109.0±7.7:107.5±8.1:105.0±8.1:101.8±9.6でp<0.0001で有意差があり、上方ではp=0.0007、耳側ではp=0.036で有意差があった。
・正常者と軽度OSAHSを合わせたG1群(AHI<15)と、中等度・重度を合わせたG2群(AHI≧15)で比較すると、RNFL厚みは平均値で、G1:G2では、108.1±7.9:103.1±9.1(p<0.0001)、上方でp=0.0001、耳側でp=0.007、下方でp=0.029で有意差があった。
・Polysomnography(睡眠ポリグラフ計PSG)での最低酸素飽和度とRNFL厚みとは、平均でr=0.26、上方でr=0.200、鼻側でr=0.156で、正の相関関係があった。
・このことから、中等度あるいは重度のOSAHSは、緑内障のリスクが高いことが分かった。