Visual atuity as measured with Landolt C chart and Early Treatment of Diabetic Retinopathy Study(ETDRS) chart.
Kuo HK et al(Taiwan)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 249(4): 601-5, 2011
・正常者、白内障者、黄斑症患者(黄斑円孔、AMD、近視性黄斑症、RVO黄斑症)で、ランドルト環とETDRSチャートで、視力測定を行った。
・正常者、白内障者では両者間に差はなかった
・黄斑症患者ではLogMARでは、有意差はなかったが、ランドルトC視力よりETDRS視力の方が良かった。0.845(小数点0.14)±0.579:0.714(小数点0.19)±0.393。
・ただ、視力0.1未満と0.1以上の2群に分けてみると、0.1未満群では、1.419(小数点0.038)±0.385:1.014(小数点0.097)±0.319で、有意差があり(p<0.001)、平均視力差は4ラインであった。
Determination of absolute size of fundus objects.
Dawczynski J et al(Germany)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 249(3): 381-7, 2011
・Retina fringe projector(RFP)を用いて干渉縞を網膜に写し込み、眼底像の大きさを実測する方法を考案した。
・モデル眼でチェックした後、様々な屈折度の52例の患者眼で、Zeiss FF450眼底カメラで計測した。
・大きさの分かったものをモデル眼で計測した場合、平均1-2%以内の誤差で、全て3%以内には入っていた。
・臨床的にも偏位は2.5%であった。
Differential diameter responses in macular and peripheral retinal arterioles may contribute to the regional distribution of diabetic retinopathy lesions.
Jensen PS et al(Denmark)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 249(3): 407-12, 2011
・糖尿病網膜症は網膜の自動制御機構(圧と代謝)が破綻したと考えられている。
・糖尿病網膜症には部位的な差があり、黄斑部では過灌流があり、周辺部では網膜虚血を伴った毛細管の閉塞が見られる。
・このような網膜症の差は網膜動脈径の自動制御機構に差があるためであろうと考えている。
・正常者、糖尿病黄斑症(DM)、増殖性糖尿病網膜症(PDR)、それぞれ17名づつで検討した。
・2Kgの錘を腕で持ち上げた刺激による動脈血圧の上昇、あるいは、8Hzのフリッカー光を与えた時の網膜代謝の増加、あるいは両方で刺激している時の黄斑部と網膜周辺部網膜動脈径の変化を、dynamic vessel analyzer(DVA)を用いて測定した。
・網膜動脈圧の上昇%は、3群で有意差はなく、運動時は18.8-19.77%、光刺激では0.7-1.6%、両刺激では17.3-19.8%であった。
・運動刺激では、正常者とDMでは黄斑部、周辺部ともに網膜動脈径は減少したが、PDRではやや増加しており(N:-2~-3%、DM:-1%、PDR:+1%)、PDRは他の2群と有意に異なっていた(p=0.03)。
・光刺激での網膜動脈径の増加は正常者、DMに比して、PDRでは有意に少なかった(p=0.01)(N:+3~+4%、DM:+2%、DMR:+0.5~+1.0%)。これらは黄斑部と周辺部に有意差はなかった。
・両刺激では、黄斑部では3群間に有意差はなかったが(N:+1.3%、DM:1.5%、PDR:+2.9%)、周辺部ではN:+3.3%、DM:+0.5%、DMR:+0.5%とDM、DMRでは正常者よりも有意に少なく(p=0.01)、黄斑部と周辺部を比較すると、正常者では有意に周辺部で大きく(p=0.02)、PDRでは有意に黄斑部で大きかった(p=0.049)。
・これらのことは、黄斑部では虚血から守るような自動制御機構が働いているが、周辺部では働いていないと考えられる。
・これらの検討は、DMの病態を考える上で有益である。
The effect of caffeine on intraocular pressure: a systematic review and meta-analysis.
Li M et al(Shanghai)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 249(3): 435-42, 2011
・カフェイン摂取の正常者、緑内障者、高眼圧者に対する影響についての、6つの無作為比較試験を文献的に検討した。
・対象は合計144名(正常:103名、緑内障か高眼圧症:41名)である。
・カフェイン摂取後、0.5h、1h、1.5hの眼圧上昇(平均、95%CI)は、正常者では -0.740(-2.45~0.97)、0.522(-0.57~1.61)、0.580(-1.524~2.68)であったが、緑内障かOHでは、0.347(0.08~0.62)、2.395(1.74~3.05)、1.998(1.52~2.47)であり、高くなっていた。
Levels of plasma homocysteine in pseudoexfoliation glaucoma.
Tranchina L et al(Italy)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 249(3): 443-8, 2011
・36名の落屑緑内障(PEXG)、40名のPOAG、40名の正常コントロールで血清のホモシスチン(Hcy)、ビタミンB12、葉酸を調べた。
・PEXGでは血清のホモシスチン量が16.55±7.23μm/Lで、POAG:13.91±3.61、コントロール:13.12±5.13に比較し、有意に高かった(それぞれ、p=0.03, p=0.0007)。
・血清ビタミンB12、葉酸には有意差がなかった。
Intravitreal bevacizumab vs. sham treatment in acute branch retinal vein occlusion with macular edema: results at 3 months (Report 1).
Moradian S et al(Iran)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 249(2): 193-200, 2011
・81例81眼のBRVOをIVB群(6週間おきに1.25mgを2回注射の42眼)とsham群(39眼)に分けて、6週間後、12週間後に検討した。
・IVB群では視力、中心網膜厚CMTともに改善しており、6週目での最良視力はIVB群ではsham群より有意に改善していた。
・しかし、12週目ではlogMARでの改善は、IVB群 0.74±0.38(小数点:0.18)→0.42±0.33(小数点:0.38)で、-0.33±0.3の改善、sham群0.8±0.38(小数点:0.16)→0.66±0.56(小数点:0.22)で、-0.15±0.3の改善と、両群間に有意差はなくなっていた。
・IVBは視力の初期改善を加速させるが、12週目では有意な効果はなくなっていた。
Intravitreal bevacizumab injection for persistent serous retinal detachment associated with Vogt-Koyanagi-Harada disease.
Park HS et al(Korea)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 249(1): 133-6, 2011
・全身的なステロイド治療に抵抗し、網膜剥離が持続した原田氏病の42歳女性に、Bevacizumabの硝子体注射を行ったら、短期間で軽快した症例の報告。
・視力は両眼とも30cm指数弁で、OCT上では中心窩の網膜剥離高は右1119μm、左1161μmあり、3日間のステロイドパルス療法と、50mg(1mg/Kg)→40mg predonisolone内服治療 5週間で、全身状態は軽快、左眼の視力は0.6まで改善したが、右眼は網膜剥離高は884μmと軽快せず、視力も0.1であった。
・1.25mg Avastin注入で、1週間後にRDは消失し、網膜厚は189μmに改善。視力も0.7まで改善した。
Choroidal imaging in inherited retinal disease using the technique of enhandced depth imaging optical coherence tomography.
Yeoh J et al(UK)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 248(12): 1719-28, 2010
・Enhanced depth imaging (EDI) OCTで、脈絡膜変化、視力、ERGなどとの関連を検討した。
・Stargardt黄斑ジストロフィー、原因遺伝子が分かった遺伝性黄斑ジストロフィー、原因不明の黄斑ジストロフィー、ベスト病、脈絡網膜萎縮、Bietti crystallin網膜ジストロフィー、コロイデレミアの20例で検討した。
・いずれの症例も両眼のEDI-OCT所見は近似していた。
・10例では脈絡膜菲薄化はなく、5例は軽度から中等度の菲薄化、3例は限局性の高度の菲薄化、Bietti病とコロイデレミアの2例は瀰漫性の高度な脈絡膜菲薄化がみられた。
・脈絡膜菲薄化と視力やERGとの間には相関はなかったが、眼底所見で十分に予想可能であり、Stargardt病などで菲薄化が進行状態と相関する場合もあるが、そうでない場合は遺伝子変化によるものであった。
・限局性の軽度から中等度の菲薄化はRPE細胞の死を現わしているが、より高度の菲薄化は太い脈絡膜血管の萎縮を来たす遺伝子要因によるものであろう。
Alterd temporal peripapillary retinal flow in patients with disc hemorrhages.
Kurvinen L et al(Finland)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 248(12): 1771-5, 2010
・神経乳頭辺縁出血のみられた21例21眼(うち14眼は緑内障)で、出血がみつかった時と、その6か月後に傍乳頭部の血流を scanning laser Doppler flowmetry(Heidelberg Retinal Flowmeter)で測定した。
・測定は視神経耳側の上下で、視神経縁を含む2.8×0.7mmの矩形域2か所とそれに接する矩形域2か所の計4か所である。
・MF(平均血流量)、SF(収縮期最大血流量)、DF(拡張期最小血流量)、pulsation index:PI=(SF-DF)/SFの4項目を測定。
・6か月後の変化は、4か所の平均ではMF:229→339(p=0.008)、SF:299→407(p=0.014)、DF:154→228(p=0.011)、PI:0.50→0.44(p=0.007)といずれも有意に増加していたが、辺縁出血のあった部位では、MF:221→309(p=0.043)、SF:299→399(p=0.070)、DF:142→182(p=0.134)、PI:0.50→0.49(p=0.623)と、MFのみで有意に改善するだけにとどまっていた。
・このことから、辺縁出血が発生した時点では血流が有意に減少し、出血の吸収と共に血流が改善していくことが分かった
Subconjunctival reflux and need for paracentesis after intravitreal injection of 0.1 ml bevacizumab: comarison between 27-gauge and 30-gauge needel.
Lorenz K et al(Germany)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 248(11): 1573-7, 2010
・0.1ml(1.25mg)のアバスチン硝子体注入後に眼圧上昇を来たし、前房穿刺が必要になる状況を調べた。
・14ヶ月間に144例145眼に対して行われた合計234例の注射について、使用した針(27Gか30G)、水晶体の状態、硝子体逆流量を検討した。
・78例(33%)で眼圧下降の為に前房穿刺が行われた。
・27G群では26%(25/96)、30G群では38%(53/138)で両群間に有意差があった(p=0.05)。・逆流量をGrade0~Grade4に分けると、27G群の中間値はG2で、30G群ではG1であった(p<0.001)。
・30G針を使用すると逆流は少ないが、眼圧上昇による前房穿刺の頻度が増えた。
Posterior optic buttonholing prevents intraocular pressure peaks after cataract surgery with primary posterior capsulorhexis.
Stifter E et al(Austria)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 248(11): 1595-1600, 2010
・両眼を同日に行った連続30例60眼で、1眼にprimary posterior capsulorhexis(PPC)を行いposterior optic bottonholing(POBH、前嚢キャプチャー固定)、片眼にPPCは施行しPOBHはせず、両群間で術後の眼圧を比較した。
・眼圧は術前、術後1, 2, 4, 6, 8, 24時間後,1週間後,1ヶ月後に測定した。
・使用した眼内レンズはHOYA AF-1 YA-60BB。
・PPCは、Healon使用下で周辺部の前嚢を押して後嚢と一体にして、30G針で中心に穴を開け、4.5mm経迄1辺ができた時点で前硝子体膜をHealonで下げたのちにPPCを完成させた。
・最初の24時間は眼圧はPPC/POBH群(17.5, 16.4, 15.9, 15.0, 14.5, 13.9mmHg)でPPC群(24.0, 22.3, 21.0, 20.1, 18.4, 17.1mmHg)よりいずれの時間でも有意に眼圧が低かった(p<0.001)。
・PPC/POBH群では眼圧が27を超えたものはいなかったが、PPC群では7例で眼圧が27を超え、4眼で30を超えていた。
・1週間後、1ヶ月後では両群間に眼圧差は見られなかった。
Impact of injection techniques on intraocular pressure (IOP) increase after intravitreal ranibuzumab application.
Hohn F et al(Germany)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 248(10): 1371-5, 2010
・緑内障のないAMDに対して 0.05ml ranibizumab(Lucentis)を注入後の眼圧変動を検討した。
・45例45眼(平均年齢 78歳)に対し、Lucentisを通常の方法で垂直に強膜を穿孔する方法で31眼、強膜をトンネル貫通する方法で14眼に行った。使用したのは30G注射針
・シェッツ眼圧計で注射前後に眼圧測定し、結膜下への逆流量も半定量的に求めた。
・仰臥位での術前眼圧は22.4±5.5mmHgで、術直後の眼圧は47.9±15.1(23~82)で、前後の差は25.5±13.6mmHgであった。
・垂直穿孔群では22.5±5.9→43.4±15.6(23~82)、トンネル穿孔群では21.2±4.1→54.7±10.0(40~72)で、その差は、垂直群では22.3±14.3、トンネル群では34.8±7.3であり、有意に差があった(p=0.001)。
・逆流は、垂直群では19/31(61.2%)で大量の逆流、12/31(38.8%)で逆流なし、トンネル群では1/14(7.1%)で軽度逆流、13/14(92.9%)で逆流なしであった。
Selective retinal therapy (SRT) for clinically significant diabetic macular edema.
Roider J et al(Germany)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol, 248(9), 1263-72, 2010
・Selective retinal therapy(SRT)のphaseⅡ studyである。39例39眼の未治療の虚血性ではないDMEに対して、Qスイッチ Nd:YLFレーザー治療を行った。
・波長527nm、凝固時間1.7μs、最高出力400μJ(247±50で、200-325μJ)、1部位に対して100Hzで30パルス発射、照射時間300ms、サイズ210μm、発射数は35.2±24発(11-125発)。
・出力は、10-20のテストスポットを発射した1-2時間後にFAGを行い、決定した。
・このレーザーは選択的にRPEを凝固し、視細胞レベルには障害を来たさないと考えられる。
・凝固斑はFAGでは検出できるが検眼鏡的には観察不能である。
・6か月後のETDRS視力は、43.7±9.1文字→46.1±10.5文字に改善(p=0.02)。
・5文字を超えて改善あるいは5文字以内で不変であったものが84%。10文字以上改善が13%、5文字以上悪化が16%。15文字以上悪化例はなかった。
・視力改善は硬性白斑の減少(p=0.01)、中心網膜厚の減少(p=0.01)と相関していた。SRT治療は安全で有効な方法である。
Initial results of trifocal diffractive IOL implantation.
Voskresenskaya A et al(Russia)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol, 248(9), 1299-1306, 2010
・回折型の3焦点眼内レンズ MIOL-Record を作成し、36眼に移植した。
・眼内レンズ形状はAcrySofとほぼ同じ。結果は良好。
Comparison of full-thickness traumatic macular holes and idiopathic macular holes by optical coherence tomography.
Huang J et al(China)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 248(8): 1071-5, 2010
・外傷性黄斑円孔(TMH)と特発性黄斑円孔(IMH)のOCT上の特徴を検討した。
・連続する73例のTMHと、片眼性のIMH 182例のうち、OCTを記録した60例について、OCT上で、先端径、底辺径、辺縁の網膜厚を測定した。
・IMHと比較すると、TMHでは、網膜厚は薄く(248.32±130.31 vs 408.76±64.40μm)、底辺径が大きく(1338.45±758.35 vs 958.57±290.57μm)、底辺面積が大きく(176.85±242.23 vs 77.92±44.07 x 10,000μm2)、円形みが少なく、視力が悪かった(logMAR 1.23±0.51(小数点0.059) vs 1.06±0.40(小数点0.087))。
・硝子体剥離はIMHでより多かった。
・IMHもTMHも縦径よりも横径が大きかった。
・IMHでは視力は円孔径と負の相関があったが、TMHでは何とも相関していなかった。
Early trabeculectomy bleb walls on anterior-segment optical coherence tomography.
Nakano N et al(京大)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 248(8): 1173-82, 2010
・48眼のMMCを使用した線維柱帯切除後2週間目の瀘過泡の前眼部OCT(AS-OCT)所見と、6か月後の瀘過泡機能について検討した。
・2週間目の瀘過泡は単純型(10/48 20.8%)と複雑型(38/48 79.2%)に分類できた。
・2週間目に単純な反射率をもったものは有意に6か月後の機能が悪かった(p<0.001)。
・複雑型の瀘過泡壁は低反射領域がみられた。これは、緩く配置された結合織、結膜下の分離や微小なチストであった。
・6ヶ月目の瀘過泡機能は、良(30眼):点眼なしで14mmHg以下、並(6眼):点眼薬なしで15-18mmHg、不良(12眼):点眼なしで19mmHg以上か点眼薬使用)とすると、良群と不良群では単純型は0/30例(0%)と8/12(66.7%)、複雑型は30/30(100%)と4/12(33.3%)で、複雑型の内、多層構造は23/30(76.7%)と1/12(8.3%)、結膜下分離は5/30(16.7%)と1/12(8.3%)、微小チストは12/30(40.0%)と3/12(25.0%)であった。
・2週間目に瀘過泡に多層構造がみられる場合には有意に6ヶ月目の瀘過泡機能は良好であった(p=0.025)。
・2週間目の眼圧は6ヶ月目の瀘過泡機能と相関がなかった(p=0.471)。
The effect of a preoperative subconjunctival injection of dexamethasone on blood-retinal barrier breakdown following scleral buckling retinal detachment surgery: a prospective randomized placebo-controlled double blind clinical trial.
Bali E et al(Netherlands)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 248(7): 957-62, 2010
・網膜剥離手術後の血液網膜柵の破綻は増殖性硝子体網膜症(PVR)発症の要因である。
・術前のデキサメタゾンの結膜下注射で術後の血液網膜柵の破綻を阻止できるか検討した。
・34例の経強膜内陥手術を行う網膜剥離患者を、術前5-6時間前に0.5mlデキサメタゾン(10mg)と0.5mlのplacebo注射群に二重盲検で振り分けて、1,3,6週後にKOWAのlaser flare photometryで炎症程度を測定した。
・6例がdropout。
・術後1週目では、デキサメタゾン群はプラセボ群に比して48.3%(95%CI=-72.1%~-4.4% p=0.017)のフレア値の低下があった。
・3週目、6週目では有意差はなかった。
・デキサメタゾン(0.5%液:3.8mg/ml)。
・文献的には2.5mgデキサメタゾンを3-6時間前に結膜下注射すると、硝子体内には72.5ng/ml、網膜下には367ng/mlの濃度となるので、今回の方法では手術時に網膜下に700-1000ng/ml濃度となっており、PVR発症リスクを減らせたのではないかと考える。
Intravitreal triamcinolone acetonide versus bevacizumab therapy for macular edema associated with branch retinal vein occlusion.
Byun YJ et al(Korea)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 248(7): 963-71, 2010
・BRVOに伴った黄斑浮腫に対し、硝子体内triamcinolone acetonide(IVTA)注射とbevacizumab(IVB)注射との優劣を連続する134例で比較した。
・視力、OCTを1,3,6,9,12か月後に測定し、治療後の黄斑浮腫再発時期について検討。
・12ヶ月後には視力logMARはITVAとIVB群で、0.87±0.14→0.49±0.33、0.91±0.13→0.45±0.36に上昇(p<0.001)。
・黄斑厚は491±135→242±75、477±213→245±103μmに改善(p<0.001)。
・両群間に視力、網膜厚変化には有意差はなかった。
・再発については、ITVA群では12.6ヶ月で7.6%が再発し、平均注射回数は1.08であったが、IVB群では5.3ヶ月で26.0%が再発し、平均注射回数は1.89であり、有意にIVB群で多かった(p<0.0001)。
・両者は効果では優劣はないが、IVTA群では治療効果が長く続き再発は少なかった。
Foveal cone phtorecetor involvement in primary open-angle glaucoma.
Kanis MJ et al(Netherlands)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 248(7): 999-1006, 2010
・中心視野欠損のある緑内障患者19名(中間値:60.1歳)と年齢を合わせたコントロール群34眼(中間値:55.1歳)で眼底反射率測定を行い、水晶体濃度、黄斑色素濃度、錐体の指方向性、内境界膜の反射率などを測定した。
・緑内障患者では、Rd(指方向性錐体反射率 p=0.003))とRILM(内境界膜の反射率 p<0.001)のみが有意に低かった。
・進行した中心視野欠損のある緑内障患者では、錐体の指方向性(Stiles-Crawford effect)が障害されていることが分かった
Bilateral central serous chorioretinopathy resolving rapidly with treatment for obstructive sleep apnea.
Jain AK et al(CA USA)
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 248(7): 1037-9, 2010
・45歳男性で、両眼性の中心性網脈絡膜症で、視力は右20/30、左20/40。
・CPAP(continuous positive airway pressure)治療を開始直後から視力改善を自覚し、治療1週間後には視力も右20/20、左20/25に戻り、OCT上、網膜剥離は消失し、2週間後には両眼とも視力は20/20、変視症もなくなった