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JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology)

2012
130巻

糖尿病網膜症の進展と網膜静脈径との関連について

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 130巻(6号)2012

Changes in retinal vessel diameter and incidence and progression of diabetic retinopathy.
Klein R et al(WI USA)
Arch Ophthalmol 130(6): 749-55, 2012
・6年間の経過観察で、糖尿病網膜症(DR)の発症や進行、増殖性DR(PDR)の発生、黄斑浮腫(ME)の発生と網膜血管径の変化とを1098名の糖尿病者で比較検討した。
・眼底写真でDRの程度を判定し、網膜動脈と静脈径は、視神経乳頭縁から半乳頭~1乳頭内の血管をコンピュータで検出し、太い方から6本までの血管径を平均したものを、網膜動脈径(CRAE)、網膜静脈径(CRVE)とした。
・4年間でのCRAEとCRVEの変化は-0.37と+2.54μmであった。
・6年間でのDR発症は56%、DR進行は39%、PDR発症は15%、ME発症は11%であった。
・4年間でのCRVEの10μmの増加毎に、6年間での網膜症の変化をORでみると、DR発症は1.26(1.10-1.43 p<0.001)、DR進展は1.21(1.12-1.30 p<0.001)、PDR発症は1.19(1.07-1.32 p<0.001)、ME発症は1.16(1.03-1.31 p=0.004)であった。
・CRAEの変化は網膜症の変化と関連がなかった。
・このことから、CRVEはDRの進展についての情報の一つになりうると考えた。

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