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JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology)

2012
130巻

線維柱帯切除術の成功率とテノン嚢内VEGF濃度

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 130巻(6号)2012

Level of vascular endotehlial growth factor in tenon tissue and results of glaucoma surgery.
Park HYL et al(Korea)
Arch Ophthalmol 130(6): 685-9, 2012
・POAG患者の前房水とテノン嚢組織内の血管内皮増殖因子(VEGF)のレベルを調べ、VEGFと緑内障手術の成績を比較検討した。
・眼圧のコントロールが不良で緑内障手術を予定している19名のPOAGと、白内障手術を予定している17名のコントロール群とで検討した。
・手術時に前房水0.1mlと、テノン組織4x4mmを採取し、VEGF濃度を測定した。
・POAG群ではCTRL群より、前房内、テノン組織内のVEGFレベルは高く、テノン組織内では有意差がみられた(p=0.001)。
・POAG手術1年後の成功例、不成功例で検討すると、テノン組織では、CTRLでは95.62±15.54pg/mlで、不成功例は146.82±24.66pg/ml(p<0.001)、成功例では107.11±19.65pg/ml(p=0.014)で有意差があった。
・前房水では、CTRLは33.26±11.54で、不成功例63.99±25.02、成功例56.96±31.22であったが、有意差は出なかった。
・テノン組織内のVEGFレベルと手術後の最終眼圧との間には有意な相関がみられた(r=0.677 p=0.003)。
・前房水内のVEGFレベルでは有意差はなく、創の治癒機転にはテノン内のVEGFに依存する機序が大きく働いていることを示唆する。

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