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JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology)

2013
131巻

硝子体内注射後の抗生剤点眼薬使用の功罪

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 131巻(4号)2013

Antibiotic resistance fo ocular surface flora with repeated use of a topical antibiotic after intravitreal injection.
Yin VT et al(Canada)
JAMA Ophthalmol 131(4): 456-461, 2013
・硝子体内IVT注射後の眼内炎は稀であるが、失明の危険性がある。
・2病院で、65歳以上で新規にAMDと診断された178名を、毎月、合計3回の抗VEGFのIVT注射を行った後、3日間モキシフロキサシン点眼をした84例と、点眼をしなかった94例に分け、施行前、施行後3カ月まで毎月培養をとり、モキシフロキサシン(全グラム陽性菌)とセフタジジム(モダシン:腸球菌と緑膿菌)に対する感受性、MICを検査した。
・点眼群、非点眼群とも施行前後の培養陽性率には有意差はなかったが、点眼群では施行前後で、MIC50%は 0.64→1.00に、MIC90%は 0.94→4.00に、MICは1.04→1.25μg/ml(p=0.01)に上昇していた。
・非点眼群ではMIC、MIC50%、MIC90%ともに施行前後で有意差はなかった。
・IVT注射後のモキシフロキサシン点眼の繰り返し使用は有意に眼表面の抗生剤に対する耐性を上昇させるので、IVT注射後の予防的抗生剤使用は中止すべきと考える

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