Prospective study of inflammatory biomarkers and risk of diabetic retinopathy in the diabetes control and complications trial
Rajeev H. Muni (University of Toronto, Ontario, Canada)
JAMA Ophthalmol 131(4): 514-521, 2013
・これまでにDM網膜症は病理的に慢性な低グレードの炎症が存在しているという報告がいくつかある。DM黄斑浮腫に硝子体内へのステロイドや抗VEGF治療が有効である事もこれを支持する。DM黄斑浮腫は血液網膜関門の破壊に由来すると考えられており、そのため網膜内に液体が貯留する。ここに炎症の過程が存在する。炎症性生体マーカーとDMRの関連の報告では、hsCRP(high-sensitivity CRP)、ICAM-1(intracellular adhesion molecule-1)、VCAM-1(vascular cell adhesion molecule-1)、TNF-α(Tumor necrosis factor-α)が関連する可能性がある。
・USAとカナダの29病院での調査。13才から39才の1型糖尿病の1441名。hsCRPとICAM-1がDMRの進行、臨床上明瞭な黄斑浮腫(CSME)、硬性白斑、PDRと関連するかを調べる。
・結果として関連が認められたのは、 hsCRPとCSMEの相対危険度1.83(P=0.01)
hsCRPと硬性白斑の 〃 1.78(P=0.004)
ICAM-1と 〃 〃 1.50(P=0.05)
・hsCRPが高値であればCSMEと黄斑部硬性白斑の危険度は高くなる。ICAM-1の値もまた、硬性白斑の進行と関連する。(YM)