Differences in Vision Between Clinic and Home and the Effect of Lighting in Older Adults With and Without Glaucoma
Bhorade AM,et al.(US-CA)
JAMA Ophthalmol. 131(12):1554-1562 , 2013
【目的】クリニックと家庭とで測定した視力を比較、照明を含む環境の違いを評価
【対象と方法】55-90歳、126名の緑内障患者および49名の緑内障なしの患者、うち166名が導入基準に合致。クリニックおよび患者の家庭(測定順はランダムに割付け)で、両眼遠方視力(DVA)・近見視力(NVA)、コントラスト感度(CS)、グレア下CSを測定。測定場所の照度を計測。
【結果】緑内障のあるなしに関わらず、全ての視覚テストがクリニックでの測定値の方が有意に良好【Tab.2】。
DVAでは緑内障患者の29%でクリニックの測定値の方が2段階以上良好【Fig.1】、更に進行した緑内障患者の39%もが3段階以上良好であった。
全体の21%もの患者でNVAがクリニック測定値で二段階以上良好、49%もの患者でグレア下CSがクリニック測定値で三段階以上良好であった【Fig.2】。
多変量解析にて、DVA・NVA・CSのクリニック・家庭の視力差に対するもっとも有意な関連因子は照度であった(P<0.05)
家庭での照度は、クリニックのそれと比較してDVAの条件下では4.3倍、NVAの条件下では2.8倍暗かった。【Tab.3】
85%以上の患者で家庭での照度が推奨値以下であった【Fig.4】。
【結論】クリニックで測定した視機能は家庭で測定した結果よりも概して良好であり、主に家庭での照度が暗いことに由来する。この知見は高齢者の家庭での視機能を改善させるために家庭の照度を調節するといった患者-医師間の議論のきっかけとなるかもしれない。(MK)