Acute Panretinal Structural and Functional Abnormalities After Intravitreous Ocriplasmin Injection
Abigail T. Fahim, Naheed W. Khan, Mark W. Johnson. (US-MI)
JAMA Ophthalmol 132(4): 484-486, 2014
63歳女性、右眼の硝子体-黄斑癒着と小さな黄斑円孔に対しOcriplasmin(0.125mg/0.1mL)を硝子体に注入
注入数時間後に光視症を自覚。4日目にはいくぶん回復していたが夜盲症と視界に黄色いものが見える症状を自覚。9日目に注射眼の視力低下を訴う
視力:20/50→20/125に低下。瞳孔不同(注射眼が1mm縮瞳)あり。ゴールドマン視野は患眼がすべてのイソプターで狭窄
眼底はWeiss ring出現、黄斑部はfluid cuffを伴った全層円孔になっていた。右眼の網膜動脈はびまん性に狭細化していた。OCT所見では円孔周囲のELM・ellipsoid layer・COSTラインが減弱していた【Fig.2】
Full-field ERGでは桿体B波が正常の10%以下に減弱、暗順応下の桿体―錐体反応も僚眼の約半分に減弱、殊にB波が減弱していた。Photopic ERGとフリッカーERGより、錐体機能は正常の40-50%に減弱していることが判明。OP波も患眼で著しく減弱していた。僚眼のERGは桿体反応の中等度減弱以外はすべて正常範囲だった【Fig.3】
ERG所見(B波がA波より減弱している)より視細胞より中枢側の機能異常および視細胞の活性の低下が疑われた
【結論】Ocriplasmin硝子体注入に関連する網膜機能異常は黄斑部に限らず網膜全体に及ぶ。酵素によって網膜内のlamininが離開されることがこの毒性のメカニズムとして生物学的に疑わしい(MK)