眼科JOURNALトップ > JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) > 緑内障患者における、認知機能の低下と視野の変動の関係

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology)

2017
135巻

緑内障患者における、認知機能の低下と視野の変動の関係

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 135巻(7号)2017

 Association Between Neurocognitive Decline and Visual Field Variability in Glaucoma
Alberto DF. et al (UCSD,CA, USA)
JAMA Ophthalmol 135(7):734-739, 2017
認知機能の低下によって視野検査の結果が変動すると、緑内障の経過観察の判断が遅れる恐れがある
Mild cognitive impairment(MCI):日常生活には影響の出ない程度の認知機能の低下であり、痴呆とは分類されず、正常の加齢変化から初期の痴呆への認知機能の移行とされ、近年ではアルツハイマー型認知症のリスクファクターと考えられている。
MCI検出のため、Montreal Cognitive Assessment Test(MoCA)を用いて、SITA standard 24-2のMDの変動との関係を調査 30点満点 26点未満で認知機能低下と判断
115例211眼を平均2.5年観察(87例は緑内障、28例は緑内障疑い) 86例が白人、29例が黒人
MD
血は-28.8〜2.6dBと広い範囲にわたる
アーチファクトと考えられるもの、固視不良>33%、FP<15%は除外し1458回の視野(1眼あたり6回)
MoCA score, mean SAP MD, age, sex, race/ethnicity, educational level, incomeを調査
結果
Univariable Model, Multivariable モデルともに、5ポイントのMoCAスコアの低下で0.18dB、0.23dBの変動があった
視野の障害度が強くなるとSDは増加し、その後ピークを迎え、減少した
単変量解析で性別と人種でSDとの相関が見られた(多変量解析では相関なし)
0.23dBはSDの約30%に相当した 信頼のおける視野についてはMDのSDは20%以内が良いとされており、認識能の低下により変動が大きくなるということはそれだけ進行の判断が遅れることや、進行していないのに進行したと判断され、過剰治療につながる可能性がある(MM)

過去のアーカイブ