眼科JOURNALトップ > JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) > IOLとメラトニン分泌との関連について

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology)

2020
138巻

IOLとメラトニン分泌との関連について

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 138巻(4号)2020

Effects of cataract surgery on melatonin secretion in adults 60 years and older. A randomized clinical trial.
Nishi T et al(奈良医大)
JAMA Ophthalmol 138(4): 405-411, 2020
・白内障手術により光が多く網膜に吸収され、メラトニン分泌が増加すると考えられている。
・メラトニン分泌は抑鬱、糖尿病、認知障害、乳癌などと関連することが分かっており、今回、白内障手術との関連について検討した。
・2014年から2017年にかけて169例(75.7±6.7歳)で臨床研究を行い、2018年から2019年にかけて結果を解析した。
・60歳以上でGrade2以上の核白内障のある患者を対象とした。
・G1は透明IOL移植、G2は黄色IOL移植、G3はメラトニン検査後に透明IOL移植、G4はメラトニン検査後に黄色IOL移植群とし、G3とG4をCtrl群とした。
・尿中のメラトニン分泌をG1とG2では術後3か月後に、Ctrl群であるG3とG4では術前に測定した。
・尿中メラトニン分泌はG1,G2ではCtrl群よりも有意に高かった(p=0.007)。
・透明IOL移植群での尿中メラトニン分泌量はG1ではG3よりも有意に高かった(p=0.008)が、黄色IOL移植群ではG2はG4と比較して高かったが有意差はなかった(p=0.33)。
・透明IOLのG1と黄色IOLのG2との間には有意差はなかった(p=0.48)。
・白内障手術はメラトニン分泌を増加させるが、透明IOLと黄色IOLとの間の関連は不明確であった。
・参照:Chellappa SL et al.: Association of intraocular cataract lens replacement with circadian rhythms, congnitive function, and sleep in older adults. JAMA 137: 878, 2019(TY)

過去のアーカイブ