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JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology)

2012
130巻

難治性糸状角膜症にたいするボツリヌス治療

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 130巻(4号)2012

Botulinum toxin injection for the management of refractory filamentary keratitis.
Gumus K et al(TX USA)
Arch Ophthalmol 130(4): 446-50, 2012
・難治性の糸状角膜症治療に対するボツリヌス毒注射の効果を検討した。
・17例33眼の通常の治療には抵抗性の糸状角膜症患者に対し眼瞼皮下にボツリヌス毒注射(10U/0.1ml)を行った。
・最初の注射で29/33(88%)で緩解:20/29眼で完全緩解、9/29眼で角膜糜爛が残存。
・残りの3/33眼で部分寛解。
・残りの1/33眼では初回、2回目治療で寛解したが、8週間後に再発した。
・初回治療で14/33(42%)が寛解したが、19/33(58%)で複数回治療が必要であった。
・糸状角膜症の原因は不明だが、何らかの原因で基底膜の剥離が部分的に発生し、眼瞼の動きによりここの上皮が持ち上げられ、これがムチン糸や変性した上皮細胞に絡み、長いフィラメントができると考えられる。
・このフィラメントは下の上皮に強く接着しているため、瞬きが上皮の亀裂を作り、痛みや慢性炎症を起こす。
・この刺激がまた瞬きを引き起こすという悪循環になるので、この悪循環を断つのが良いだろう

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