Incidence and progression of chorioretinal folds during long-duration spaceflight.
Ferguson CR et al(TX USA)
JAMA Ophthalmol 141(2): 168-175, 2023
・6か月から12ヶ月の間、国際宇宙ステーションに滞在した乗組員について、神経眼症候群のひとつとしての脈絡膜網膜趨壁について検討した。
・視神経乳頭浮腫の指標としての視神経乳頭周囲の網膜厚も同時に検討した。
・36名の乗組員の年齢は46±6才で、女性が7名(19%)。
・脈絡膜網膜趨壁は12/72眼(17%、6名の乗組員)にみられた。
・視神経乳頭浮腫の所見のあった症例では、10/42眼(24%)に脈絡膜雛壁があり、4/42眼(10%)に網膜内層の趨壁、2/42眼(5%)に傍乳頭の趨壁がみられた。
・網膜趨壁のみられた眼や傍乳頭趨壁がみられた眼は全眼、脈絡膜趨壁が見られた。
・脈絡膜雛壁症例の内、黄斑部の脈絡膜雛壁は7/12眼(4/6名の乗組員)でみられ、宇宙滞在中に進行し、6眼では中心窩に掛かっていた。
・傍乳頭脈絡膜雛壁は視神経乳頭の主に上方、鼻側、下方にみられ、宇宙滞在中に広がり、重症化した。
・脈絡膜雛壁は特発性頭蓋内高血圧によるものとは異なっている。
・体重減少中に進展していることなども考慮し、宇宙滞在中の神経眼症候群の防衛策が立てられる可能性もある(TY)