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JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology)

2023
141巻

緑内障患者の黄斑部GCCの菲薄化率と血圧の関係

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 141巻(3号)2023

Association of Blood Pressure With Rates of Macular Ganglion Cell Complex Thinning in Patients With Glaucoma
Vahid Mohammadzadeh et al. JAMA Ophthalmol 141(3):251-257, 2023
・緑内障の進行と血流低下についての報告は少ないが、眼灌流圧(OPP)は緑内障のリスク因子である。しかし、ベースライン血圧とその後の機能と構造の変化についての報告は少ない。
・この報告では眼圧を含む臨床的な因子を調整した上で血圧と黄斑部の変化の関連性を調査した。
・*OPP=2/3[DBP+1/3(SBP-DBP)]-IOP
・UCLAで実施されているAdvanced Glaucoma Progression Study(AGPS)で2012年6月から2018年6月までのデータを対象
・Inclusion Criteria: 1)OAG or ACG, 2)中心24-2の視野で10°以内に2点以上pattern deviation plotでP<0.05 もしくはMD<-6dB
・Exclusion Criteria: ベースラインの年齢が39歳未満、80歳より上、BCVA<20/50, 屈折S:8D C3Dを超えるもの、OCTに影響するような網膜・神経疾患、白内障を除く他の疾患
6ヶ月ごとにOCTを含む検査
・片眼のみ採用し両眼が基準を満たすときはMDが悪い方を採用した
・Bayesian hierarchical modelを用いて解析を行った
・111眼中105眼で解析を実施、demographic and clinical Characteristic of baseline(Table1)
・経過観察中: Trabeculectomy(TLE) 12眼(11.4%), Cat+TLE 2(1.9%), TLE revision 6(5.7%), AGV 1(1.0%), iStent 1(1.0%)を行なった。
・拡張期血圧(DBP)とIOPの関係がGCCの菲薄化に有意な関連性があった。
・GCCの菲薄化は、DBPが高い場合、IOPが低い場合、あるいはその両方の場合は、DBPが低くIOPが高い場合と比べてゆっくりであった。
・DBP>80mmHg or IOP <10mmHg:GCCは -0.4μm/y よりよかった
・DBP 60mmHg, IOP 20mmHg: -0.8μm/y, DBP 80mmHg, IOP 15mmHg: -0.4μm/y
・女性、降圧剤の使用歴、高眼圧、CCTが厚い、眼軸が短い、12cycles/degreeのCSが高い、10-2のMDが高い(良い)ことがGCCの菲薄化に関連
・拡張期血圧が下がりすぎないようにすることは緑内障進行においては重要なことと考えられる。(MM)

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