眼科JOURNALトップ > JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) > 円錐角膜発症の背景要因のひとつにADHD(注意欠陥多動性障害)もありえる

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology)

2023
141巻

円錐角膜発症の背景要因のひとつにADHD(注意欠陥多動性障害)もありえる

JAMA Ophthalmology (旧Archives of Ophthalmology) 141巻(12号)2023

Safir M, Hecht I, Heller D, et al. Psychiatric comorbidities associated with keratoconus. JAMA Ophthalmol 2023; 141: 1145-1150.
・円錐角膜発症の要因として、眼をこすることによる角膜表面への機械的刺激があり、そのために角膜が変形してしまうという説がある。その背景としてアトピー性皮膚炎の他にも精神疾患の可能性があるのではないかと仮説を立てて、調査を行った。
・横断的研究で、対象は2011年1月から2021年12月までイスラエルで軍隊に所属した思春期ないし若年成人(16~18歳)の者940,763名。患者背景と通常の健康チェック、fitness-for-service (FFS)分類での評価のデータと円錐角膜の有無および重症度との関連を検討した。(FFS: 「品質管理適正評価」という日本語訳が出ていた!)
・円錐角膜発症者は1553名、人口10万人対では165.1人/10万人で、既報の50~230とほぼ一致。
・調査では、男性、ADHDが円錐角膜の発症と有意に関連していた。
・ADHDの重症度と円錐角膜の重症度との関連は見られなかった。したがって、ADHD特有の行動が円錐角膜の原因となるのか、円錐角膜による視力低下がADHDの発症要因となるのかという疑問については、おそらくADHDは円錐角膜発症の要因ではあっても、重症化の原因にはならず、円錐角膜が原因でADHD特有の行動を引き起こすわけではない。(KH)

過去のアーカイブ