Topical bevacizumab in the treatment of corneal neovascularization. Results of a prospective, open-label, noncomparative study.
Dastjerdi MH et al(MA USA)
Arch Ophthalmol 127(4): 381-9, 2009
・10例10眼の安定した角膜新生血管に1%bevacizumab点眼を3週間使用し、24週間経過観察した。
・最終確認時に新生血管面積は47.1±36.7%減少(p=0.001)、血管径は54.1±28.1%減少(p<0.001)、新生血管の浸潤領域は12.2±42.0%減少(p=0.19)。
・視力、中心角膜厚は不変で、副作用はなかった
Three-year follow-up of a randomized trial comparing focal/grid photocoagulation and intravitreal triamcinolone for diabetic macular edema.
Diabetic Retinopathy Clinical Research Network (DRCR net)
Arch Ophthalmol 127(3): 245-51, 2009
・糖尿病黄斑浮腫に対し防腐剤なしのトリアムシノロン 1mg, 4mg硝子体内注入と局所/グリッド光凝固治療の効果を3年間経過観察した。
・対象はETDRSチャート視力が73(20/40)~24(20/320)の306眼をランダムに配置
・2年目から3年目にかけて多くの眼は3群とも視力改善傾向があった。
・最初と3年後の視力変化はレーザー群ではETDRS letter scoreで+5、トリアムシノロン群では0であった。
・3年間での白内障手術例はレーザー群、1mg、4mgトリアムシノロン群で、31%、46%、83%であった。
・一度でも眼圧が10mg以上になったものは、4%、18%、33%であった。
・2年目の経過と同様、3年目でもトリアムシノロンの優位性は見いだせなかった
Idiopathic chiasmal neuritis. Clinical features and prognosis.
Kawasaki A et al(Switzerland)
Arch Ophthalmol 127(1): 76-81, 2009
・1983-2001年のChiasmal neuritisの患者のレコードを調べ20名の患者の特徴を調査した。
・眼窩内の視神経炎、全身的な炎症所見のある人、腫瘍性疾患は除外した。
・女性14名、男性6名で平均年齢は37歳であった。
・初診時視力は20/15から光覚弁、1か月を超える進行性の視力低下があったものは1名。
・MRIを施行した12/15名で視交叉部の拡大 and/or 画像強調があり、6名では1個以上の白斑があった。
・経過観察は2週間から22年で、平均5.7年。
・最終中間視力は 20/20(20/15-20/50)であり、視野は正常あるいは改善。1年以上経過観察できた15名のうち、6名は多発硬化症を発症した
Association of age, stature, and education with ocular dimensions in an older white population.
Lee KE et al(CA USA)
Arch Ophthalmol 127(1): 88-93, 2009
・58-100歳の1968名(女性59%)の眼球計測結果(4th Beaver Dam Eye Study)。
・平均眼軸長 23.69mm、角膜曲率半径 7.70mm、前房深度 3.11mm。
・65歳以下は75歳以上より、眼球が大きかった(眼軸長、前房深度、曲率半径大きい)。
・眼軸長 23.86(歳<=64)、23.66(歳65-74)、23.55(歳>=75)。大きな眼は男性>女性、身長が高い(>178 vs <=158cm)、教育歴が長い(>16 vs <12年)
A benign syndrome of transient loss of accomodation in young patients.
Almog Y(Israel)
Arch Ophthalmol 126(12): 1643-6, 2008
・若年者にみられた一過性の調節麻痺例の5例について報告した。
・神経眼科的な所見はなく、調節麻痺だけであった。
・症例は10歳男、11歳女、8歳女、21歳女、18歳女で、いずれも、3か月から14ヶ月で回復した
Toxic anterior segment syndrome following penetrating keratoplasty.
Maier P et al(Germany)
Arch Ophthalmol 126(12): 1677-81, 2008
・2007/6/6から2007/10/2に行った角膜移植94眼の内、24眼に術後無菌性角膜炎を発症した。
・その原因はトレパンシステムの表面に付着した洗浄剤あるいは熱に耐性のある内毒素である可能性が高かった。
・トレパンの洗浄方法を変更して発症が収まった
Should ophthalmologists teach surgery to optometrists? (Editorial)
Packer S et al(NY USA)
Arch Ophthalmol 126(10): 1458-9, 2008
・大学の眼科で眼瞼処置のコースを眼科医とオプトメトリストに解放するのは倫理にかなっているか?
・内科医がレーザー凝固装置の使い方を教えてくれと言ったらどうするか?
・倫理的な問題では全くなく、市場の問題だとの意見もある。
・医者以外の者に対しては、法的に記載された範囲内での教育に絞るべきだとAMAは考えている。
・教師は生徒の行動に責任を持てるか? 意図しなかった結果を予測できるか? 教師に責任を問う権利があるか?
・ただ、教師はモラルの見物人ではありえない。非医師への眼科手術教育は注意深い評価が必要だ
Predicting response to glaucoma therapy in one eye based on response in the fellow eye. The monocular trial.
Chaudhary O et al(CO USA)
Arch Ophthalmol 126(9): 1216-20, 2008
・22名のPOAGと、27名の高眼圧症のretrospective調査である。
・遼眼の点眼治療を開始する前に、1眼の点眼治療を行った。
・1眼点眼治療による眼圧の変化値と、他眼との眼圧差を、両眼治療時の値と比較した。
・POAGでは、1眼目の眼圧変化値(-6.5±7.7)や他眼との眼圧差(-5.8±6.5)と、2眼目の治療時のこれらの値(-1.5±4.7、-3.4±4.7)との間には相関はなかった(p=0.97、p=0.38)。
・しかし、高眼圧症患者では、1眼目 -5.4±4.4と -6.6±4.7、2眼目 -4.2±5.2と -4.6±4.0であり、相関があった(p=0.001、p<0.001)。
・使用した薬剤は、プロスタグランディン 59%、β遮断剤 22%など。
Evaluation of topical cyclosporine for the treatment of dry eye disease.
Perry HD et al(NY USA)
Arch Ophthalmol 126(8): 1046-50, 2008
・0.05%シクロスポリン点眼を人工涙液治療に抵抗するドライアイ患者に使用した。
・軽症ドライアイの46/62眼(74.1%)、中等症の50/69眼(74.1%)、重症の18/27眼(66.7%)で改善した
Aqueous humor dynamics in exfoliation syndrome.
Johnson TV et al(OM USA)
Arch Ophthalmol 126(7): 914-20, 2008
・落屑症候群(XFS)の房水動態を80例で検討した。
・1群(25例):正常眼圧のXFS、2群(25例):正常眼圧のコントロール、3群(15例):眼圧上昇のあるXFS、4群(15例):XFSのない高眼圧症。
・緑内障薬をwash outした後、眼圧、上強膜静脈圧、房水動態、房水流出の程度、脈絡強膜路について検討した。
・脈絡強膜流出路はXFSでは眼圧に無関係に有意に減少していた。
・XFSの有無にかかわらず、高眼圧症では流出路障害があった。
Early predictors of traumatic glaucoma after closed globe injury.
Sihota R et al(India)
Arch Ophthalmol 126(7): 921-6, 2008
・閉鎖眼球外傷を受けた眼で6か月の経過観察中に外傷性緑内障を起こすことが予想できるかどうかを検討。
・3か月後以降に21mmHg以上の眼圧上昇をきたした40眼と、眼圧上昇をきたさなかった52眼とで比較。
・外傷性緑内障では隅角色素沈着の中間値は3であったが、非緑内障眼では2であった(p=0.001)。
・UBMでは非緑内障の18眼で毛様体解離があったのに対し、緑内障眼は7眼だけであった(p=0.001)。
・緑内障発症眼は有意に前房出血の頻度が高く、基礎眼圧が高く、180度以上の隅角解離があり、水晶体偏位があり、UBMで隅角が広かった。
Visual insignificance of the foveal pit.
Marmor MF et al(CA USA)
Arch Ophthalmol 126(7): 907-13, 2008
・中心窩の構造、機能を検討し、foveal hypoplasiaという言葉を再検討した
・視力20/20から20/50の中心窩のない4症例で検討した。
・OCT、multifocal ERGを4例で行い、2例ではadaptive optics flood-illuminated fundus cameraを撮影した。
・OCTでは全例で中心窩は検出されず、外顆粒層が広がり、錐体外節が延長していた。
・Adaptive opticsイメージでは中心1-2度の錐体直径は正常。中心のmultifocal ERGは正常であった。
・中心部の窩は解剖学的も機能的にも中心窩錐体の特殊化に必要ないと考えた。
・したがって、窩がなくても視力が良好でありうる。
・foveal hypoplasiaという言葉は機能的な意味合いでは否定的で、「foveal plana」と言った方が良い。
・Adaptive opticsイメージは中心部1度で光受容体のモザイクを2.5μmの水平解像度で撮影した
Subretinal fluid from anterior ischemic optic neuropathy demonstrated by optical coherence tomography.
Hedge TR et al(MA USA)
Arch Ophthalmol 126(6): 812-5, 2008
・AIONを発症した76例で、急激な視力低下の発症4週間以内に黄斑部OCTを行い、8例で網膜下液を検出した。
・8例はNonarteritic AIONで、視力低下の原因の一部はこの下液であると考えられ、下液吸収に伴って視力も改善した。
Infliximab theraphy for aggressive Mooren Ulceration.
Saw VPJ et al(England)
Arch Ophthalmol 126(5): 734-5, 2008
・重篤なMooren角膜潰瘍を腫瘍壊死因子α(tumor necrosis factorα:TNFα)拮抗薬の infliximab投与で治癒した報告。
・Infliximab:商品名 Remicade J&J発売。クローン病、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、ベーチェット病に有効とされている
・14年前からのMooren潰瘍で右眼は角膜穿孔、左眼はdesmetoceleになっている37歳男性。
・矯正視力は右6/36、左手動弁。
・全身的なシクロスポリン 5mg/kg/d、プレドニゾロン 1mg/kg/d、2%シクロスポリン点眼、cyclophosphamide 100mg/dを使用していた。
・シクロスポリン内服に、infliximab 5mg/kgを追加して改善した症例報告
Open-angle glaucoma and mortality. The Barbados Eye Studies.
Wu SY et al(NY USA)
Arch Ophthalmol 126(3): 365-70, 2008
・開放隅角緑内障と9年間の経過観察中の死亡率を4092例の40-84歳の黒人で検討した。
・緑内障の診断は視野と視神経障害で行い、高眼圧症は眼圧21以上で緑内障性障害のないものとした。
・9年後に764名が死亡。死亡率は全OAGとは関連がなかったが、心血管障害による死亡率は以前から治療されていたOAGで多い傾向があった(n=141, relative risk=1.38 95%CI=0.97-1.98 p=0.07)。
・殊にtimolol maleateで治療されている人で有意に多かった(RR=1.91 95%CI=1.04-3.50 p=0.04)。
・OHでも心血管障害による死亡率は高かった(n=498 RR=1.28 95%CI=0.99-1.65 p=0.06)
Keratometry in pediatric eyes with cataract.
Trivedi RH et al(SC USA)
Arch Ophthalmol 126(1): 38-42, 2008
・18歳未満で白内障手術を受けた小児の術前の角膜曲率半径を299人299眼で調査。
・外傷、水晶体脱臼は除外した。
・平均値は 45.39±3.08D(39.25-63.5D)であった。
・女子は男子よりもsteep(p=0.03)で、片眼白内障では両眼白内障の例よりもsteep(p=0.07)であった。
・片眼白内障では、白内障眼は健眼よりも優位にsteep(0.02)であった
Displacement of retained subfoveal perfluorocarbon liquid after vitreoretinal surgery.
Tien VL et al(France)
Arch Ophthalmol 126(1): 98-101, 2008
・網膜剥離手術の硝子体手術後に、黄斑下にパーフルオロカーボン液(PFCL)が残存した3例で、その移動を試みた。
・下耳側血管近くで網膜下にBSSを注入し、黄斑部と下方網膜に網膜剥離を発生させ、空気置換とその後の短時間の立位で、全例 PFCL玉は下方周辺網膜下に移動し、視力も改善した。
・黄斑部から除去するよりも安全な方法である。
・例1:視力20/800、術後6週目に0.8mlBSSを網膜下に注入、1mlの空気注入、6ヶ月後視力20/32。
・例2:視力20/200、術後1ヶ月目に再手術、6ヶ月後の視力20/63。
・例3:視力20/400、3週間後再手術、5ヶ月後視力20/32。
Dietary carotenoids, vitamins C and E, and risk of cataract in women.
Christen WG et al(MA USA)
Arch Ophthalmol 126(1): 102-9, 2008
・39,876名の白内障のない女性医療従事者のうち、35,551名から、食事あるいはサプリメントからの抗酸化栄養素の摂取量を調査。
・10年の経過観察で 2,031例で視力20/30以下の白内障が発症。
・摂取量が最少の1/5群に入る女性を基準として最大の1/5群を比較すると、lutein/Zeaxantinでは白内障発症リスクは 0.82(95%CI=0.71-0.95, p=0.04)、ビタミンEでは 0.86(95%CI=0.74-1.00, p=0.03)となった。
Sterile endophthalmitis after benzyl alcoho-filterd triamcinolone acetonide injection.
Carrero JL el al(Spain)
Arch Ophthalmol 126(1): 142-3, 2008
・硝子体内TA注入後の無菌性眼内炎の発症率は 0.1-7%と報告されている。
・含有されているベンジルアルコールが通常の商品に含まれている0.1mlよりも多い時にrabbit眼で障害が発生することが知られ、これがBAが無菌性眼内炎の原因であろうと推測される根拠になっている。
・BAをフィルターで除去し約1/10量にして、0.1mlのTA(2.52±0.63mg)を57例に使用したが、このうち2例(3.5%)で無菌性眼内炎を発症した。
・このうち、1例は2週間後に裂孔原性網膜剥離を発症した。
・バイアルに付着していたエンドトキシンが原因である可能性がある。
・フィルターでバックフラッシュさせると、菌のpyrogensなどを増やす可能性があり、フィルター法以外の方法が良いと考えられる
Progression to severe retinopathy predicted by retinal vessel diameter between 31 and 34 weeks of postconception age.
Rabinowitz MP et al(USA)
Arch Ophthalmol 125(11): 1495-500, 2007
・重篤な未熟児網膜症(RP)の進展に対して、網膜血管径測定が予想因子になるかどうかを検討。
・ROPの危険性のある31から34週の幼児78眼の眼底写真を撮影し、4本の主要な上下耳側の網膜動脈、静脈の血管径を測定した。
・重篤なROPを発生したものと、治療が不要な軽症なROPあるいはROPを発生しなかったものとを比較した。
・重篤なROPを発生した群では、主要な耳側血管は4本とも有意に血管径が太く、治療を必要とするROPの発生の予想因子になることが分かった