Agreement between gonioscopy and ultrasound biomicroscopy in ditecting iridotrabecular apposition.
Barkana Y et al(Israel)
Arch Ophthalmol 125(10): 1331-5, 2007
・暗室での隅角検査と明所、暗所でのUBM検査との一致率を検討した。
・暗室で、1mmのスリット光を瞳孔に光をあてずに検査した隅角検査で、少なくとも1/4周の隅角は閉塞していた人18眼を選択した。
・隅角鏡での閉塞は上方18眼、下方11眼、耳側6眼、鼻側7眼。
・UBM検査は明室で行い、次に部屋の電気を消した状態で行った。
・隅角から500μの所での前房の深度を測定。
・暗所UBMでは18眼中17眼(94%)、明所UBMでは10眼(56%)で1/4周が閉塞。
・上方隅角では、暗所隅角検査では18眼が閉塞、暗所UBMでは16眼(89%)、明所UBMでは6眼(33%)が閉塞していた。
・暗所で行えば、隅角鏡とUBMの結果はほぼ一致する。通常の隅角鏡検査も暗所で行うほうが正確である
Loss of photoreceptor outer segment in acute zonal occult outer retinopathy.
Li D et al(群馬大)
Arch Ophthalmol 125(9): 1194-200, 2007
・AZOOR(平均年齢33.6歳)の5例の網膜機能と形態変化について、OCT、多局所ERG、全視野ERG、ゴールドマン視野を用いて検索した。
・GPでは両眼のマ暗点拡大が2例、片眼の拡大が3例、4例で片眼あるいは両眼の傍中心暗点、下方周辺部あるいは中心暗点が見られた。
・下方の周辺部のRPE萎縮、乳頭周囲の脱色素以外には網膜病変はなかった。
・mf-ERGでは暗点に一致した反応低下があった。
・OCTではmf-ERGの反応低下あるいは視野欠損のあった部位の内節、外節間の境界線の消失あるいは不整がみられた。外顆粒層の消失が2例で見られた。
・このことから、AZOORの原発病変は視細胞外節の機能不全あるいは変性と思われた。
Severe loss of central vision in patients with advanced glaucoma undergoing trabeculectomy.
Law SK(CA USA)
Arch Ophthalmol 125(8): 1044-50, 2007
・進行した視野欠損のある緑内障患者に対して、繊維柱帯切除術+MMCの術後視力について検討。
・重篤な視力低下とは、術後視力が0.1以下、or、術前視力が0.1以下の場合は術後視力が指数弁以下、or、4line以上の視力低下のあったものと定義。
・重篤な視力低下は7/117(6%)に発生。
・3例は低眼圧黄斑症、2例はコントロールできない眼圧上昇、1例は白内障の進行、1例は炎症反応によるものであった。
・重篤な視力低下者は、術前の眼圧がそうでないものに比較して有意に高かった(27.1±8.8 vs 19.7±8.1, p=0.04)。
・また手術合併症も優位に多かった(43% vs 4%, p=0.001)
Efffect of Ruboxistaurin in patients with diabetic macular edema. Thirty-month results of the randomized PKC-DMES clinical trial.
The PKC-DMES Study Group
Arch Ophthalmol 125(3): 318-24, 2007
・糖尿病黄斑浮腫に対するRuboxistaurin(RBX)内服の有用性を検討した。
・686名の患者がRBX(4,16,or 32mg/d)か、placeboを30日間内服(multicenter, double-masked, randomized, placebo-control study)。
・RBXはDMEをsight-threatening stageへの進行を抑止する効果はあった(p=0.54)。
Cigarette smoking, CFH, APOE, ELOVL4, and risk of neovascular age-related macular degeneration.
DeAngelis MM et al(USA)
Arch Ophthalmol 125(1): 49-54, 2007
・少なくとも1名の黄斑部の綺麗な兄弟のいる103名の無関係の103名について検討。
・10箱以上の年余にわたる喫煙歴があり、CFH CC genotypeを持った人は、10箱未満の喫煙歴でCTあるいはTT genotypeを持った人より144倍、新生血管AMDのリスクが増加することが分かった
Diurnal variation in retinal thickening measurement by optical coherence tomography in ceter-involved diabetic macular edema.
Diabetic Retinopathy Clinical Research Network
Arch Ophthalmol 124(12): 1701-7, 2006
・臨床的に糖尿病黄斑浮腫と診断され、午前8時に中心部6点の平均網膜厚が225μ以上の96例156眼をOCT3で検討した。
・午前8時には中心部網膜厚は368μでETDRS視力は66 letter(20/50)であったが、午後4時には、13μ(6%)減少(95%CI -17~-8μ、95%CI -9~-3%)、ETDRS視力は平均 1.0letters上昇(95%CI -0.05~2.1 letters)
・網膜厚変化と視力変化とには相関がなかった
Ranibizumab combined with verteprfin photodynamic therapy in neovascular age-related macular degeneration. Year 1 results of the FOCUS study.
Heier JS et al(CA USA)
Arch Ophthalmol 124(11): 1532-42, 2006
・AMDによる脈絡膜新生血管(predominantly classic)に対し、硝子体内ranibizumab(Lucentis)注入と、PDTを併用した治療の効果を検討。
・PhaseⅠ/Ⅱであり、毎月ranibizumab(0.5mg)注入した106例と、プラセボー注入した56例である。
・PDTは最初の注入の7日前に行ない、必要であれば3ヶ月に1回行なった。
・視力はETDRS chartsを用いて測定した。
・12ヵ月後に15文字以内の視力低下で収まった人は、ranibizumab治療群では90.5%、shamでは67.9%(p<0.001)であった。
・ranibizumabによる合併症は眼内炎症(11.4%)、眼内炎(1.9%, 疑い例含めば4.8%)あった
What we don’t know about avastin might hurt us(Editorial)
Gillies MC(Australia)
Arch Ophthalmol 124(10): 1478-9, 2006
・抗VEGFとしてはMacugen(pegaptanib)が最初に出されたが、Lucentis(ranibizumab)はもっと効果がある。
・Avastin(bevacizumab)もlucentisと同様の作用でVEGF-Aに接合する抗体である。
・Avastinは2004年に転移大腸癌に対し認可されたものである。
・Lucentisはavastinから作られたものであるが、分子量は1/3で、網膜浸透は良く、抗VEGF作用も100倍ある筈。
・AvastinとLucentisの半減期は硝子体内(5.6日:3.2日)、血清内では(21日:15時間)でAvastinは過剰投与されると残存する可能性がある。
・VEGFの作用は創傷治癒、心血管虚血の際の側副血管路形成に必要で、神経ニューロンの発達や障害からの保護に役立っているので、抗VEGFの過剰投与は危険である。
・Avastinを使用する場合は局所ならびに全身的な安全性に関するデータを集積すべきだ
Intraocular pressure variation during weight lifting.
Vieira GM et al(Brazil)
Arch Ophthalmol 124(9): 1251-4, 2006
・30人の健常者でベンチプレスを4回行ない、4回目に電気眼圧計で眼圧測定。
・modelⅠ:息を止めた。modelⅡ:通常に呼吸。
・modelⅠでは4.3±4.2mmHg上昇(-3.6~17.7mmHg、p<0.001)。modelⅡでは2.2±3.0mmHg上昇(-6.0~8.7mmHg、p<0.001)。
・眼圧上昇はⅠの90%、Ⅱの62%にみられ、5mmHg以上の眼圧上昇はⅠの30%、Ⅱの21%。
・Ⅰでは10mmHg以上の上昇が2名(6.7%)でみられた
Insurgence of Fusarium keratitis associated with contact lens wear.
Alfonso EC et al(FL USA)
Arch Ophthalmol 124(7): 941-7, 2006
・2004.1~2006.4までにSCL使用者でフサリウムが検出された角膜潰瘍は34例。
・Fusarium oxysporum 20例、Fusarium solani 3例、Fusarium属 11例。
・以前は稀であったが、増加している
Failure of prophylactic retinopexy in fellow eyes without a posterior vitreous detachment.
Chauhan DS et al(England)
Arch Ophthalmol 124(7): 968-71, 2006
・裂孔原性網膜剥離手術時に、後部硝子体剥離のなかった僚眼に予防処置を行ったが、後に僚眼に網膜裂孔あるいは網膜剥離を発生した17例を検討。
・平均年齢49歳、男12例、女5例。屈折度平均 -8.7D。
・僚眼は格子状変性のみ:5眼、格子状変性+円孔:8眼、その他:4眼。
・予防処置は光凝固:6眼、冷凍凝固11眼。
・16眼(94%)は急性PVD時に裂孔が発生し、8眼(47%)は処置部位に、8眼(47%)は正常あるいは非処置部位に発生。
・13眼(76%)で網膜剥離に進展したが、そのうち11眼(85%)は黄斑部までかかっていなかった。
・PVDのない僚眼では、予防処置を行なっても、後に急性PVDが発生するときに処置部の辺縁部に裂孔が発生する可能性がある。
・PVDのない僚眼では、予防処置をおこなうより、裂孔や網膜剥離発生時の症状についての患者教育の方が有用であろう
Hormone therapy and age-related macular degeneration. The Women’s Health Initiative Sight Exam Study.
Haan MN et al(MI USA)
Arch Ophthalmol 124(7): 988-92, 2006
・conjugated equine estrogens(CEE), CEE+P(progesterone黄体ホルモン)が有効かどうかを検討。
・4262名の65歳以上の女性を21施設で平均5年間経過観察。
・CEE, CEE+P, placeboの3群に振り分けた。
・写真判定で6群に分類(1:no AMD, 2:minimaly early AMD- soft drusen・・6:wet late AMD)。
・2判定以上のAMDは21%にみられた。
・CEE, CEE+Pはいずれも初期or末期AMDとは関連がなかったが、CEE+Pでは、軟性ドルーゼンのリスクの減少(OR=0.83 95%CI=0.68-1.00)、新生血管AMDのリスクの減少(OR=0.29 95%CI=0.09-0.92)がみられた。
Clinical utility of intraocular pressure monitoring of normal office hours in patients with glaucoma. Barkana Y et al(NY USA)
Arch Ophthalmol 124(6):793-7,2006
・眼圧日内変動を測定したOAG患者32例(男10,女22:年齢67.3±12.1歳)を検討。
・午前7時から深夜0時までは座位で、朝6時は仰臥位で測定した。
・平均眼圧13.0±2.2mmHg。
・最高眼圧16.8±3.2mmHgは、通常の診療時間での最高眼圧14.7±3.2よりも有意に高かった(p<0.001)。
・22例(69%)では、診療時間外で最高眼圧が記録された。
・日内変動は6.9±2.9mmHgで、診療時間内の変動3.8±2.3mmHgよりも有意に大きかった(p<0.001)。
・日内変動測定によって治療が変更になったものは23眼36%であった。
Triamcinoone as adjunctive treatment to laser panretinal photocoagulation for proliferative diabetic retinopathy.
Bandello F et al(Italy)
Arch Ophthalmol 124(5):643-50,2006
・両眼の糖尿病網膜症患者9例
・片眼はPRPの前にトリアムシノロン(4mg/0.1ml)を硝子体注入、他眼はPRPのみ
・FAGでの新生血管からの漏出、中心網膜厚(3,6,9,12ケ月)で検討
・12ケ月目では、FAGの漏出減少は、注入眼では88%(対照眼:50%)にみられた
・中心網膜厚は注入眼で有意に減少していた
Macular grid photocoagulation after intravitreal triamcinolone acetonide for diffuse diabetic macular edema.
Kang SW et al(Korea)
Arch Ophthalmol 124(5):653-8,2006
・79例86眼の糖尿病黄斑浮腫。
・48眼は 4mg IVTA3週間後にグリッド凝固。38眼は IVTAのみ
・IVTA後の中心網膜厚(前、3週間後、3ヵ月後、6ヵ月後)
グリッド凝固群:538±156, 250, 295, 301±133μm
対照群 :510±168, 227, 302, 437±271μm
・logMAR視力:3ヵ月後、6ヵ月後では、凝固群で有意に良かった
グリッド凝固群:0.70±0.39(視力 0.20)、0.71±0.41(視力 0.19)
対照群 :0.93±0.48(視力 0.12)、1.06±0.45(視力 0.09)
・黄斑光凝固はdiffuse DMEのIVTA後に改善した視力の保持に有効であり、IVTA後のDME
の再発を減少させると考えられる
Optic Neuropathy in Patients Using Amiodarone.
Purvin V et al(USA)
Arch Ophthalmol 124(5): 696-701,2006
・AONの診断基準の明確化するため、特にAIONとの鑑別
・22例のAmiodarone内服中に発症した視神経症について検討
・14例のAONの可能性が高いもの、5例の不確定なもの、3例のAION
・一般的に、視力障害の発症時期がはっきりせず、両眼(同時)の遷延性の乳頭浮腫とされているが、さまざまな症例があり、明確な診断基準は困難
Idiopathic macular telangiectasia.
Yannuzzi LA et al (NY USA)
Arch Ophthalmol 124(4):450-60,2006
・GassとBlodiは1993年、idiopathic juxtafoveolar retinal telangiectasisを提唱
・今までのGass-Blodi分類を簡素化した新しい分類(IMT)の提唱。
・Gass-Blodi group1: aneurysmal telangiectasiaの10例、Gass-Blodi group2: perifoveal telangiectasiaの26例を検討した。
・Gass-Blodi group3: occlusive telangiectasiaは、症例がなく、稀であること、macular telangiectasiaが原発と言うよりは毛細管の無血管野が存在する事から、今回の分類からは除外した
Effect of central corneal thickness, corneal curvature, and axial length on applanation tonometry.
Kohlhass M et al(Germany)
Arch Ophthalmol 124(4):471-6,2006
・125眼の白内障手術患者で、手術前に前房に圧センサーを注入し、環流ボトルを上昇させる事によって眼内圧を 20, 35, 50mmHgに設定し、角膜厚み測定後に圧平眼圧計で眼圧を測定した
・測定眼圧値と実際の眼圧値との差は有意にCCCと相関(p<0.001)
・角膜曲率、眼軸長は相関がなかった
・測定眼圧値とCCCとの関連を示すものとして ”Dresdner correction table”を作成
・CCC=550μmで、圧平眼圧計の値は、ほぼ真の眼圧値を示していた
・550μmから25μm偏位毎に測定眼圧値は約1mmHgづつ偏位する
・例:CCC=475μmでは、+3.19mmHgを加算、CCC=700μmでは、-6.33mmHg減算する
Sequenced Combined Intravitreal Triamcinolone and Indocyanine green Angiography – guided Photodynamic Therapy for Retinal Angiomatous Proliferation.
Freund KB et al(USA)
Arch Ophthalmol 124(4): 487-92,2006
・26例27眼の新しく診断されたRAPの症例に4mgのIVTA後、7~14日後にICGAに基づいたPDT(hot spot+200μ)を施行
・stageⅡPED(-)2例、stageⅡPED(+)21例、stageⅢ4例
・24眼(88%)で完全にFAでのhot spotのleakは消失し、網膜浮腫、下液は吸収された
・3から8ヶ月で8眼にleakの再発が見られ、再治療し、全例で、消失
・12ヶ月で、10眼(37%)で3段階以上の視力の改善、14眼(52%)で不変、3例(11%)で悪化
・VisudyneはICGと似た性質を持っているので、網膜浮腫内にleakし、PDT時に網膜障害を起こす可能性があり、PDT前に浮腫を軽減させることは、網膜障害を軽減させ、VEGFの誘発を防ぐ
Multifocal electroretinogram in adults and chiodren with myopia.
Luu CD et al(Singapore)
Arch Ophthalmol 124(3):328-34,2006
・mfERGのN1(1st negative trough),P1(1st positive peak), N2(2nd negative trough)の振幅と近視度との関連を検討
・成人では mfERGの振幅は、近視の度数に比例して減少していたが、小児では無相関であった。成人:N1(p=0.001), P1(p<0.001), N2(p<0.001)
・成人では mfERGの潜時も、近視の度数に比例して延長していたが(いずれもp<0.001)、小児では P1のみ p=0.02で相関があったが、N1,N2は無相関であった
・近視におけるmfERGの振幅減少は、近視の度数に比例するのではなく、近視性の網膜変化に由来するものであろう