Association of Football Subconcussive Head Impacts With Ocular Near Point of Convergence.
Kawata K, Rubin LH, Lee JH, Sim T, Takahagi M, Szwanki V, Bellamy A, Darvish K, Assari S, Henderer JD, Tierney R, Langford D.(US-PA)
JAMA Ophthalmol. 2016 ;134(7):763-9.
【目的】
・アメリカンフットボールの練習による頭部衝撃の繰り返しが輻輳近点(NPC)に影響するかを調査
【対象と方法】
・Temple大学のアメフト選手33名(うち4名除外)
・シーズン前のトレーニングキャンプの間とポストシーズン(最終試合より三週間後)に頭部への衝撃とNPCを調査
・頭部への衝撃はマウスガードに付けられた加速度計で測定
・Sports Concussion Assessment Tool 3(SCAT3)にて脳震盪の兆候をチェック
・5回の練習での測定結果により、低衝撃群(n=7)と高衝撃群(n=22)とに分類
【結果】
・高衝撃群では練習回数とともに一次関数的にNPCが延長、その後プラトーになりポストシーズンには回復した
・低衝撃群ではNPCの延長はみられず
・両群間の有意差は、フル装備の練習開始時よりみられ、練習期間中も継続した
・SCAT3の症状スコアは全期間において両群間に有意差みられず
【結論】
・頭部への衝撃を繰り返すことで、症状がなくてもNPCが延長することが示された
・NPC延長は頭部衝撃に対する眼球運動系の脆弱性と回復が遅いことを明らかにした
・NPCの変化は頭部外傷の重篤度を推し量る有用な臨床ツールとなりうる(MK)
Assessment of Levels of Ultraviolet A Light Protection in Automobile Windshields and Side Windows.
Boxer Wachler BS.(US-CA)
JAMA Ophthalmol. 2016 ;134(7):772-5.
【対象と方法】
・ロサンゼルスにディーラーがある自動車(15会社・29車種)
・車周囲・フロントガラス内側・運転座席サイドガラス内側のUV-Aレベルを測定
【結果】
・フロントガラスのUV-Aカット率は96%(レンジ95-98%)で、サイドガラスのUV-Aカット率71%(レンジ44-96%)よりも有意に高値(P<0.001)。
・サイドガラスのUV-Aカット率が90%を超えたのは4車種(13.8%)のみだった
【結論】
・どの車種もフロントガラスのUV-Aカット率はおしなべて高値であったが、サイドガラスのUV-Aカット率は低くばらつきがあった
・この結果は、白内障や皮膚がんが左眼や左顔面に多いという過去の報告を説明できうる(MK)
Association of Football Subconcussive Head Impacts With Ocular Near Point of Convergence.
Kawata K, Rubin LH, Lee JH, Sim T, Takahagi M, Szwanki V, Bellamy A, Darvish K, Assari S, Henderer JD, Tierney R, Langford D.(US-PA)
JAMA Ophthalmol. 2016 ;134(7):763-9.
【目的】
・アメリカンフットボールの練習による頭部衝撃の繰り返しが輻輳近点(NPC)に影響するかを調査
【対象と方法】
・Temple大学のアメフト選手33名(うち4名除外)
・シーズン前のトレーニングキャンプの間とポストシーズン(最終試合より三週間後)に頭部への衝撃とNPCを調査
・頭部への衝撃はマウスガードに付けられた加速度計で測定
・Sports Concussion Assessment Tool 3(SCAT3)にて脳震盪の兆候をチェック
・5回の練習での測定結果により、低衝撃群(n=7)と高衝撃群(n=22)とに分類
【結果】
・高衝撃群では練習回数とともに一次関数的にNPCが延長、その後プラトーになりポストシーズンには回復した
・低衝撃群ではNPCの延長はみられず
・両群間の有意差は、フル装備の練習開始時よりみられ、練習期間中も継続した
・SCAT3の症状スコアは全期間において両群間に有意差みられず
【結論】
・頭部への衝撃を繰り返すことで、症状がなくてもNPCが延長することが示された
・NPC延長は頭部衝撃に対する眼球運動系の脆弱性と回復が遅いことを明らかにした
・NPCの変化は頭部外傷の重篤度を推し量る有用な臨床ツールとなりうる(MK)
Assessment of Levels of Ultraviolet A Light Protection in Automobile Windshields and Side Windows.
Boxer Wachler BS.(US-CA)
JAMA Ophthalmol. 2016 ;134(7):772-5.
【対象と方法】
・ロサンゼルスにディーラーがある自動車(15会社・29車種)
・車周囲・フロントガラス内側・運転座席サイドガラス内側のUV-Aレベルを測定
【結果】
・フロントガラスのUV-Aカット率は96%(レンジ95-98%)で、サイドガラスのUV-Aカット率71%(レンジ44-96%)よりも有意に高値(P<0.001)。
・サイドガラスのUV-Aカット率が90%を超えたのは4車種(13.8%)のみだった
【結論】
・どの車種もフロントガラスのUV-Aカット率はおしなべて高値であったが、サイドガラスのUV-Aカット率は低くばらつきがあった
・この結果は、白内障や皮膚がんが左眼や左顔面に多いという過去の報告を説明できうる(MK)
The effect of multispot laser panretinal photocoagulation on retinal sensitivity and driving eligibility in patients with diabetic retinopathy.
Subash M et al(England)
JAMA Ophthalmol 134(6): 666-672, 2016
・増殖性DMR(PDR)に対する汎網膜光凝固PRPは周辺視野欠損を来し、運転に支障が出る可能性があるが、抗VEGF剤は視野欠損を来さない。
・この点について、43例46.6±13.3歳の未治療PDRで6か月経過観察の前向き研究を行った。
・Esterman両眼開放視野(上40度/下60度/両耳側150度、中心10度以内は6点のみの静的視野)で中心20度以内に暗点がなく、水平120度以上の視野があれば合格とした。
・41/43名(95%)が治療前は合格し、治療終了後は35/38名(92%)が合格した。
・視野の視感度の変化は右眼では-1.4±3.7(95%CI=-2.7~-0.1)dB、左眼では-2.4±2.9(95%CI=-3.4~-1.4)dB、中心4度の感度は右眼で3.0±5.2dB低下、左眼は2.6±5.4dB低下した。
・更に長期間経過をみれば更に感度が低下することが予想できる。
・PDRでPRPが必要な患者にはその旨の情報提供が必要で、抗VEGF薬の使用も考慮すべきだ(図)(TY)
Ocular Findings in Infants With Microcephaly Associated With Presumed Zika Virus Congenital Infection in Salvador, Brazil
Bruno de Paula Freitas, et al. (Brazil)
lAMA Ophthatmol. 2016;134(5):529-535.
目的:ジカウイルス感染による小頭症と思われる乳児の眼所見を調査した。
対象と方法:生まれた時の頭囲が32cm以下の乳児29人。
トキソプラズマ症、風疹、サイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルス、HIVのための小頭症、または母親が妊娠中にアルコール、違法な薬物使用があれば除外された。
母親は29人の内23人はジカウイルス感染の症状があった。発疹、発熱、間接痛、頭痛など。
ジカウイルス感染からの結膜炎は全例で認められなかった。また、母親に眼疾患はなかった。
結果:10人(34.5%)に異常が認められた。(両眼7人、片眼3人)
部分的な色素斑を伴う網脈絡膜萎縮11眼、視神経萎縮8眼、コロボーマ2眼、水晶体亜脱臼1眼を認めた。
結論:ジカウイルスの先天感染は、黄斑周囲の網脈絡膜萎縮と視神経障害のような視力を脅かす結果と結びつけられた。(CH)
Association between oral fluoroquinolone use and retinal detachment.
Raguideau F et al(France)
JAMA Ophthalmol 134(4): 415-421, 2016
・フルオロキノロン内はコラーゲン繊維や結合織に対して細胞毒性があると言われており、過去にもフルオロキノロン内服では網膜剥離の発生が4.5倍とか2.0倍であったとの仕事が幾つかある。
・Franceではフルオロキノロン内服は尿路感染で頻用されており、年間500万処方がある。
・French health care databese(2010/7-2013/12)からの27,540例の網膜剥離を検討した。
・裂孔原性が68%、滲出性が11%、その他が21%。過去の網膜剥離、網膜裂孔、眼内炎、硝子体注射や生検、AIDSなどは除外した。
・網膜剥離手術の直近(10日以内)、最近(11-30日)、以前(31-60日)と、コントロール期間(61-180日)にフルオロキノロン内服をした人を調べた。
・27,540名の内、6,708例がフルオロキノロン内服の既往があり、663例は調査期間中(180日以内)のフルオロキノロン内服があった。
・10日以内は80例、61-180日が583例であり、10日以内では有意に発生率が高かった(OR=1.46 95%CI=1.15-1.87)。
・10日以内の網膜剥離のタイプは、裂孔原性RDではOR=1.41(95%CI=1.04-1.92)、滲出性RDではOR=2.57(95%CI=1.46-4.53)であった。
・最近(11-30日)、以前(31-60日)では有意差はみられなかった。(TY)
Transient ciliochoroidal detachment after ab interno trabeculotomy for open-angle glaucoma. A prospective anterior-segment optical coherence tomography study.
Akagi T et al(京大)
JAMA Ophthalmol 134(3): 304-311, 2016
・線維柱帯切開では上強膜静脈圧EVP(座位で7.6-11.4mmHg)よりも眼圧が下がることはないと考えられているが、術後に非常に低い眼圧になる症例があり、これについて検討した。
・33例のうち14例(42%)で術3日目に前眼部OCTで毛様体脈絡膜剥離CCDが検出された。
・このCCD群では非CCD群に比して眼軸が短く(23.66±1.67:25.16±1.59mm)中心角膜厚が薄かった(505.9±35.8:533.9±39.1μm)。
・14例の内5例では10日後にもCCDがあり、1か月後には4例にCCDが残っていた。
・CCD群:非CCD群の眼圧は1日目は9.1±3.0:14.2±5.8、3日目では8.4±2.4:13.4±5.0、10日目は11.0±3.0:15.5±6.3、1か月後では13.4±2.4:15.5±3.3、3か月後では13.9±3.4:15.5±4.0であった。
・CCDの強い症例では前眼部OCTでCCDと前房とがロトミー部位でつながっていた。
・CCDの程度はAS-OCTで、grade 0-3に分類されている(Sakai H et al.Ophthalmol 112:413,2005)(TY)
Transient Ciliochoroidal Detachment After Ab Interno Trabeculotomy for Open-Angle Glaucoma
A Prospective Anterior-Segment Optical Coherence Tomography Study
Tadamichi Akagi et al (Kyoto)
JAMA Ophthalmol 134(3):304-311, 2016
流出路手術後に理論的にはあり得ない低眼圧を一時的に生じることがある。ロトミー後に生じるような毛様体解離(CCD)がないかプロスペクティブに調査
37例のPOAGに対するTrabectomeで術後AC-OCTを用いてCCDの有無を検討する
Temporal, Superior, Inferior, 30°Spranasal, Nasal, 30°Subnasalの6方向
3例は術後フォローアップ不足、一例は術前よりCCDを認めたため除外 結果33例の解析
術後3日目において、CCDあり:14眼42%、CCDなし:19眼58%であった 5mmHg以下の低眼圧になった例はなかった
CCDあり:術後3日目 10例で6方向すべて、10日目 5例、1か月目 4例
CCDなし群と比べて、眼軸が短い(23.66 vs 25.16) CCTが薄い(505.9 vs 533.9)
IOP: 1D 9.1 vs 14.2, 3D 8.4 vs 13.4, 10D 11.0 vs 15.5, 1M 13.4 vs 15.5, 3M 13.9 vs 15.5 徐々に差は減少
TMを切開した部分がCCDに接続している所見が得られた
Uveal effusionや小眼球、原田病、バックル術後、PRP後などでもCCDは生じる
ぶどう膜のうっ滞や静脈対流によるものと考えられるが、Trabectomeでは考えにくく、手術による炎症の可能性は否定できない。また切開創からのリークは認めなかったが、全例で角膜縫合をしたわけではないので、一過性の眼圧低下によるCCDの可能性、手術の際にCyclodialysisを作成してしまった可能性も否定できない
<結論>CCDを生じる原因は不明だが、まれではない 術直後の一過性眼圧低下と相関していた。切開部位でのぶどう膜強膜流出路の一過性増加によるものと考えている(MM)
Antibiotic resistance among ocular pathogens in the United States. Five-year results from the antibiotic resistance monitoring in ocular microorganisms (ARMOR) surveillance study.
Asbell PA et al(NY USA)
JAMA Ophthalmol 133(12): 1445-1454, 2015
・全米の施設に呼びかけて、検出菌の薬剤耐性について調査した。
・調査期間は2009/1~2013/12である。
・72施設から3237菌が集まり、黄色ブ菌1169株、coagulase陰性ブ菌(CoNS)992株、肺炎連鎖球菌330株、インフルエンザ菌357株、緑膿菌389株を調査した。
・メチシリン耐性株(MR)は黄色ブ菌493株(42% 95%CI=39.3%-45.1%)、CoNA493株(49.7% 95%CI=46.5%-52.9%)であり、MRは同時にフルオロキノロン、アミノグリコシド、マクロライドに耐性であった(p<0.001)。
・その他に3種以上の抗生剤に耐性であったMRは428株(黄色ブ菌の86.8%、CoNSの77.3%)であったが、ブ菌は全てバンコマイシンには感受性があった。
・アジスロマイシン耐性は肺炎連鎖球菌が多かった(113株34.2%)。
・高齢者から検出されたブ菌はMRである確率が高かった。
・5年間の調査機関中では、ブ菌内でMRが増えているわけではなかった(P<0.22)。(TY)
Trancsient macular edema after intracameral injection of a moderately elevated dose of Cefroxime during phacoemulfication surgery.
Wong DC, Shortstein NH, et al.(US-CA)
JAMA Ophthalmol 133(10); 1194-1197, 2015
・Cefroxime前房内投与の適正濃度;1mg/0.1ml、二段階の手順のため溶解ミスのリスクはらむ
・この施設の手順;①Cefroxime 1バイアル(750mg)を7.5mlの生食で溶解、②①の溶解液のうち3ml(300mg)をさらに27mlの生食で溶解(=1mg/0.1ml)
・今回手違いにて9mg/0.1ml(①液そのまま?)前房内投与
・誤投与13眼中6眼で翌日に視力低下(20/70以下)と黄斑浮腫が出現。黄斑浮腫は平均5.2±1.3日で吸収。術前より眼合併症のあった2眼を除いてすべての症例で1か月後には視力20/30以上に回復。角膜浮腫みられず。(MK)
Zonular Dehiscence at the Time of Combined Vitrectomy and Cataract Surgery After Intravitreal Ocriplasmin Injection
Keller J, Haynes R. (UK)
JAMA Ophthalmol 133(9):10 1091-1092, 2015
【Case1】60代半ばの女性。左眼にVMTを伴うMHありocriplasmin硝子体注射。PVD発生したがMHは閉鎖せず。水晶体動揺なし。
注射6週間後に白内障手術と25G硝子体手術との併用手術。IOL挿入の際にZinn小帯が180°断裂し虹彩クリップ型IOL(Artisan)に変更。MHは閉鎖し視力は20/30→20/40。
【Case2】60代後半の女性。左眼にMH発症しocriplasmin硝子体注射。注射数時間後に光視症と羞明、視力低下を自覚。PVD進行、ERGは全波形が減弱。OCT上MH残存、円孔径拡大。水晶体動揺なし。
注射6週間後に白内障手術と硝子体手術との併用手術。IOL挿入時に下耳側のZinn小帯断裂みられCTR挿入。視力20/100→20/50。
【考察】過去の二報ではocriplasmin硝子体注射後の水晶体変位や脱臼はまれ。硝子体の液化の程度によっては不規則に拡散する報告あり→この奇異な拡散が高い濃度でZinn小帯に到達し、弾性線維を破壊?(MK)
Association of Nonarteritic Ischemic Optic Neuropathy With Obstructive Sleep Apnea Syndrome Consequences for Obstructive Sleep Apnea Screening and Treatment
Florent Aptel, et al. (France)
JAMA Ophthalmol 133 (7): 797·804,2015
目的:NAION患者でのOSASの有病率と僚眼への併発のリスク要因を調べる。
対象と方法:NAION 89人(男性58人、女性31人、平均年齢68歳)。
終夜睡眠ポリグラフ検査を行った。白内障手術を受けた症例はなかった。
結果:NAION 89人中、OSASの有病率は75%(67人)だった。中等度OSAS 24人、重症OSAS 43人。
3年間の経過観察中に僚眼に併発したのは10人だった。OSAS有り8人、OSAS無し2人。
健眼へのリスク要因は、CPAP治療を必要としている重症OSASだった。
結論:NAIONの患者にはOSASの有病率が高い。これらの患者には終夜睡眠ポリグラフ検査を行うべきである。
CPAP治療により、僚眼へのリスクが抑えられるかもしれない。(CH)
Cardiovascular Adverse Effects of Phenylephrine Eyedrops
A Systematic Review and Meta-analysis
Bethany Stavert, et al. (Australia)
JAMA Ophthalmol 133(6):647·652,2015
目的:フェニレフリン点眼の心臓血管に対する副作用を調査する。
対象と方法:ボランティア916人(平均年齢56歳、男性46%、女性54%)、3%が高血圧のような心臓血管疾患を持っていた。両眼に2.5%、10%フェニレフリン点眼を1滴から3滴点眼。血圧と脈拍を測定した。
結果:2.5%フェニレフリン点眼では60分を超えても血圧は上昇しなかった。
それどころか、投与後60分以上経過するとわずかな血圧低下( -4.65mmHg)を認めた。脈拍は変化なかった。
10%フェニレフリン点眼は投与後5分から10分後に血圧上昇平均15mmHgを認めた。20分から30分後にはベースライン時に戻り、その後変化はなかった。
脈拍は20から30分後に4-48 回/分増加した。60分後にはベースライン時に戻った。
結論:2.5%フェニレフリン点眼は血圧や脈拍に臨床的に有害な変化を与えず、病院でルーチンに使用するのに安全である。(CH)
Repeated Intravitreous Ranibizumab Injections for Diabetic Macular Edema and the Risk of Sustained Elevation of lntraocular Pressure or the Need for Ocular Hypotensive Treatment
Susan B. Bressler et al (Baltimore)
JAMA 133(5):589-597, 2015
・多施設共同研究であるDiabetic Retinopathy Clinical Research Network(DRCR.net) studyで登録された患者のうち、シャム注射とRanibizumab注射を行ったDME患者を抽出
・除外基準:POAGやステロイド緑内障で眼圧下降薬を使用しているもの、NVG患者、ベースラインで25mmHgの眼圧のもの
・angle closure、およびOHTで1剤以下の点眼でIOP25mmHgのものは含んでいる
・322眼でRanibizumab+deferred or prompt focal/grid laser、260眼でシャム+focal/grid laser
・primary outcome:眼圧上昇(22mmHg以上かつベースラインよりも2回連続一か月以上離れて6mmHg以上の上昇) 眼圧は散瞳前の眼圧、眼圧下降治療の開始もしくは追加と定義
・3年間のフォローアップ後にアウトカムを満たしたのはシャム群:6眼(3.4%)、Ranibizumab群22眼(9.5%)であった ハザード比2.9だが発生率が少なく、信頼区間は広い
・10mmHg以上の眼圧上昇:シャム9%、R群6%
・30mmHg以上の眼圧:シャム3%、R群2%
・アウトカムを満たしたRanibizumab群での平均投与回数は7±4回 全体では3年間で15回
・投与回数と眼圧上昇の関係は認めなかった
・反復投与でIOP上昇する理由として、炎症の増加、繊維柱帯の機械的・機能的な変化が検討されている
・AMDでの反復投与ではANCHORやMARINAトライアルではR群11%、コントロール群5%(MM)
Paravascular Inner Retinal Defect Associated With High Myopia or Epiretinal Membrane
Yuki Muraoka et al (Kyoto Univ.)
JAMA Ophthalmol 133(4):413-420, 2015
・PIRDとは主要血管に沿って、紡錘形やキャタピラ型の暗い領域に見られ、視神経乳頭には接続していない網膜の変化
・通常の縦横のOCTではcystoidやfissure-like spaceとしてとらえられるが、血管に沿ってOCTを撮影するとかなり広い範囲にわたっての欠損であることが分かった
・過去に千原らがRNFLのcleavage(開裂)と報告したものや、retinal cleavage, paravascular retinal cysts, lamellar holeと呼ばれていたものと考えられる
・28名41眼(33-81歳:平均57.4歳、両眼が13名)のPIRDを対象とし、OCTを用いて調べた
・除外基準: 21mmHgを超える眼圧、OCT画像に影響を与える白内障、視野異常をきたす網脈絡膜萎縮、視神経乳頭異常(視神経低形成、SSOH,傾斜乳頭)、過去の内眼手術、静脈閉塞、動脈閉塞、DR、外傷、緑内障
・37眼は近視、21眼は高度近視であった。平均屈折異常は-7.94D 平均眼軸26.96mm
21眼で黄斑部にERMを認め、これらではPIRDは血管の下から黄斑部に向かって広がっていた
・ERMを認めた21眼のうち高度近視は6眼のみであった
・35眼では対応する視野異常を認めた
75%:Bjerrum 暗点様 59%:Nasal step様
・NFLDと異なる点は、辺縁が不整であること、幅が均一でないこと、視神経乳頭につながっていない
・PIRDでは、動脈よりも静脈に沿って存在、下方よりも上方に存在し、耳側におおい(34%では両側に存在していた)
・主要血管に沿ってまたは主要血管のすぐ下に存在
・後部硝子体膜は91%で付いてはいなかった
・眼軸が伸びる際に主要血管が軸方向にずれて生じるのではないかと考えられる
・同様にERMでも主要血管が黄斑部に向かって牽引される際にPIRDは生じると考えられる
・PIRDが全層の網膜裂孔に進展するのかは不明
・網膜静脈の方が網膜動脈よりもフレキシブルで動きやすいかもしれない(MM)
Ex-PRESS Shunt for Choroidal Fluid Drainage in Uveal Effusion Syndrome Type 2
A Potentially Novel Technique
Yapez JB, Arevalo JF. (Kingdom of Saudi Arabia)
JAMA Ophthalmol 133(4): 10 470-471, 2015
・テノン嚢内麻酔、結膜切開、下液の多い象限の強膜を露出、角膜輪部より13mmの部を25ゲージ針で斜めに穿刺、上脈絡膜腔の浸出液が排出、エクスプレスシャントを留置、BSSを前房に注入して眼圧調整、結膜縫合。
【Uveal Effusion SyndromeのUyama分類】
Ⅰ型:小眼球(+)強膜肥厚(+)強膜開窓有効、Ⅱ型:小眼球(-)強膜肥厚(+)強膜開窓有効、Ⅲ型:小眼球(-)強膜肥厚(-)強膜開窓無効
*ビデオはPatient1のもの、下耳側象限よりアプローチ。
UESはCDだけでなく胞状RDも合併するが、今回の治療ではRDも速やかに吸収
Patient 1.2とも下耳側に留置、術2日後にはCD、RDともに吸収
Type2 UESは23-50%で再発するとの報告(MK)
Patient-Reported Vision-Related Quality of Life Differences Between Superior and Inferior Hemifield Visual Field Defects in Primary Open-Angle glaucoma
Hui-Chen Cheng et al (Taiwan)
JAMA Ophthalmology 133(3):269-275, 2015
・189名(平均年齢59.1歳)、131名が男性
・矯正視力20/60以上、眼圧25mmHgで安定している、信頼性のある視野検査が3か月以内に測定している患者を対象
・HFAを両眼で統合したIVFを用いて、日常生活に与える影響を台湾人向けのNEI-VFQ25で調査
・上方の視野障害は近方の活動に、下方の視野障害は全体の見え方、資格を頼りにした役割の困難、周辺視野と相関
・両眼で上方視野障害のある患者では、文字を読むこと、近づいてみるような趣味、混雑した棚から何か探すことが苦手と考えられる。
・アルファベットは上半分が重要な意味を持つが、漢字は上や左側が重要な意味を持つ
・下方の視野障害があると、歩行速度の遅延、転落、それにより怪我が多くなるため、家族や友人の助けが必要となる(MM)
Retinal vascular layers imaged by fluorescein angiography and optical coherence tomography angiography.
Spaide RF et al(NY USA)
JAMA Ophthalmol 133(1): 45-50, 2015
・OCT angiographyの特性について、網膜の2x2mm領域のsplit-spectrum amplitude decorrelation angiography(SSADA)画像を蛍光眼底画像と比較し、放射状傍乳頭毛細血管網を正常眼12眼で検討した。
・蛍光眼底では視神経乳頭周囲の完全な放射状毛細血管網を観察できたものはなかったが、SSADA画像では簡単に観察できた。
・FAとSSADAを比較すると、内層の血管網については95.3%(95%CI=92.2-97.8%)が一致したが、外毛細血管網については4.7%(95%CI=2.6-5.7%)の一致であった。
・OCT angoigraphyは網膜の臨床評価に有用である(図)(TY)
Retinal vascular layers in macular telangiectasia type 2 imaged by optical coherence tomographic angiography.
Spaide RF et al(NY USA)
JAMA Ophthalmol 133(1): 66-73, 2015
・MacTel2はFAでの深層の血管網の異常として良く知られている。
・今回、7例14眼のMacTel2についてsplit-spectrum amplitude decorrelation angiography(SSADA)画像で、内層と外層の網膜血管網、網膜深層血管の外層、網膜下空間への侵入について検討した。
・MacTel2では全例で内層網膜血管網が少なくなっていたが、深層の網膜血管網に顕著であった。
・MacTel2の初期では深層血管網は毛細血管拡張があったが、進行した症例では薄くなり欠損しており、残存血管は引き伸ばされ、外層や網膜下腔への新生血管の侵入がみられた。
・この方法によるMacTel2の検討は有用であった(図)(TY)