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Journal of Cataract & Refractive Surgery

2012
38巻

子供と未成年者に対する2次的IOL移植術後早期の眼内圧の上昇

Journal of Cataract & Refractive Surgery 38巻(9号)2012

Intraocular pressure elevation during early postoperative period after secondary intraocular lens implantation in children and adolescents
Rupal H. Trivedi et al (South Carolina ,USA)
J Cataract Refract Surg 2012 ;38 :1633-1636
・85人133眼のうち、26㎜Hg以上の急激な眼内圧上昇は9眼にみられた。平均年令14.3才。その9眼のうち、6眼は無水晶体眼緑内障で術前投薬されていた。術前緑内障の22眼中6眼(27%)と、緑内障の無い111眼中の3眼(3%)は、術後眼圧が急上昇した(P<.001)。この9眼中の3眼(平均28㎜Hg)は無症状。症状のあった6眼は平均眼圧39㎜Hgで、疼痛、違和感、嘔気、嘔吐であった。
・術前緑内障の存在は、たとえ薬で良好にコントロールされていても、子供の2次IOL移植術後早期眼圧上昇の危険因子である。成人でも緑内障の存在は術後眼圧上昇の危険があるが、普通は一過性の上昇は影響ない。長く続いたり、極端に高いと角膜浮腫、疼痛、AION、CRVOをおこす。術後眼圧上昇は、房水の流れが高分子量の粘弾性物質によって遮断されるヒーロンブロック緑内障か、術前・術中の隅角の変形、出血、色素の散乱、水晶体物質の存在も影響する。1才前の子供の白内障手術では、無水晶体眼とするが、幼少期の白内障手術は無水晶体眼緑内障の危険因子であり、無水晶体眼でいるほど緑内障になりやすい。緑内障投薬中であれば薬を追加したり、注意深く眼圧測定をすべきである。十分粘弾性物質を除去し、一時的に経口アセタゾラミドを投与し、降眼圧剤の点眼を併用することを勧める。(YM)

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