眼科JOURNALトップ > Journal of Cataract & Refractive Surgery > 結膜下ゲンタマイシンによる白内障手術後の中毒性前眼部症候群

Journal of Cataract & Refractive Surgery

2012
38巻

結膜下ゲンタマイシンによる白内障手術後の中毒性前眼部症候群

Journal of Cataract & Refractive Surgery 38巻(12号)2012

Toxic anterior segment syndrome after cataract surgery secondary to subconjunctval gentamicin
Litwin AS et al. (USA)
J Cataract Refract Surg  38:2196-2197,2012
・白内障術後の結膜下ゲンタマイシンが眼内に流入した事が中毒性前眼部症候群(TASS)と関係あると思われる2例の報告。
・症例1:62歳女性、アクリルレンズ、ペニシリンアレルギーあり
  結膜下ゲンタマイシン20mg/0.5ml注入
  術後1週間後から眼痛(+)、角膜浮腫、前房cell(+)、瞳孔散瞳(+)
  11ヶ月後 視力20/30、瞳孔径7mm
・症例2:85歳女性、アクリルレンズ、ペニシリンアレルギーあり
  術後2週間後から砂が入ったような違和感(+)、角膜浮腫、前房cell(+)、 
  瞳孔散瞳(+)
  5ヶ月後、視力20/30、瞳孔径7mm
・ゲンタマイシンは白内障の手術で広く使われる。眼内炎の治療で前房内にゲンタマイシンを注入してよい結果が得られたという報告もある。
ゲンタマイシンとTASSの間に関連が有るかどうかは証明されていないが、今回と類似のケースを避けるため、注意が必要である。(CH)

過去のアーカイブ