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Journal of Cataract & Refractive Surgery

2013
39巻

残存水晶体皮質は術後眼内炎の危険因子になるか

Journal of Cataract & Refractive Surgery 39巻(2号)2013

Residual lens cortex material: potential risk factor for endophthalmitis after phacoemulsification cataract surgery.
Lou B et al(China)
J Cataract Refract Surg 39(2): 250-257, 2013
・超音波乳化吸引後に水晶体皮質が残存していることが細菌増殖による眼内炎発症の危険因子になるかどうかを家兎で実験検討した。
・白内障患者から採取した前房水あるいは水晶体皮質を生食で希釈した液(1:1から1:16)に、10**5CFU (colony-forming unit)/mlの黄色ブ菌と表皮ブ菌を混ぜて24時間培養したところ、いずれの菌も皮質を希釈した培地の方が2桁から3桁増殖数が多かった(p<0.01)。
・家兎で完全に皮質を吸引した40頭と、1/4の皮質を残した40頭に黄色ブ菌を32.0, 56.3, 108.6CFU摂取した72時間後の眼内炎の発症をみると、皮質を完全に吸引した群では、0/10, 3/10, 10/10に発症したのに対し、皮質を残した群では、6/10, 9/10, 10/10に眼内炎を発症していた。
・術中に細菌の混入があったとすると、皮質が残っていた方が眼内炎が発症しやすいと考えられた(TY)

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