眼科JOURNALトップ > Journal of Cataract & Refractive Surgery > Negative Dysphotopsiaを防ぐ新たなアプローチ

Journal of Cataract & Refractive Surgery

2016
42巻

Negative Dysphotopsiaを防ぐ新たなアプローチ

Journal of Cataract & Refractive Surgery 42巻(10号)2016

New preventative approach for negative dysphotopsia
Henderson BA et al (USA)
J Cataract Refract Surg 42(10): 1449-1455, 2016
Negative dysphotopsia:白内障手術後早期に耳側に現れる黒い影でほとんどは時間とともに消失するが、20%程は持続することがある。耳下側に入射した光がIOLのエッジで屈折して影ができると考えられている
最もよく報告されているAlconSN60WFを用いてIOL挿入の向きによって症状を抑えることができるか調べた
Acryl:SN60WF 屈折率1.55 Square edge シングルピース
Silicone:LI61AO (ボシュロム) 屈折率 1.43 Round edge スリーピース
二つの手術センターで305例418眼を調査
CenterA(術者1人:アクリルIOL) 1眼目:Hapticsが耳下側になるように挿入 2眼目は6-12時でコントロールとして入れたが、その後耳下側に入れたほうがいいとのことで耳下側に挿入
CenterB(術者2人:一人はアクリル、一人はシリコン):様々な方向に入れたので今回のスタディでは耳下側と上下方向を採用して解析
418眼のうち、
アクリル319眼:42眼 耳下側方向(非無作為)、163眼耳下側(無作為)、114眼上下方向(コントロール)
シリコン99眼:すべてランダム 39眼 耳下側、60眼 上下方向
結果
Negative dysphotopsia出現率
シャープエッジのアクリル:耳下側方向:ランダム化した163眼中10眼(6%)、全症例205眼中11眼(5%)
                                   上下方向:114眼中16眼(14%)
アクリルでは術翌日の症状で2.3倍耳下側方向の方が少なかった
術後1か月で両群に有意差はなくなった
ラウンドエッジのシリコンではNegative dysphotopsiaは生じなかった
シングルピースのシャープエッジアクリルレンズを入れる際はHapticsを耳下側方向に入れると良い(MM)

過去のアーカイブ