Descemet-stripping automated endothelial keratoplasty in eyes with transscleral-sutured intraocular lenses
Hiroyuki Yazu, et al. (東京歯科大学)
J Cataract Refract Surg 2016(6); 42:846-854
目的:眼内レンズ縫着眼に対する角膜内皮移植術(DSAEK)と通常のDSAEKの治療成績を比較検討した。
対象と方法:縫着グループとしてDSAEK+眼内レンズ縫着同時手術(11眼)又は眼内レンズ縫着後DSAEKを受けた患者(26眼)37眼
標準グループとしてDSAEK+白内障同時手術(65眼)、DSAEK単独(82眼)を受けた患者147眼
縫着の理由 同時手術では後嚢破損4眼、PE2眼、硝子体手術後や複雑な白内障手術後の無水晶対眼に対して5眼
2ステップ手術では網膜剝離硝子体手術後の無水晶対眼5眼、PE 17眼、前房または後房レンズ亜脱臼のため4眼
術前、術後1、3、6、12、24ヶ月経過観察した。
結果:視力 術後24ヶ月 縫着グループ 0.48±0.38 logMAR、標準グループ 0.17±0.25 logMAR
CDVAは術後6、12ヶ月後で縫着グループは標準グループと比べ有意に悪かった。
ECDは有意差なかった。
術後、6、12、24ヶ月で標準グループより縫着グループのほうが乱視が強かった。
合併症:縫着グループでCMEが多く認められた。全てのCMEはジクロフェナック点眼とトリアムシノロンテノン嚢下注射で治癒した。
同時手術ではグラフト脱落が13%と高かった。
縫着した眼内レンズに偏位や傾きは認められなかった。
結論:縫着グループで乱視とCMEの発生率が高かった。
前房内に入れた空気は縫着した眼内レンズには影響しなかった。
縫着の同時手術と2ステップ手術と比べ、視力、ECD、
移植片生着率、合併症の発生率に相違はなかったので、
術者や施設環境により術式を選択するとよい。(CH)