Cataract surgery after deep anterior lamellar keratoplasty and penetrating keratoplasty in age- and disease-matched eyes
Seika Den, et al. (東京歯科大学市川総合病院)
J Cataract Refract Surg. 2018;44(4):496-503.
目的:DALK後の白内障手術の有効性と安全性を評価し、PKP後の結果とを比較検討した。
対象と方法:DALK30眼(角膜実質瘢痕22眼、格子状角膜変性2眼、円錐角膜2眼、ヘルペス性角膜炎4眼)、
PKP30眼。
白内障手術後の内皮細胞密度(ECD)、矯正視力(CDVA)、等価球面度数、および屈折値を2群間で比較した。
結果:両群とも白内障手術中に重大な合併症は起こらなかった。後嚢破裂はPKP群のみで4眼に生じた。
DALK群では、4眼でPEA中にDescemet膜が部分的に剥離した。しかし、すべて手術終了時まで自然に再付着していた。
移植片の透明性は同様に高かった。DALK群(90.0%)とPKP群(80.0%)(P = 0.47)。
両群とも早期のECD損失を認め、手術後1ヶ月で差はなかった。しかし、PKP群のECDは時間の経過とともに徐々に減少したが、DALK群のそれは変化しなかった(1年経過観察中)。 2群間のECD減少率の差は、6ヶ月および12ヶ月で統計的に有意であった。
平均視力は、DALK群では術前0.1±3.4から1ヶ月で0.5±1.7に、PKP群ではそれぞれ0.1±3.9から0.5±1.9に有意に改善した(いずれもP=0.001)。術後1年間、同様のレベルにとどまった。測定時間ごとの両群の差は統計的に有意ではなかった。
屈折率誤差はDALK群では3ヶ月目で±1.0D以内、±2.0D以内それぞれ51.7%(29/9)、79.3%(29/29)、PKP群では48.1%(27/13) 、77.8%(21/27)であり、両群間で統計的に有意ではなかった。結果は、手術後1ヶ月、6ヶ月、および12ヶ月で同様であった。
結論:白内障手術は、DALKまたはPKP後でも安全に行うことが出来た。また、良好な視力および屈折の結果を得た。白内障および角膜病変を併せ持ち、角膜内皮の損傷がない場合はDALKに続いて白内障手術を行うと、PKP後に白内障手術を行うより内皮損傷がより少なくなる。(CH)