Comparative evaluation of femtosecond laser-assisted cataract surgery and conventional phacoemulsification in eyes with a shallow anterior chamber
Viraj A. Vasavada, et al. (India)
J Cataract Refract Surg 2019(5); 45:547-552
目的:浅前房眼に対するフェムトセカンドレーザー白内障手術(FLACS)と従来の水晶体超音波乳化吸引術の術中、術後成績を比較する。
方法:浅前房眼(<2.5mm)で白内障手術を受ける患者を、FLACS(FLACS群)または従来の水晶体超音波乳化吸引術(Phaco群)を受けるように無作為に振り分けた。
患者を術後1日、1週間、1、3、6ヶ月後に追跡調査した。
中心角膜厚(CCT)、1週間後の角膜の透明度、前房細胞とフレア、角膜内皮細胞密度(ECD)、矯正していない遠見視力(UDVA)を比較検討した。
結果:FLACS群91眼、Phaco群91眼の全182眼。
術後1日および1週間で両群ともベースラインと比較してCCTが増加した。しか、平均CCTは、FLACS群と比較してPhaco群で有意に高かった(P <0.05)。 CCTは両群とも術後1ヶ月でベースライン時に戻った。(表3)
前房細胞とフレアは、術後1日、1週間で、白内障グレード2以上のFLACS群で有意に低い割合を示した。しかし術後1ヶ月で、両群とも検出可能な細胞またはフレアはなかった。(表4)
術前平均ECDは両群間で有意差はなかった。術後6か月までECDは両群で術前より低かった。術後6か月ECD減少率はFLACS群7.55%、Phaco群8.20%だった。両群間で有意差はなかった。(表5、6)
術前UDVAの平均値は、FLACS群0.67±0.05 logMAR、Phaco群0.72±0.67 logMARであり、群間で統計的な有意差はなかった(P = 0.56)(表7)。術後1週ではFLACS群0.18±0.31 logMAR、Phaco群0.27±0.65 logMARで有意差を認めた(P = 0.042)。しかし、その後は両群間で差はなかった。(表7)
結論:浅前房眼では従来の水晶体超音波乳化吸引術後の角膜浮腫および炎症の危険性が高い。
FLACSは特に術後早期の角膜浮腫および炎症の改善をもたらした。従来の白内障手術と同等の安全性と有効性を示した。(CH)