Effects of cataract surgery on blinking.
Talens-Estarelles C et al(Spain)
J Cataract Refract Surg 49(2): 177-183, 2023
・自発的な瞬目パターンと動態に対する角膜切開での白内障手術の影響を50名で検討した。
・超音波白内障手術前(V1)、手術1ヶ月後(V2)、3か月後(V3)に瞬目を視線追跡装置で90秒間測定した。
・瞬目比率、完全と不完全瞬目数、不完全瞬目の比率、瞬目パラメータとして大きさや時間、スピードについても検討した。
・瞬目比率はV3ではV1やV2に比較して有意に小さかった(p=0.03, p=0.001)。
・V3ではV1に比較すると、完全瞬目の数は有意に少なく(p=0.02)、不完全瞬目の比率は有意に高かったが(p=0.01)、V2とは有意差がなかった(P>0.05)。
・瞬目パラメータには有意差はみられなかった(p=0.12)。
・白内障手術時に角膜周辺部で放射状の実質内神経を切断すると、切開創から離れた部位でも角膜感度が低下し、術後、最低3か月は持続する。
・角膜感度と瞬目頻度は有意に関連しており、角膜神経支配が障害されると、保護的な瞬目反射が障害され、角膜乾燥のリスクが増す。
・瞬目の障害は、涙液排出にも影響し、涙液クリアランスが下がることにより結膜嚢に起炎物質が蓄積する可能性もある。
・眼表面の状況を検討する場合に、術後の瞬目についても考慮すべきである(TY)