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Journal of Cataract & Refractive Surgery

2022
48巻

白内障手術後の防腐剤を含まない非ステロイド性抗炎症点眼と防腐剤を含まないコルチコステロイド点眼の比較

Journal of Cataract & Refractive Surgery 48巻(6号)2022

Comparison of a preservative-free nonsteroidal anti-inflammatory drug and preservative-free corticosteroid after uneventful cataract surgery: multicenter, randomized, evaluator-blinded clinical trial
Seonjoo Kim, et al. (Korea)
J Cataract Refract Surg. 2022 Jun; 48(6): 710–716.
・目的: 白内障手術後の炎症管理における非ステロイド性点眼薬 (NSAIDs) とステロイド点眼薬の有効性を比較する。
・対象と方法:白内障手術患者 (グレード 3 ~4)125 人250 眼(平均年齢70.10±8.45歳)に対し、手術後に片眼にはブロムフェナクナトリウム0.1%点眼剤(NSAIDs群)を 1 日 2 回、もう片眼にはフルオロメトロン 0.1%点眼剤(ステロイド群)を 1 日 4 回点眼した。術後 1 週間での前房細胞およびフレア、術後4~8 週の前房炎症細胞とフレア、矯正遠見視力、角膜中心厚、結膜充血、ドライアイのパラメーター、網膜中心窩厚、眼と視覚の不快感が評価された。
・結果:1 週目での残留前房炎症は、グループ間で統計的に有意な差はなかった(NSAIDs群;-1.03 ± 1.27 対 ステロイド群;-0.95 ± 1.24、P = .4850)。
・しかし、NSAIDs群はステロイド群よりも早く結膜充血から回復した(0.30 ± 0.52 vs 0.44 ± 0.81、1週目でP = .0144)。
・NSAIDs群の角膜中心厚の増加は、術後 1 週間でステロイド群よりも少なかった (7.87 ± 22.46 対 29.47 ± 46.60 μm、P < .0001)。
・NSAIDs群における網膜中心窩厚の増加は、ステロイド群よりも有意に小さかった(18.11 ± 68.19 vs 22.25 ± 42.37 μm、P = .0002)。
・治療中、ステロイド群よりもNSAIDs群で、術後の眼および視覚の不快感のレベルが低いことがわかった。
・角膜染色、TBUT、遠見矯正視力、および後嚢混濁の発生率に関して、両群間に有意差はなかった。
・疼痛の発生率は、ステロイド群に比べて NSAIDs群で有意に少なかった (26.26% [26 眼] vs 35.35% [35 眼]。P = .0290)。投与期間中の薬物コンプライアンスは、ステロイド群よりも NSAIDs群の方が高かった (96.93 ± 11.23% vs 96.30 ± 11.34%; P < .0001)。
・副作用は、1人の患者の両眼ドライアイの悪化 (0.80%) が認められた。
・CMEはステロイド群で1例 (0.80%)認められた。
・結論:ブロムフェナク 0.1% 点眼剤は、フルオロメトロン 0.1% 点眼剤と同等レベルの抗炎症作用を有するが、白内障手術後の角結膜のさまざまな徴候や症状の改善に優れた効果があり、コンプライアンスも優れている簡単な白内障手術後の炎症治療である。(CH)

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