Light as a drug: prospective randomized evaluation and comparison of the effect of decreased illumination on visual recovery after cataract surgery
Eric D. Rosenberg, et al. (NY USA)
J Cataract Refract Surg 2024(5); 50:468–473
目的:従来のアナログ手術用顕微鏡による手術と3Dデジタルヘッズアップサージェリーシステムによる手術を比較して、照明の低下が術後の視力回復率および嚢胞様黄斑浮腫 (CME) の発生率に与える影響を検討する。
対処と方法:白内障手術を受ける患者を、(1) 標準的な手術用顕微鏡による手術(「従来グループ」) または (2) 同じ手術用顕微鏡に取り付けられた 3D デジタルヘッズアップサージェリーシステムによる手術 (「デジタルグループ」) のいずれかに無作為に割り付けた。各症例で、光強度、光照射時間、超音波乳化吸引装置による累積使用エネルギー値(Cumulative Dissipated Energy, CDE値)、フェムトセカンドレーザーの使用、術前の眼の状態、術中術後の合併症、術前および術後の視力、OCTで確認された CME について検討した。
結果: 全体214眼、平均年齢は 69.8 ± 9.0 歳。術後 CME は 13 眼(6.1% )で確認された。
従来グループ 118 眼とデジタル グループ96 眼では、術前の視力、光照射時間、CDE、またはフェムトセカンドレーザーの使用にはグループ間で差はなかった。デジタルグループで使用された光強度 19.5% ± 0.5% は、従来のグループ 48.6% ± 0.6% よりも大幅に低くなった(P <0.001)。術後裸眼視力(少数視力)はデジタルグループ0.60 ± 0.02に対し従来グループは0.51 ± 0.03で優位に改善していた(P =0.03)。
SD-OCT で CME が認められたのは、従来グループ 9.2% であったのに対し、デジタルグループでは2.1% だった (P =0.03)。
結論:3D デジタルヘッズアップサージェリーシステムは、従来のアナログ手術用顕微鏡に代わる安全な代替手段で、弱い光強度で同等の視覚化を可能にした。
また、合併症や手術時間の増加なしに、視力回復と CME 率が著しく改善した。(CH)