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Ophthalmology

2010
117巻

線維柱帯切除術の前処置としてのNSAIDとステロイド点眼薬の効果

Ophthalmology 117巻(7号)2010

Preoperative nonsteroidal anti-inflammatory drug or steroid and outcomes after trabeculectomy. A randomized controlled trial.
Breusegem C et al(Bergium)
Ophthalmology 117(7): 1324-30, 2010
・線維柱帯切除術の術前に、NSAID点眼あるいはステロイド点眼を使用することの効果を検討した。
・2005.7~2007.10の間に第1回目の手術として線維柱帯手術を行った54例を、NSAID群(0.5% Ketorolac)、ステロイド群(0.1% fluorometholone)、プラセボー群(人工涙液)に分けて検討した。
・手術の1か月前から、1日4回点眼し、術1,2日、1,2,4週、3,6,12,18,24月後に検討した。
・術前の投薬数は2.3±0.9、眼圧は21.0±6.0、術後眼圧は16.5±1.8、平均観察期間は23.6±4.0月。
・1年以内に濾泡再建が必要になったものは、プラセボー群では41%、NSAID群では6%、ステロイド群では5%(p=0.006)。
・1年以内に眼圧下降点眼薬が必要になったものは、プラセボー群では24%、NSAID群では18%、ステロイド群では0%(p=0.054, p=0.038:ステロイド群と他群)。
・ステロイド群では全観察期間で有意に点眼薬が少なかった(p=0.007)。
・術前1か月前からのNSAID点眼やステロイド点眼は術後の濾泡再建の必要性が有意に少なくなっていた。
・また、ステロイド群では他の群と比較して術後の点眼薬が有意に少なくて済んだ

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