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Ophthalmology

2012
119巻

線維柱帯切除手術後の篩板の前後移動

Ophthalmology 119巻(7号)2012

Reversal of lamina cribrosa displacement and thickness after trabeculectomy in glaucoma.
Lee EJ et al(Korea)
Ophthalmology 119(7): 1359-66, 2012
・35例35眼の線維柱帯切除術を受けたPOAGで検討した。
・10×15度の四角内の視神経乳頭部をEDI-OCTで術前、術後1週、1,3,6ヶ月目に測定した。
・視神経乳頭縁のブルッフ膜縁を結んだ線を基線とし、1)篩板前面まで、2)陥凹表面まで、3)篩板後面までの垂直距離の最大部とそこから100,200μm耳側部での距離を測定し、この3つの値の平均値を求めた。
・篩板前面までの距離(1)を篩板の偏位とし、陥凹表面から篩板前面までの距離(1-2)を篩板前組織厚、篩板前面から篩板後面までの距離(3-1)を篩板厚とした。
・手術6ヶ月後の眼圧は27.2±8.9(14-47)mmHgから10.5±3.4(6-12)mmHgに低下し、6ヶ月後の篩板偏位値は614.6±179.6から、503.9±142.7μmに減少した(p<0.001)。6ヶ月後の篩板前組織厚は95.8±41.0から101.7±42.1μmに増加(p<0.05)、篩板厚は169.4±24.7から204.8±26.4μmに増加(p<0.001)した。
・篩板の偏位量は若いほど強く(r2=0.513 p<0.001)、眼圧下降量%が大きいほど大きく(r2=0.150 p=0.022)、術前の篩板偏位値が大きいほど大きかった(r2=0.380 p<0.001)。
・篩板厚や篩板前組織厚には何も関連していなかった。

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