Quantitative computed tomographic predictors of compressive optic neuropathy in patients with thyroid orbitopathy
Ezekiel Weis et al (Alberta, Canada)
Ophthalmology 2012; 119: 2174-2178
・甲状腺機能異常による圧縮性視神経症(DON)において眼窩骨の幾何学と眼窩内容積との関係を評価する。
・甲状腺起因性眼窩症99人198眼全員に臨床検査と眼窩部CT、内容積の分析を実施。
・圧縮性視神経症が内直筋の体積(P=0.005)、外直筋の体積(P=0.011)、上方筋群の体積(P=0.04)、全直筋の体積(P=0.015)と関連があった。下直筋の体積(P=0.725)と眼窩容積(P=0.494)、骨の眼窩尖端部の角度(P=0.895)、眼球径、骨内壁の輪部(P=0.414)は関連無かった。内直筋の体積が唯一の独立した徴候と思われた(P=0.005)。
・内直筋の直径(P=0.003)、内直筋と外直筋の直径の組み合わせ(P=0.006)、全直筋の直径(P=0.016)が視神経症と関連があったが、外直筋(P=0.117)、上直筋(P=0.092)、下直筋(P=0.725)の直径は関係無かった。
・DONとは視神経自体の圧縮又は眼窩尖端部の軟組織の体積の増加による血流の圧縮、眼窩後方の圧の増加、又はまれに視神経の伸展が原因である。診断が困難で悪化してから発見されることもまれでない。臨床症状では、外眼筋の動きの極度の悪化、眼瞼下垂、神経周囲脂肪の消滅はDONが強く疑われる。今回、CT上AXIALスキャンで内直筋の体積と直径を測定することがDONの発見に重要であるとわかった。
・これは解剖学的に眼窩尖端部で視神経が眼窩内に入る時に内直筋のみと非常に接近することによると説明される。(YM)