眼科JOURNALトップ > Ophthalmology > 緑内障と網膜血管走行

Ophthalmology

2013
120巻

緑内障と網膜血管走行

Ophthalmology 120巻(1号)2013

Retinal vascular geometry and glaucoma: The Singapore Malay Eye Study.
Wu R et al(Singapore)
Ophthalmology 120(1): 77-83, 2013
・40-80歳のSingaporeに住むマレー人4168名の内、Singapore Malay Eye Studyに参加した3280名(78.7%)について検討した。
・2789名の内、4.4%にあたる123名(内87名がPOAG)が緑内障と診断された。
・デジタル眼底カメラ(画角45度のCanon CR-DGi、空間分解能3072×2048)で眼底を撮影し、Singapore I Vessel Assessment(SIVA)プログラムで解析した。
・解析部位は視神経乳頭縁から0.5-2.0 DD間である。
・解析は網膜血管の蛇行(蛇行度が小さいほど直線的)、網膜血管の分岐角度、網膜血管の分裂様相(複雑に分岐している程、値が大きくなる)を計算した。
・POAGとその他で比較すると、動脈蛇行度(x10^-4)はPOAG=1.79±1.46、他=3.00±1.43、静脈蛇行度はPOAG=2.85±2.29、他=4.62±2.38、静脈分岐角度はPOAG=76.5±12.4゚、他=79.7±10.2゚、分裂様相はPOAG=1.37±0.10、他=1.41±0.05であった。
・年齢と性別だけで調整したPOAGにおける減少率を計算すると、動脈蛇行度はOR=1.84(95%CI=1.46-2.32 p<0.001)、静脈蛇行度はOR=1.60(95%CI=1.30-1.98 p<0.001)、静脈分岐角度ではOR=1.23(95%CI=1.00- 1.50 p=0.048)、分裂様相ではOR=1.33(95%CI=1.03-1.72 p=0.028)であり、網膜血管形態は緑内障性の視神経症と相関していた。(TY)

過去のアーカイブ