眼科JOURNALトップ > Ophthalmology > 片眼特発性黄斑円孔患者の両眼の脈絡膜の厚さ

Ophthalmology

2012
119巻

片眼特発性黄斑円孔患者の両眼の脈絡膜の厚さ

Ophthalmology 119巻(11号)2012

Choroidal Thickness in Both Eyes of Patients with Unilateral Idiopathic Macular Hole
Zeng J et al. (China)
Ophthalmology 119:2328-2333,2012
・特発性黄斑円孔(IMH)眼と、その反対眼と、年齢や性別のマッチした健康な眼の脈絡膜厚を比較検討した。
・(1)IMH 50眼(男性13人、女性37人、平均年齢66.08歳)
      Stage2: 6眼、Stage3 : 5眼、Stage4: 39眼
(2)IMHの対眼48眼(2眼は弱視のため除外)
・(3)コントロール50眼(すべて右眼)
・OCTにより、図1に示されるポイントの脈絡膜の厚さ(RPEに対応している高反射する外側ラインから強膜の内側面まで)を測定した。また、黄斑円孔の突端と基礎径が測定された
・平均黄斑下脈絡膜厚(SFCT)(1)206±67.09μm(2)228.34±80.71μm(3)248.88±63.10μm
IMH目の平均の頂端と基礎径はそれぞれ、514.28±210.00μm、918.04±264.76μm
・SFCTは(1)は(3)より際立って薄かった。(P = 0.002)(2)は(3)より薄かったが統計学的有意差はなかった。(P = 0.177)、(1)は(2)よりどのポイントでも薄かったが、特に鼻側3mmのポイントで優位に薄かった。
IMHの突端と基礎径の大きさは脈絡膜厚と関係がなかった。
・脈絡膜の低還流と菲薄化がIMHが出来る前に起こるイベントの一つと考えられる。
この事が正しければ、薄い脈絡膜を持っている反対眼がIMHになりやすいかもしれないので経過観察が必要である。(CH)

過去のアーカイブ