The CD4/CD8 Ratio in Vitreous Fluid Is of High Diagnostic Value in Sarcoidosis
Kojima K, Maruyama K, et al.(京都府大)
Ophthalmology 119(11):2386–2392, 2012
・国際診断基準を満たした38例51眼の眼サルコイドーシス患者、非サルコイドーシスの対照群として26例27眼の他の原因のぶどう膜炎患者
・硝子体液を採取し細胞学的検査、PCR、フローサートメトリーを施行。末梢血を採取して同様に解析し比較
・硝子体液中のTリンパ球CD4/CD8比は対照群と比較し眼サルコイドーシス群で有意に高値【Fig.2A】
・眼サルコイドーシス群において、硝子体液のTリンパ球CD4/CD8比(平均40.7、95%CI 3.5-77.9)は末梢血のそれ(平均3.0、95%CI 2.5-3.5)と比べて有意に高値であった【Fig.2C】。非サルコイドーシス群では硝子体液と末梢血でのCD4/CD8比には有意差みられず【Fig.2D】。
・末梢血のTリンパ球CD4/CD8比は、眼サルコイドーシス群(平均3.0、95%CI 2.5-3.5)が非サルコイドーシス群(平均2.0、95%CI 1.5-2.5)より有意に高値であった【Fig.2B】。
・硝子体液中のTリンパ球CD4/CD8比増加(CD4/CD8 >3.5)の感度は100%、特異度は96.3% *気管支肺胞洗浄(BAL)液でのCD4/CD8 増加(>3.5)での感度は53%、特異度は94%
【結論】硝子体に浸潤したリンパ球のCD4/CD8比の増加(>3.5)は、肺サルコイドーシスにおけるBAL液中のCD4/CD8比増加と比較して、眼サルコイドーシスに対し高い診断的価値がある。さらには末梢血Tリンパ球のCD4/CD8比の高値は眼サルコイドーシスの臨床検査所見のひとつに違いない。細胞学的分析を用いた診断的硝子体切除は眼サルコイドーシスの有用な付加診断となりうる。(MK)