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Ophthalmology

2013
120巻

傍乳頭脈絡膜腔の病態

Ophthalmology 120巻(3号)2013

Characteristics of peripapillary choroidal cavitation detected by optical coherence tomography.
Yeh SI et al(Taiwan)
Ophthalmology 120(3): 544-552, 2013
・OCTで検出される傍乳頭脈絡膜腔(peripapillary choroidal cavitation:PCC)をもった83例122眼について検討した。
・41.8%が男性で、年齢は48.2±12.6歳、logMARは0.23±0.43(小数点視力:0.59)、平均屈折度は-9.03±5.11D、平均眼軸長は27.36±2.09mmであり、40眼(32.8%)は眼軸長が26.5mm未満(25.11±1.07mm 22.51-26.42)であった。
・屈折度でみると、90眼(73.8%)は-6.0D以上の高度近視(年齢45.8±11.1)、24眼(19.7%)は-6.0D未満の軽度近視(年齢51.6±13.9)、5眼(4.1%)は±1.0D以内の正視(年齢59.2±12.2)、3眼(2.6%)は+1.0D未満の遠視(年齢65.0±8.0)であった。
・軽度近視から遠視のPPC患者では高度近視患者のPPC患者よりも有意に高齢であった(p<0.05)。
・PCC患者の57眼(46.7%)では眼底検査で橙黄色の境界鮮明な限局性の病巣がみられた。
・陥凹のある近視性コーヌスのあった14/53眼(26.4%)で開口のあるPCCがみられ、陥凹のある近視性コーヌスのみられなかった5/69眼(7.2%)で開口のあるPCCがみられた。
・PCCは稀な状態ではなく、また、高度近視に特異的ではなく、橙黄色病変が必須でないことも分かり、PCCは老化の一種である可能性が考えられた。

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