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Ophthalmology

2013
120巻

慢性C型肝炎患者の前房フレアと脈絡膜厚

Ophthalmology 120巻(11号)2013

Aqueous Flare and Choroidal Thickness in Patients with Chronic Hepatitis C Virus Infection
A Pilot Study
Strobbe E, et al.(Italy)
Ophthalmology 120(11):2258-2263, 2013
【目的】無症状のHCV陽性患者の血液-前房関門と中心窩下脈絡膜厚(SCT)を評価
【対象と方法】20名のHCV陽性患者(男女比12:8、平均46.9歳)と20名の健常コントロール(男女比10:10、平均48.2歳)。眼科的検査、レーザーフレアセルメーター(FC-500、Kowa社)を用いた前房フレア値、SD-OCT(Spectralis、Heidelberg社)のenhance depth imagingを用いたSCTを測定。
【結果】コントロール群と比べ、HCV陽性患者は前房フレア値の有意な高値(P<0.0001)とSCTの有意な増加(P<0.0001)を示した【Tab.1】
サブ解析にて、肝線維症がみられる患者は、それのみられない患者に比べて前房フレア値およびSCTが有意に増加していた【Tab.2】。
HCV陽性患者においては、前房フレア値とSCTとの間、および前房フレア値と肝線維症との間に有意な相関がみられた【Fig.2】。
【結論】血液-前房関門の破綻と脈絡膜の肥厚が無徴候のHCV陽性患者の特徴としてみられた。脈絡膜の肥厚はサブクリニカルな前房内炎症の程度と相関した。前房フレアと脈絡膜厚は肝線維症のみられる患者で最も高値であった。(MK)

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