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Ophthalmology

2014
121巻

フルオロキノロン経口薬と裂孔原性網膜剥離・症候性網膜裂孔の頻度(JAMA 2012;307:1414-1419の反対意見)

Ophthalmology 121巻(6号)2014

Oral Fluoroquinolones and the Incidence of Rhegmatogenous Retinal Detachment and Symptomatic Retinal Breaks: A Population-Based Study
Kapil G. Kapoor, Andrew J. Barkmeier, et al. (US-MN)
Ophthalmology 121(6): 1269-1273,  2014
【目的】フルオロキノロンの経口薬が裂孔原性網膜剥離・症候性網膜裂孔の頻度上昇に関連するか、population-based cohortで調査
【対象と方法】症例:2003年1月-2011年7月にかけてミネソタ州オルムステッドでフルオロキノロン(F群)経口薬を投与された成人患者。対照:同じ期間内にマクロライド(M群)およびβラクタム(β群)の経口薬を投与された患者。Procedure codeにて網膜剥離の治療または予防治療を抽出し経口薬投与後7, 30, 90, 365日以内の頻度を調査。
【結果】F群38,046名、M群48,074名、β群69,079名。
投与365日以内の網膜剥離手術;F群0.03% (95%CI:0.01-0.06)、M群0.02% (95%CI:0.01-0.03)、β群0.03% (95%CI:0.02-0.05)で有意差みられず (p>0.05)。
投与365日以内の症候性網膜裂孔に対する網膜剥離の予防手術;F群0.01% (95%CI:0.00-0.03)、M群0.02% (95%CI:0.01-0.04)、β群0.02% (95%CI:0.01-0.04)でこれも有意差みられず (p>0.05)。
投与後7, 30, 90日後の調査でも群間に有意差みられなかった【Tab.2】。
調査期間でのフルオロキノロン投与後の網膜剥離手術頻度はオルムステッドの過去 (1976-1995)の網膜剥離手術頻度と有意差がみられなかった(10万人年あたり36.8名vs 28.8名、p=0.35)。
【結論】今回の集団調査では経口フルオロキノロン投与は裂孔原性網膜剥離および症候性網膜裂孔のリスク増加と関連しなかった。(MK)

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