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Ophthalmology

2016
123巻

アイケアホームスタディ

Ophthalmology 123巻(8号)2016

The Icare HOME (TA022) Study
Performance of an Intraocular Pressure Measuring Device for Self-Tonometry by Glaucoma Patients
LI Mudie et al (USA, MD)
Ophthalmology 123(8) :1675-1684, 2016
手持ち自己眼圧測定器Icare HOMEとスタンダードなIcare(TA01i)とGATとで比較
Wilmer Eye Institute で2014.7月~2015.4月にリクルートされた緑内障患者
各患者1眼:過去の記録で眼圧が高い方の目 両眼同じであれば封筒を用いてランダムに選択
<除外基準>
観血的な緑内障手術、2か月以内の白内障手術、LASIKや角膜の手術歴
ドライアイ患者
Fuchs dystrophyやKeratoconusなどの角膜変性疾患
重篤な関節炎やパーキンソン病や他の動作制限により自己測定が難しい
中心角膜厚が500未満と600を超えるもの
<方法>
最初に15-20分の取扱いの標準的なトレーニングを実施し、3回の自己測定と1回のGAT測定を行って自己測定が可能かどうかの認定を行う
スタディを行う前に装置を正しく使えるか(セットアップやトラブルシューティングも)、患者に実施させて確認
3回のIcare HOMEを実施し3回の測定幅が7mmHg以内であり、GATとの誤差が5mmHgであれば、Certificationが得られる
その後10分間の休憩をはさんだのちに、3回の自己眼圧測定を行う
比較機器:GATはスタディ前にZurichでキャリブレーションを行い、キャリブレーションチェックは測定日毎回実施 Icare HOMEとIcare TA01iのキャリブレーションはFinlandで行われており、それ以上のキャリブレーションは必要ない
Icare TA01iで3回測定 GATは2回測定 10~20mmHgにランダムにセットされたダイアルを検者に見えないようにして測定し、記録係が記録 2回のGATの測定が2mmHg以上ずれた場合は再測定
その他、角膜の染色、測定における自覚症状を検査
<結果>
リクルートされた189眼のうち、18眼は不適格者であった                             → 171眼
171眼のうち 44眼(25%)はスタディを実施できなかった
7眼                    時間制限で不可                                                         → 164眼
10眼(6%)               器械を正しく使う認定が下りず                              → 154眼
27眼(16%)              GATとの誤差が5mmHg以内にならず    → 127眼
スタディを実施できた127眼のうち80%は右利きだったが影響なし
127眼の初回Icare Home測定
116眼でGATとの誤差が5mmHgであったが、2眼(1.6%)で7mmHgを超えた:平均差-0.33mmHg
121眼でTA01iとの誤差が5mmHgであったが、1眼(0.8%)で7mmHgを超えた:平均差0.30mmHg
異なる眼圧レンジでGATとの比較
6-16mmHgの範囲では1眼/60眼(1.7%)で7.5mmHg以上Icare HOMEは過小評価を
23mmHg以上の範囲では1眼/67眼(1.5%)で7.5mmHg以上過大評価をしていた
IOPと屈折値との相関は認めなかったが、K値とCCTは相関関係を認めた
3回の測定での信頼性も高い
今回のスタディでは患者の制限があるので実臨床とは異なる
操作方法の指導後に、目の前で正しく使えるかどうか確認する必要はあるが、正しく使うことができれば安全性が高いため自宅での頻回の測定も可能となり有用な方法となりうる(MM)

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