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Ophthalmology

2016
123巻

DMEK ステロイド点眼を中止した後の拒絶反応発症のリスク

Ophthalmology 123巻(6号)2016

Descemet’s Membrane Endothelial Keratoplasty
Risk of Immunologic Rejection Episodes after Discontinuing Topical Corticosteroids
Marianne O. Price, et al. (Indiana, U.S)
Ophthalmology 2016(6);123:1232-1236
目的:DMEK後1年の時点でステロイド点眼を中止した症例と1日1回のステロイド点眼を継続した症例で拒絶反応発生率の違いを検討した。
対象と方法:DMEK後1年経過観察できた259人400眼、平均年齢67歳
症例のほとんどがフックス角膜変性症だった。
術後1年の時点で全例ステロイド点眼は1日1回点眼していた。
術後2年目、ステロイド点眼中止グループ277眼(ECD 2080±439 cells/mm2)、1日1回点眼継続グループ123眼(ECD 1967±465 cells/mm2
研究開始後、1〜2が月で弱いステロイドに切り替えていった。0.1%フルオメソロン点眼または0.5%ロテプレドノール点眼を使用。
結果:14眼で拒絶反応を認めた。全て中止グループだった。
11眼は自覚症状がなく、定期診察時に判明した。
治療はステロイド点眼で、1%プレドニゾロン点眼1時間毎から0.1%フルオメソロン点眼1日4回までいろいろ。
1例のみ再移植が必要となった。
角膜内皮細胞損失率は中止グループ 5.6±12%、継続グループ 6.4±14%で有意差はなかった。
中止グループで、細胞損失率は拒絶症例 1O±19%、拒絶無し症例 6.3± 14%だった。
中止グループの17眼でステロイド点眼中止後眼圧が下がった。
結論:DMEK後2年目にステロイド点眼を中止する事により、6%の確率で拒絶反応が起こった。それに対し、1日1日1回のステロイド点眼を継続した場合は拒絶反応が起きなかった。眼圧に問題がなければ、弱いステロイドでいいので続けたほうが良い。(CH)

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