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Ophthalmology

2017
124巻

DMEK後の免疫反応と臨床経過

Ophthalmology 124巻(4号)2017

 Incidence and Clinical Course of Immune Reactions after Descemet Membrane Endothelial Keratoplasty
Retrospective Analysis of 1000 Consecutive Eyes
Deniz Hos, et al. (Germany)
Ophthalmology 2017(4);124:512-518
目的:多数のDMEK後の拒絶反応の発生率と臨床経過について調査した。
対象と方法:2011年1月から2015年8月までの連続1000例のDMEK症例の術後経過を検討した。(フックス角膜内皮変性症803眼、偽水晶体眼水疱性角膜症85眼、先天性遺伝性角膜ジストロフィー28眼、PE 5眼、DMEK、DSAEK、PK後の移植不全または拒絶反応 79眼)
白内障のある症例は同時手術を行った。DMEK単独632例、同時手術368例
術後のステロイド点眼(1%プレドニゾロン)は、2014年4月以前は術後1週間1日5回、その後1ヶ月毎に1回ずつ減らし、術後1年まで1日1回使用した。
2014年4月以後は、術後1週間は1時間毎、その後1日5回から1ヶ月毎に1回ずつ減らし、術後1年まで1日1回使用した。
結果:1000眼中経過観察できたのは905眼、平均経過観察期間 18.5±11.8ヶ月。
拒絶反応が起きたのは12眼(DMEK単独6例、同時手術6例)。
12眼中9眼がステロイド点眼を中止していた。5眼は霧視、羞明、不快感などの症状があった。検眼所見ではdiffuseなKPを認めた。DMEKから拒絶反応までの平均期間11.7ヶ月。
2眼が移植片不全になった。
拒絶反応が起きたらステロイド点眼を30分毎3日間、1時間毎1週間、1日6回1週間、その後1週間毎に1回ずつ減らし、その後1年後まで1日1回使用した。
視力 拒絶反応前0.27 ±0.28 logMAR、拒絶反応後0.21 ±0.15 logMARと大きな変化はなかった。
ECD 拒絶反応前1741 ±274.5 cells/ mm2、拒絶反応3ヶ月後1356±380.3 cells/mm2 [P = 0.04] 、1年後 1290±359.0 cells/mm2 [P = 0.01]と有意に減少した。
結論:DMEKは拒絶反応のリスクは低い。さらに再移植の必要性も低い。
拒絶反応後、ステロイド点眼治療を強化することで視力は安定するが、ECDは減少した。DMEK後はステロイド点眼の長期間使用する事が望ましい。(CH)

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