Alcohol, Intraocular Pressure, and Open-Angle Glaucoma
A Systematic Review and Meta-analysis
Kelsey V. Stuart et al. Ophthalmology 129(9): 637-452, 2022
・アルコールの眼に対する急性の効果としては、一過性で一見容量依存的な眼圧低下があり、視神経乳頭血流の増加があり、理論的には緑内障に対する保護的な作用がある。しかし慢性的なアルコール摂取は神経変性疾患、新血管障害、内分泌疾患、全身の生化学および生理学的障害と関係し、これらの緑内障に対する長期的あるいは間接的な影響は不明である。・PubMed, Embase, Scopus 3つのデータベースから2人のレビューワーが調査
・34件のスタディ(アウトカム:眼圧 8件、OAG 24件、眼圧とOAG 2件)があり、10のスタディで絶対的な習慣的なeffect sizeは小さいもののアルコール摂取と21mmHg以上の高眼圧との関連を示唆していた。
・173058名の参加者を含む26件のスタディのうち11件がOAGとの関連を調査しており、meta-analysisの基準を満たしていた。
・アルコールと眼圧:わずかな正の関連あるいは全く関連性がなかった。
・アルコールとOAG:それぞれの研究のほとんどで関連性がないとの結果だが、メタアナライシスを行った場合には正の相関が示唆された(1.18;95%CI 1.02-1.36;P=0.03)
・OAGの有病率と発生率において同様の推定が示された。
・ただし各研究の方法論的な不均一、バイアスリスクなどから全体的なエビデンスの確実性は非常に低かった。
・アルコールの直接的なOAGリスクのメカニズムは不明だが、慢性的なアルコール摂取は末梢神経障害を引き起こす可能性があり、フリーラジカルによる酸化ストレス、交感神経系や視床下部-下垂体-副腎系への影響、直接的な毒性や炎症誘発物質が影響している可能性があるので、アルコール消費は緑内障発症に関する潜在的な修正可能な危険因子と考えるべきである。(MM)