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Ophthalmology

2024
131巻

緑内障手術後の眼内炎のリスク

Ophthalmology 131巻(2号)2024

Early endophthalmitis incidence and risk factors after glaucoma surgery in the Medicare population from 2016 to 2019.
Sabharwal J et al(MD USA)
Ophthalmology 131(2): 179-187, 2024
・Medicareの65歳以上の患者で、2016-2019にかけて、緑内障手術、白内障手術、あるいは、緑内障+白内障同時手術を受けた症例で、42日以内に眼内炎を発症した症例を対象とした。
・緑内障手術を受けた症例は466,928例(うち、白内障同時手術310,823例66.6%)あり、白内障単独手術を受けた8,460,360例を対照として検討した。
・緑内障手術はMIGSが67.8%、線維柱帯切除が14.0%、チューブシャント手術が10.9%、その他が7.3%である。
・全緑内障手術眼のうち、572例(0.123%)で眼内炎が発症していた。
・眼内炎の発症は1000例中、緑内障手術は1.5例(95%CI=1.3-1.7)、同時手術は1.1例(95%CI=1.0-1.2)、白内障単独手術は0.8例(95%CI=0.8-0.8)であった。
・眼内炎診断がついた中間値は緑内障手術では16.5日で、同時手術、白内障単独手術の8日、6日に比して遅かった。
・緑内障手術の中では、MIGSと比較して、眼内炎のリスクが有意に高かったのはチューブシャント手術で、単独手術では調整OR(aOR)=1.8(p=0.002)、同時手術ではaOR=1.8(p=0.047)であった。
・また、同時手術では、年齢 aOD=1.03 (p=0.004)、男性 aOR=1.46 (p=0.001)で、眼内炎のリスクが高かった。(TY)

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