Reduction in Intraocular Pressure after Cataract Extraction: The Ocular Hypertension Treatment Study
Steven L. Mansberger et al (Oregon, USA)
Ophthalmology 2012; 119: 1826-1831
・高眼圧治療中で少なくとも片眼白内障手術を受けた42名(63眼)と、受けていない743名(743眼)を比較
・白内障群は術前(23.9±3.2㎜Hg)と術後(19.8±3.2㎜Hg)と明らかに減少し(P<0.001)、少なくとも36ヶ月間は続いた。術前から術後へは平均16.5%の減少となった。対照群では白内障群手術日より前で23.8±3.6㎜Hg、後で23.4±3.9㎜Hg。
・白内障手術は、高眼圧の患者の眼圧を長期減少させる。仮説として①前房の形態が眼圧に影響する。浅前房では開放隅角よりも術後眼圧が下降する ②IOL移植する白内障手術では、機械的な緊張で線維柱帯が広がり、房水流出抵抗が低下する。(YM)
Quantification of Retinal Tangential Movement in Epiretinal Membranes
Mads Kofod et al (Copenhagen, Denmark)
Ophthalmology 2012; 119: 1886-1891
・ERMのある眼で網膜血管の動きを定量化する技術を述べる。また、網膜血管の動きを、矯正視力、中心黄斑部の厚さ(CMT)、患者の主観的な特徴と関連づける。
・113名206眼、ERMのある142眼と異常の無い他眼64眼。全員ハイデルベルグOCTを2回以上施行。黄斑部を9分割し、網膜血管の動きを計算した。9つのベクトルの長さを計算して、網膜の動き(RTM)とした。
・ERM眼ではRTMが正常眼より明らかに大きかった(P<0.001)。ERMの中でも症状の悪化する患者は不変の患者よりも明らかに大きかった。RTMが増加すれば視力は低下し(P=0.024)、CMTは増加した(P<0.001)。
・今回の研究で明らかなのは、ERMは静止せず動きがあること。たとえ視力とCMTが変わらなくても、網膜血管が動くといずれ視力は悪化し、CMTは増加し、自覚症状が悪化する。仮説として、これらの患者には網膜に継続して動きがあり、中心錐体がわずかに移動する。これが定着しづらく、ゆがみをひき起こすのであろう。(YM)
Ocular Adverse Events of Systemic Inhibitors of the Epidermal Growth Factor Receptor: Report of 5 Cases
Saint-Jean A, Molina-Prat N, et al.(Spain)
Ophthalmology 119:1798–1802, 2012
・上皮成長因子受容体(Epidermal growth factor receptor;EGFR)阻害剤の全身投与を受けていた患者5例10眼、眼の有害事象の報告
・4例は末期肺癌に対しerlotinib(タルセバ®、Tarceva®)投与、1例は末期大腸癌に対しpanitumumab(ベクチビックス®、Vectibix®)投与
・10眼すべてで多発性の角膜上皮欠損がみられ、2例3眼で角膜の融解と菲薄化がみられた。1例2眼で下眼瞼の外反がみられた。2例2眼で角膜穿孔を来たし全層角膜移植を要した。
【結論】EGFR阻害剤であるpanitumumabとerlotonibの投与と関連して、角膜穿孔を含む重篤な眼合併症がみられた。(MK)
Incidence of endophthalmitis and use of antibiotic prophylaxis after intravitreal injections.
Cheung CSY et al(Canada)
Ophthalmology 119(8): 1609-1614, 2012
・2005年から2010年にかけて、2465名に対して、15,895回の硝子体内注射(ranibizumab:9453、bevacizumab:5386、TA:935、pegaptanib:121)を行った。
・注射後の抗生剤の使用法は、Group(1)注射後5日間使用、G(2)注射後のみ使用、G(3)使用せずの3通りである。9眼で眼内炎が疑われ、3眼で培養陽性であった。
・グループ毎にみると、G(1)では5/8259眼、G(2)では2/2370眼、G(3)では2/5266眼であった。
・ただし、培養陽性の3例だけでみると、G(1)が1眼、G(2)が0眼、G(3)が2眼、培養陰性の6眼では、G(1)が4眼、G(2)が2眼、G(3)が0眼であり、抗生剤使用群で少なかった。
・注射薬剤では、TAの率が2/935眼で、ranibizumabが3/9453眼、bevacizumabが4/5386に比較して、多かった。
・結果だけからみると、抗生剤使用群で、非使用群より眼内炎の率は高く、使用する必要はないようにも思われる。
Risk of Corticosteroid-Induced Hyperglycemia Requiring Medical Therapy among Patients with Inflammatory Eye Diseases
Joshua D. Udoetuk et al (USA)
Ophthalmology 2012; 119: 1569-1574
・ステロイド内服治療を受けた非糖尿病患者2073人中25人(1.21%)は降血糖治療を開始し、ステロイド内服治療を受けない2666人中5人(0.19%)と比較した。
・眼炎症性疾患のために投与されたコルチコステロイド起因性の高血糖で、血糖降下治療をする危険は低いが、ステロイドを使用していない患者よりも危険性は4.4倍になる。高齢者とアフリカ系アメリカ人も危険因子である。眼炎症疾患にステロイド全身投与する医師は、この危険を把握すべきである。高危険度の患者には注意を要するが、低危険度ということより、定期的な検査までは必要ないかもしれない。(YM)
Prevalence of and Racial Differences in Pterygium :A Multiethnic Population Study in Asians
Marcus Ang et al (Singapore)
Ophthalmology 2012 ;119 :1509 -1515
・同じ気候・環境に暮らすシンガポールのマレー系、インド系、中華系の40才以上でアジアの多民族の翼状片の流行と危険因子を調べ、人種間の相違を検討する。
・翼状片の原因としては、加齢、男性、マレー系(P<0.001)、低教育(P<0.001)、喫煙、収縮期高血圧。重症度の原因としては、人種よりも、屋外労働(P=0.02)であり、飲酒、DM、高脂血症、眼外傷などはあまり関係なかった。(YM)
Risk Factors for Moderate and Severe Microbial Keratitis in Daily Wear Contact Lens Users
Fiona Stapleton et al (Australia)
Ophthalmology 2012 ;119 :1516-1521
・12ヶ月間に毎日コンタクトレンズを装用する人で中等度から重度の病原菌性角膜炎の患者90例を調査した。細菌検査を行った63例のうち41例(65%)で培養陽性。グラム陰性細菌・真菌・アカントアメーバで41例中の32例が重症。
・危険因子としては、時折一昼夜装用してしまうこと、保存容器の消毒不足、喫煙、保存液の性質が関係し、コンタクトレンズの材質、年令、性別は無関係。容器の消毒不足は50%に発生し、コンタクトレンズ装用者への教育が最も重要であると思われた。(YM)
Visual symptoms and ertinal straylight after laser peripheral iridotomy. The Zhongshan Angle-Closure Prevention Trial.
Congdon N et al(China)
Ophthalmology 119(7): 1375-82, 2012
・レーザー周辺虹彩切開(LPI)の光の前方散乱や主観的な症状について、50歳以上70歳以下の両眼の狭隅角眼で、ランダムに選択した片眼のみLPIを施行した230例で検討した。
・LPI施行18ヶ月後に、LPIの大きさ、位置を確認する為に写真撮影を行い、水晶体混濁度、網膜散乱光をOCULUS C-Quant(フリッカー光を使用して測定)で測定し、質問用紙(NEI Refractive Error Quality of Life Instrument)に回答して貰った。
・230眼のLPI位置は、121眼でLPIは上眼瞼で完全に隠れ、43眼で不完全だが隠れ、53眼では露出していた。
・全てのテストができたのはLPI眼では217/230(94.3%)、正常コントロール者では250/268(93.3%)であった。
・視力や散乱光スコア、主観的なグレアはLPI眼と他眼では、LPI部が上眼瞼で隠れている、いないにかかわらず、有意差がなかった。
・唯一、皮質白内障が強いと散乱光スコアが上昇していた(p=0.01)。
Reversal of lamina cribrosa displacement and thickness after trabeculectomy in glaucoma.
Lee EJ et al(Korea)
Ophthalmology 119(7): 1359-66, 2012
・35例35眼の線維柱帯切除術を受けたPOAGで検討した。
・10×15度の四角内の視神経乳頭部をEDI-OCTで術前、術後1週、1,3,6ヶ月目に測定した。
・視神経乳頭縁のブルッフ膜縁を結んだ線を基線とし、1)篩板前面まで、2)陥凹表面まで、3)篩板後面までの垂直距離の最大部とそこから100,200μm耳側部での距離を測定し、この3つの値の平均値を求めた。
・篩板前面までの距離(1)を篩板の偏位とし、陥凹表面から篩板前面までの距離(1-2)を篩板前組織厚、篩板前面から篩板後面までの距離(3-1)を篩板厚とした。
・手術6ヶ月後の眼圧は27.2±8.9(14-47)mmHgから10.5±3.4(6-12)mmHgに低下し、6ヶ月後の篩板偏位値は614.6±179.6から、503.9±142.7μmに減少した(p<0.001)。6ヶ月後の篩板前組織厚は95.8±41.0から101.7±42.1μmに増加(p<0.05)、篩板厚は169.4±24.7から204.8±26.4μmに増加(p<0.001)した。
・篩板の偏位量は若いほど強く(r2=0.513 p<0.001)、眼圧下降量%が大きいほど大きく(r2=0.150 p=0.022)、術前の篩板偏位値が大きいほど大きかった(r2=0.380 p<0.001)。
・篩板厚や篩板前組織厚には何も関連していなかった。
Fear of Falling and Visual Field Loss from Glaucoma
Ramulu PY(USA)
Ophthalmology 119:1352-1358,2012
・緑内障からの視野狭窄が転倒するという恐怖の増大と結びつけられるか検討した
・緑内障患者群83人(平均年齢69.5歳、平均MD値-8.0dB)
コントロール群60人(平均年齢70.4歳、平均MD値+0.2dB)
人種、年齢、BMI、性別、その他の疾患に相違はなかった。
・転倒するという恐れの評価はthe University of Illinois at Chicago Fear of Falling Questionnaireでスコア化した。スコアが低いほど能力が低く、転倒の恐怖感が大きい事を示した。
・緑内障と転倒の恐怖感の増大は有意に関連していた。(β=-1.20)
・視野損失の重症度が高くなるにつれ、この関連性は増強した。(平均MD値が5dB低下するごとにβ=0.52)
・転倒の恐怖感は、緑内障とQOL低下を関連付ける重要な因子である可能性がある。転倒の恐怖感への対処方法を開発し実施する事がよいケアにつながる。(CH)
A Novel Noninvasive Detection Method for Retinal Nonperfusion Using Confocal Red-free Imaging
Shin YU, MD, Lee BR, et al.(Korea)
Ophthalmology 119(7):1447–1454, 2012
・44例54眼、FAにて無血管野が明らかにされた糖尿病網膜症(DR)または網膜静脈閉塞(RVO)の患者
・共焦点スキャニングレーザー検眼鏡(cSLO)のレッドフリー画像を取得しFAと比較
・cSLOのレッドフリー画像;F-10(ニデック)、490μmのブルーリフレクタンス
・DR・RVOともにFAと共焦点レッドフリー画像における無血管野の範囲は高い相関(r>0.9)を示した
ふたつの方法(サイズ比較、overlapping 比較)でも信憑性が示された
【結論】網膜の無血管野を区分するのに共焦点レッドフリー画像はシンプルで信憑性があり安全で非侵襲的な方法である。(MK)
Photodynamic Therapy for Choroidal Metastasis in 8 Cases
Kaliki S et al. (USA)
Ophthalmology 119:1218-1222,2012
・脈絡膜転移の治療で光線力学療法(PDT)の有効性を決定すること。
・2001年1月1日から2011年6月1日の間のウィルアイ研究所で治療された8人8眼の9個の腫瘍
・原発腫瘍診断時平均年齢は58歳、脈絡膜転移診断時平均年齢は65歳、原発腫瘍の発見と脈絡膜転移の平均間隔は84カ月。
平均腫瘍径は7mm、平均腫瘍の厚さは2.9mm
9個すべての腫瘍に網膜下液を認めた。
・PDT後、7個の腫瘍(78%)で網膜下液の完全な消失が達成されました。平均腫瘍の厚さは39%減少した。平均腫瘍径は変化がなかった。
・2つの腫瘍がPDTに反応しなかった。それらにはプラーク放射線療法施行した。
・視力の改良あるいは安定化が7眼で達成されました。
・光線力学療法関連の合併症が1眼で網膜内出血が認められた。
・光線力学療法は脈絡叢転移の治療のために有効な選択肢である。(CH)
Oral alcohol administration disturbs tear film and ocular surface.
Kim JH et al(Korea)
Ophthalmology 119(5): 965-71, 2012
・アルコール摂取が涙液層や眼表面を障害するかどうかを検討した。
・10名でアルコールを0.75g/Kgを20時から2時間で摂取し、10名のコントロールと比較した。
・涙液フィルムと眼表面を摂取前の18時、深夜0時、起床直後の6時、8時に、涙液の浸透圧、血清と涙液内のエタノール濃度、シルマーテスト、涙液BUT、角膜点状糜爛、角膜感度を測定した。
・深夜0時には涙液、血清中にエタノールが検出されたが、翌朝には検出されなかった。
・摂取群で涙液浸透圧は、深夜0時、6時、8時のいずれでも、有意に高かった(p<0.05)。
・シルマーテストや角膜知覚では全ての時間で有意差はなかったが、涙液BUTは摂取群で全時間で有意に短かった(0時6.7±1.1:10.9±1.7、6時6.6±1.1:11.1±1.5、8時7.9±2.1:11.5±1.3秒)。
・フルオレセイン染色スコア(0-3)は、摂取群で0時には有意差がなかったが、翌朝有意に高かった(6時3.2±1.9:0.4±0.5、8時1.8±0.6:0.3±0.5)。
・摂取したエタノールは涙液に分泌され、涙液の浸透圧を上げ、涙液BUTを短縮させ、眼球表面疾患を誘発するだろう。
Early experience with the Femotosecond Laser for cataract surgery.
Bali SJ et al(Australia)
Ophthalmology 119(5): 891-9, 2012
・Femotosecond laser白内障手術の術中合併症とその学習曲線について、6例の術者による最初の200例について、施行時期順に50例毎に4群に分けて検討した。
・前嚢切開、水晶体分割、角膜切開をレーザーで行い、その後、超音波乳化吸引、眼内レンズ移植を行った。
・重大な合併症は、後嚢破損7例3.5%、核落下4例2%であった。
・最初の100例では、以前にレーザーを扱った経験のある術者は合併症が有意に少なかったが(p<0.001)、101例以降では有意差がみられなかった。
Comparison of limbus-based and fornix-based trabeculectomy: success, bleb-related complications, and bleb morphology.
Solus JF(ML USA)
Ophthalmology 119(4): 703-11, 2012
・最初の4年間で行った輪部base切開と、その後の4年間で行った円蓋base切開を行った、347例439眼を検討した。
・いずれも、術後4年間について検討。
・眼圧下降効果については、両者間に有意差はなかった。
・濾過胞形成は、輪部baseで大きなものが多く(54% vs 29% OR=2.97 1.94-4.55 p<0.0001)、無血管性のものが多かった(50% vs 15% OR=5.44 3.34-8.84 p<0.0001)。
・4年間でいずれも4%で濾過胞晩期漏出があったが、輪部baseの方が有意に発生が遅かった(2.1 vs 1.0年 p=0.002)。
・術後6週以降の晩期濾過胞感染は、輪部baseの方がやや有意に多かった(4.1 vs 0.9% p=0.054)。
・年毎の発症率は輪部baseが有意に遅かった(1.79 vs 1.20/years p=0.03)。
・症状のある低眼圧症は、円蓋baseの方が有意に多かった(17.2 vs 10.6 p=0.01)。
・術後の白内障手術までの期間は、円蓋baseの方が有意に早かった(1.05 vs 2.14年 p=0.002)。
A twenty-years follow-up study of trabeculectomy: risk factors and outcomes.
Landers J et al(UK)
Ophthalmology 119(4): 694-702, 2012
・234例330眼の線維柱帯切除術後の経過について検討した。
・結果は、完全成功:点眼薬なしで眼圧が21未満、条件付き成功:点眼薬で眼圧が21未満、機能的成功:失明(視力0.05未満、視野10度未満)に至らなかったもの、とした。
・20年後は57%が完全成功、88%が条件付き成功、15%が失明であった。
・失敗のリスクは、40歳未満1とすると、49-59:0.04(95%CI=0.003-0.4 p<0.01)、60以上;0.01(0.001-0.2 p<0.001)で、若いほど高く、POAG,NTGを1とすると、ぶどう膜炎からの緑内障が9.8(1.3-77.3 p<0.05)であった。
・失明のリスクは、POAG,NTGを1とすると、僞落屑症候群は4.4(1.8-10.4 p<0.001)、無水晶体眼は5.2(1.6-16.5 p<0.01)であった。生命表分析でも明らかであった。
An outbreak of acute post-cataract surgery pseudomonas sp. endophthalmitis caused by contaminated hydrophilic intraocular lens solution.
Ramappa M et al(India)
Ophthalmology 119(3): 564-70, 2012
・南インドの3次医療機関で、2010/9/6-29に発生した急性術後眼内炎の11例について検討した。
・前房硝子体サンプルから11眼中8眼でグラム陰性桿菌が検出され、11眼中5眼は緑膿菌であった。
・11例中8例では視力も0.4以上に改善した。1眼は網膜剥離を発症し、2眼は眼球癆となった。
Immediate changes in intraocular pressure after laser peripheral iridotomy in primary angle-closure suspects.
Jiang Y et al(China)
Ophthalmology 119(2): 283-8, 2012
・狭隅角の734名(50-70歳)の中国人の片眼に対し、Nd:YAGレーザーにて周辺虹彩切開を行い、施行していない他眼との眼圧の比較を行った。
・眼圧測定は処置前、1時間後、2週間後に行った。
・処置後の眼圧8mmHg以上の上昇は、1時間後に9.8%(95%CI=7.7-12.0)、2週間後は0.82%(95%CI=0.2-1.5)であった。
・処置直後の30mmHg以上の眼圧上昇は4/734眼(0.54%)で発生した。
・1時間後の眼圧は処置眼で、17.5±4.7、対象眼で15.2±2.6(p<0.001)であり、2週間後では、15.6±3.4と15.1±2.7(p<0.001)であった。
・8mmHg以上の眼圧上昇のあった72眼と、上昇のなかった662眼とを比較すると、平均値とリスクファクターは、中心前房深度が、2.49±0.20:2.55±0.22(p=0.012)mm OR=0.25(95%CI=0.08-0.80 p=0.019)で、レーザーの全エネルギー量が、205.8±185.2:146.0±118.5mJ(p<0.001) OR=1.32(95%CI=1.14-1.53 p<0.001)、レーザー凝固数が、58.1±47.5:46.0±33.7発(p=0.039) OR=1.08(95%CI=1.02-1.14 p=0.009)と有意差があった。
・この様な症例では、処置1時間後の眼圧上昇に気を付けた方が良い。
Effect on intraocular pressure in patients receiving unilateral intravitreal anti-vascular endothelial growth factor injections.
Hoang QV et al(NY USA)
Ophthalmology 119(2): 321-6, 2012
・新生血管AMDの207例につき、bevacizumabとranibizumabの注射回数と眼圧経過を調査した。
・注射回数は平均 20.8回(8-48回)、平均経過観察期間は 148.6週(9.7-274週)。
・2回以上連続で、眼圧上昇していた場合を眼圧上昇と定義した。
・5mmHg以上眼圧上昇を来たした人は、治療眼で11.6%、対象眼で5.3%であった。
・平均注射回数は、5mmHg以上眼圧上昇群では24.4回(95%CI=20.9-28.0)であり、非上昇群の20.4回(95%CI=18.9-21.8)より多かった。
・5mmHg以上眼圧が上昇する人は、29回以上注射を受けた人では、12回未満の人に比べ、5.75倍(95%CI=1.19-27.8 p=0.03)、高かった。
・眼圧上昇の要因を検討すると、注射回数のみが相関があった OR=1.50 (95%CI=0.995-2.26 p<0.05)
Enhanced depth imaging optical coherence tomography of deep optic nerve complex structures in glaucoma.
Park SC et al(NY USA)
Ophthalmology 119(1): 3-9, 2012
・Enhanced depth imaging(EDI)-OCTで73例(139眼)の緑内障の視神経構造Optic nerve complex(ONC)を調べた。
・ONCの深層:篩板部(LC)、短後毛様動脈(SPCN)、中心網膜動脈(CRA)、中心網膜静脈(CRV)、視神経周囲の脈絡膜、強膜、クモ膜下腔を調べた。
・篩板前面は視神経中心部では全例で、視神経周辺部では91例(65%)で同定することができた。
・脈絡膜内の腔と硝子体腔とのつながりを検出できた例もあった。