Techniques to monitor for endophthalmitis and other cataract surgery complication.
Ng JQ et al(Austraia)
Ophthalmology 115(1): 3-10, 2008
・Western Australian Data Linkage Systemの病名コードを利用して、1980-2000の間に、西オーストラリアで行われた水晶体手術 117,083例につき調査し、そのなかで術後眼内炎を発症した 210例(0.18%)につき施設別に検討した。
・4つの病院での術後眼内炎の発症は、ポアソン分布での95%予測値を上回っていた。
・頻度だけでみると、51病院のうち、2-3病院が上回っていた。
・統計処理をすると、2病院は多すぎ、1病院は予測値より少なかった。
・最高の発症頻度は約 1.2%。発症頻度が0.5%以上は総数2500例未満の7病院
Long-term results of scleral fixation of posterior chamber intraocular lenses in children.
Asadi R et al(Iran)
Ophthalmology 115(1): 67-72, 2008
・小児23人25眼に行われたIOL毛様溝固定について検討。
・1次移植が6眼(Marfan症候群)、2次移植が19眼(先天3眼、外傷16眼)。
・移植した年齢は 79±20.2(33-120)か月、術後経過観察は81.1±46.2(12-144)か月。
・13眼(52%)で一過性眼内出血、2眼(8%)で一過性脈絡膜浮腫、遅発眼内炎1眼(4%)、網膜剥離1眼(4%)、プロリン糸断裂による7-10年後のIOL偏位6眼(24%)
Intraocular pressure elevation within the first 24 hours after cataract surgery in patients with glaucoma or exfoliation syndrome.
Levkovitch-Verbin H et al(Israel)
Ophthalmology 115(1): 104-8, 2008
・正常者、コントロールの良い緑内障、落屑症候群の白内障術後4,8,24時間、1週間後に眼圧測定した。
・術後の眼圧の経過はGl, Exと正常者では有意に異なっていた(p=0.005)。
・正常(25眼)はGl(18眼)、Ex(19眼)より有意に眼圧が低かった(p<0.001)。
・予防的な0.5%チモプトール点眼群でも、正常(25眼)はGl(15眼)、Ex(20眼)より有意に低かった(p<0.001)。
・0.5%チモプトール点眼はGl群では有意に術後眼圧を下げたが(p=0.003)、Ex群(P=0.4)、正常群(p=0.5)では有意差はなかった。
・正常者で眼圧25以上はなかったが、>25, >30mmHgはGl群では55%、28%、Ex群では27%、11%でみられた。
・0.5%チモプトール点眼群では、>30mmHg以上はなく、>25以上も Gl群で14%、Ex群で5%まで減らした
Is it worth reoperating on macular holes?
Valldeperas X et al(UK)
Ophthalmology 115(1): 158-63, 2008
・532眼の全層黄斑円孔(FTMH)手術で、初回手術で閉鎖しなかった51眼と、再開した21眼で再手術の効果を検討。
・再手術では自己血小板注入とperfluoropropaneを注入し、2週間うつ伏せとした。
・再開群の全例と未閉鎖群の76%で2回目の手術で円孔は閉鎖した。
・2回目の術前視力は再開群 0.14、未閉鎖群 0.10であったが、術後の視力は再開群では0.42、未閉鎖群では0.19であった
Steroidal and nonsteroidal antiinflammatory medications can improve photoreceptor survival after laser retinal photocoagulation.
Brown J Jr et al(TX USA)
Ophthalmology 114(10): 1876-83, 2007
・20頭の赤毛猿で、メチルプレドニゾロンあるいはインドメサシンがレーザー網膜障害後の視細胞の生存を助けるかどうかを検討。
・右眼にアルゴングリーンレーザー(514.5nm, 10ms)、左眼に Nd:YAGレーザー(1064nm, 10ns)を照射し、照射後2週間、4種の治療を行い、1日後、14日後、2ヵ月後、4ヵ月後に調べ、4ヵ月後に組織検査を行った。
・4種の治療は、高用量メチルプレドニゾロン、中用量メチルプレドニゾロン、インドメサシン治療とコントロールである。
・治療部位に存在する視細胞核の数をその周囲の視細胞核の数と比較した。
・アルゴンレーザー治療では、高用量ステロイド群とインドメサシンン群ではコントロール群に比較して有意に生存率が高かった(p=0.004)
・Nd:YAGレーザー群では、出血部ではインドメサシン群がコントロール群より有意に生存率が高く(p=0.003)、非出血部では中用量ステロイド群が有意に生存率が高かった(p=0.004)
Periocular triamcinolone and photodynamic therapy for subfoveal choroidal neovascularization in age-related macular degeneration.
NAPP Trial Research Group(USA)
Ophthalmology 114(9): 1713-21, 2007
・AMDに対し、PDT直前にテノン嚢下トリアムシノロン注入を行った33例と、PDTだけの30例の治療効果を比較した。
・対象は視力 20/20-20/320で、過去に2回以上のPDT治療を受けていない者。
・1、3、6ヶ月後に最良視力、眼圧、FAG、眼底写真を撮影し、3ヵ月後にFAGで漏出があるかどうかで評価した。
・3ヵ月後の漏出のあったものは注入群では94%、PDTだけ群では90%で有意差はなかった(p=0.66)。
・3ヵ月後の視力は注入群 20/100、PDTだけ群 20/125で、治療前より 1.5 lineと0.9 line視力低下しており、両群間に有意差はなかった(P=0.50)。
・21mmHg以上の眼圧上昇は注入群7例(21%)、PDTだけ群1例(3%)で有意差があった(p<0.05)。
・眼瞼下垂は注入群の1例(3%)で発症した。
・以前に発表された論文と違い、この報告では、3ヵ月後のFAG漏出で見た場合には両群間では有意差はなかった。
Features of the multifocal electroretinogram may predict the rate of myopia progression in children.
Luu CD et al(Singapore)
Ophthalmology 114(8): 1433-8, 2007
・小児の近視の進行具合を multifocal Electroretinogram(mfERG)で検討した。
・81人の9歳から11歳の児童にサイプレ屈折検査、mfERGや眼軸長などを2002年に行い、2年後に再検した。
・81眼の内、12眼は1Dを超える近視進行があり、44眼は中等度の進行(0.25Dを超え1D以下)、25眼は軽度進行あるいは進行なし(0.25D以下)。
・高度進行群では中心5度以内のmfERGのP1振幅が中度進行群あるいは軽度進行群に比して有意に小さかった(p=0.023, p=0.030)。
・ 中心5度以内の他のmfERGパラメータ、あるいはその外のmfERGパラメータはいずれも優位差はなかった。
Intravitreal bevacizumab for treatment of uveitic macular edema.
Coma MC et al(MA USA)
Ophthalmology 114(8): 1574-9, 2007
・様々なブドウ膜炎に続発した、治療に抵抗する嚢胞様黄斑浮腫13例に対し、硝子体内bevacizumab 2.5mgを片眼に投与し、その後の12週間の短期安全性と効果について検討。
・6眼(46%)では黄斑厚み減少、5眼(38%)では視力の2ライン上昇。
・黄斑厚みは有意に減少したが(p<0.02)、視力の有意な上昇はなかった(p>0.05)。
・今後の更なる検討が必要
Evaluation of Medicare costs of endophtalmitis among patients after catract surgery.
Schmier JK et al(USA)
Ophthalmology 114(6): 1094-9, 2007
・1997-2001年の Medicareの受給者ファイルから白内障術後の眼内炎発症例について調査。
・139,558例は術後眼内炎を未発症で、417例が発症した。発症率は417/139,975=0.30%
・費用の平均は発症者で $20,590、コントロールで $8,012、支払額の平均は発症者で$5,798、コントロールで $2,334であった。
Effect of laser trabeculoplasty on nocturnal intraocular pressure in medically treated glaucoma patients.
Lee AC et al(CA USA)
Ophthalmology 114(4): 666-70, 2007
・点眼治療中の18例28眼のPOAGで、LTPが24時間眼圧IOPに及ぼす影響について検討した。
・LTP術前とLTP治療の45日から80日後の24時間IOPを測定した。
・覚醒中の16時間は座位と仰臥位の両方のIOP、夜間睡眠中の8時間は仰臥位のIOPを血圧、心拍数と一緒に2時間おきにPneumatonometer (Model 30 Classic)で測定した。
・覚醒中の眼圧は座位でも仰臥位でも、術前とLTP後の眼圧に有意差はなかったが、夜間の仰臥位での眼圧はLTP後に有意に低下していた。
・24時間のhabitual IOP(覚醒中は座位、睡眠中は仰臥位)の平均ならびに最高眼圧はLTP後に有意に低下していた。
・また、仰臥位での24時間の平均眼圧もLTP後に有意に低下していた。
Intravitreal long-acting gas in the prevention of early postoperative vitreous hemorrhage in diabetic vitrectomy.
Yang CM et al(Taiwan)
Ophthalmology 114(4): 710-5, 2007
・59例61眼の増殖性糖尿病網膜症の硝子体手術で、術後、網膜再剥離が3ヶ月以上なく、6ヶ月以上経過観察できた人を検討した。
・術終了時に10%C3F8を注入する群(G1)としない群(G2)にランダムに分けた。
・術2ヵ月以降に3箇所の術創をUBMで検査して増殖性変化の有無を確認した。
・硝子体が清浄になるまでの時間(ITVC)はG1では13.2±9.6日、G2では11.3±11.1日で有意差はなく、ITVCが5週間を超えた人はG1では1/31例、G2では2/30例であった。
・術後早期の硝子体再出血はG1では0/31、G2では5/30であり(p=0.02)、両者をあわせたものはG1では1/31、G2では7/30であり、有意差があった(p=0.02)。
・両群ともUBM検査では創口への血管新生はなかったことから、10%C3F8の注入は術後再出血予防に有用である
Prevalence and long-term natural course of retinoschisis among elderly indivisuals.
The Copenhagen City Eye Study.
Buch H et al(Denmark)
Ophthalmology 114(4): 751-5, 2007
・CopenhagenのOsterbro地区に住んでいる60歳から80歳の946名について、14年後に生存していた人の 97.3%にあたる359名について検討。
・最初の946名の内、35名が片眼あるいは両眼にretinoschisisがあり、そのうち15名が14年後に経過観察できた。
・60-80歳での頻度は3.9%(95%CI=2.6-5.2%)で、年齢、性と相関はなく、耳下側が44.4%と多かった。
・白内障手術をうけた1名に網膜剥離を発症した。
・4名が経過中に他眼にretinoschisisを発症した。
・14年間で不変が73.7%、消失は8.8%であった
Surgeon volumes and selected patient outcomes in cataract surgery. A population-based analysis.
Bell CM et al(Canada)
Ophthalmology 114(3): 405-10, 2007
・Canada Ontario州で、2001-2003年に年間50症例以上の白内障手術を行なった70施設の術者(231-243人)の術後経過について検討。
・対象は20歳以上の白内障患者 284,797眼。
・白内障術後2週間以内に発生した合併症に対する処置、手術の請求書を元にして検討した。
・請求内容は、硝子体手術、硝子体吸引や注射、硝子体置換、脱臼水晶体除去であり、術後網膜剥離、核落下、術後眼内炎を示唆するものである。
・年間の発症率は 0.33-0.41%であった。
・年間251-500例の術者は0.4%で、年間50-250例の術者(対象)の0.52(95%CI=0.39-0.69)。
・年間501-1000例の術者は 0.2%で、対象の0.31(95%CI=0.22-0.43)
・年間1000例超の術者は 0.1%で、対象の0.14(95%CI=0.09-0.23)であった。
・対象,≦500,≦1000,>1000、核落下 1:0.45:0.22:0.08、網膜剥離1:0.36:0.16:0.13、眼内炎 1:0.63:0.46:0.22
Retinal vein occlusion and vascular mortality. Pooled data analysis of 2 population-based cohorts.
Cugati S et al(Australia)
Ophthalmology 114(3): 520-4, 2007
・Beaver Dam Eye Study(BDES 1988-1990)43-86歳の4926名、Blue Mountains Eye Study(BMES 1992-1994) 49-94歳の3654名が調査開始時に登録されたデータを調査した。
・8384人の内、96名(1.14%)にRVOがあった。
・12年間の内に1312名(15.7%)が心血管病変で死亡、341名(4.1%)が脳血管病変で死亡。
・対象群との年齢調整を行なった後の死亡率はRVO群では 26.0%と5.3%、非RVO群では17.1%と4.5%であった。
・年齢、性、body-mass-index、高血圧、糖尿病、喫煙、緑内障などで調整すると、RVOと血管死亡率との間に関連はなくなったが、43歳から69歳群だけでみると、RVOは心血管病変での死亡リスクは倍になっていた
Diabetic vitrectomy. Influene of lens status upon anatomic and visual outcomes.
Schiff WM et al(NY USA)
Ophthalmology 114(3): 544-50, 2007
・糖尿病網膜症に対する1回目の硝子体手術時に水晶体を取るか否かで術後の解剖学的、機能的結果に差があるかどうかを検討。
・85例102眼の増殖性網膜症に対する手術を検討。
・術後に有水晶体眼であったものでは、有意にその後の再硝子体手術が多かった。
Effects of corneal thickness, corneal curvature, and intraocular pressure level on Goldmann applanation tonometry and Dynamic Coutour Tonometry.
Francis BA et al(CA USA)
Ophthalmology 114(1): 20-26, 2007
・平均眼圧はGATではDCTよりも全体では有意に低かった(14.4±3.2:16.0±3.6)
・GAT、DCRともにCCTが薄いと低かったが、この差はDCTよりもGATで顕著であった(p<0.0001)。
・GATとCDRの差はCCTが薄いと大きく、CCTが厚いと減少していた(p<0.001)。
・角膜曲率半径が大きいほどDCTでは眼圧測定値が高かったが(p=0.02)、GATでは相関がなかった
Detection of primary angle closure using anterior segment optical coherence tomography in Asian eyes.
Nolan WP et al(UK)
Ophthalmology 114(1): 33-9, 2007
・Singaporeのglaucoma clinicに通院中の患者で、偽水晶体眼、緑内障手術既往眼を除いた200名342眼で、その内、70.9%が臨床的にPAGと診断されているアジア人で検討。
・下耳鼻側の隅角をAS-OCTで暗所と明所で測定し、薄明下での隅角鏡検査を行った。
・1象限以上の隅角閉鎖は、AS-OCTでは142名(71%)228眼(66.7%)、隅角鏡では99名(49.5%)152眼(44.4%)に見られた。
・両検査ともに下方隅角閉塞が一番多かった。
・暗所では、342眼中、両検査で閉塞143眼、両検査で開放105眼、AS-OCTだけで閉塞85眼、隅角鏡だけで閉塞9眼。
・明所では、両検査で閉塞127眼、両検査で開放128眼、AS-OCTだけで閉塞66眼、隅角鏡だけで閉塞21眼。
・隅角が閉塞する人で、狭隅角緑内障と診断されている人は約3人に2人で、残り1名は開放隅角と診断されている可能性がある。
Optical coherence tomography analysis of the macula after scleral buckle surgery for retinal detachment.
Benson SE et al(UK)
Ophthalmology 114(1): 108-12, 2007
・合併症のない網膜剥離手術後、18ヶ月経過観察のできた18歳以上の98例で検討。
・OCTで6週,3,6,9,19,18か月経過観察。
・98例中54例(55%)では術後6週間後にOCTで網膜下液(SRF)があり、SRFの存在は視力改善不良と関連していた。
・このうち78%のものでは術後6ヵ月後もSRFは存続し、中間値で10ヵ月後に吸収し、視力改善とも相関していた
Relationship of progression of visual field damage to postural changes in intraocular pressure in patients with normal-tension glaucoma.
Kiuchi T et al(筑波大)
Ophthalmology 113(12): 2150-5, 2006
・NTGでの視野障害の進行が姿勢変化による眼圧変動と関連があるかどうかを点眼治療中のNTG 33例60眼(平均年齢67.9歳、平均経過観察4.6年)で検討した。
・眼圧、血圧、脈拍を座位と仰臥位で測定。
・視野はHumphrey視野計による年間MD値の変化、すなわち、回帰線としてのMD傾斜線を Statpac2プログラムで求めた。
・仰臥位の眼圧は座位よりも有意に高かった(平均3.8mmHg, p<0.001)。
・MD傾斜線と座位眼圧に相関はなかったが、仰臥位眼圧との間には優位な相関があり(p=0.043)、姿勢変化による眼圧変化とMD傾斜線は有意に相関した(p<0.001)。
・仰臥位での収縮期血圧のみが眼圧の姿勢変化と関連があった(p=0.004)。
・これらのことから、NTGにおける視野変化は睡眠時に進行している可能性があると考えた
Systemic bevacizumab(Avastin) therapy for neovascular age-related macular degeneretion. Twenty-four-week results of an uncontrolled open-label clinical study.
Moshfeghi AA et al(FL USA)
Ophthalmology 113(11): 2002-11, 2006
・subfoveal CNVがあり、最高視力が 20/40-20/400のAMD患者18例。
・アバスチンを 5mg/kg静注し、2週間間隔で1,2回追加静注し、24週間経過観察した。
・重篤な合併症はなかったが、唯一の有害事象は3週目までの平均血圧の上昇であった(収縮期 +11mmHg:p=0.004, 拡張期 +8mmHg:p<0.001)が、24週目までには血圧は正常化した。
・視力上昇は2週目までに起こり、24週目まで持続した(p<0.001)。
・OCTの平均CRTは 112μ減少(p<0.001)。
・最初の2ー3回の静注後に、漏出の再発に対して追加静注が必要であったものは6/18 で、いずれも追加静注後に漏出は停止した